科目名 | : | 救急治療・臨床中毒学 |
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英文名 | : | Emergency Medicine and Clinical Toxicology |
科目概要 | : | 薬・創薬, 4年, 後期, 選択, 1単位 A, B, C, D, S, 金曜日3時限, 3606講義室 |
科目責任者 | : | 福本 真理子 (中毒学・准教授) |
担当者 | : | 福本 真理子 (中毒学・准教授), 伊関 憲 (非常勤教員), 石澤 不二雄 (非常勤教員) |
備考 | : |
救急・中毒医療に専門性を活かした薬剤師業務を行うことができるようになるために、日本における急性中毒の現状とその診断・治療の概要を学び、さらに急性中毒を起こしやすい代表的な薬毒物の毒性、中毒症状、分析・鑑別方法、治療法や中毒事故の防止方法を習得する。科学捜査や、法医学領域に必要な薬学の専門性について習得する。
No. | 講義項目 | 担当者 | 開講日 | 到達目標・学習方法・内容 |
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1 | 毒とは何か、中毒の定義と考え方、急性中毒と特徴的な症状、鑑別法 | 福本 真理子 | 9月9日 | 毒や中毒の定義、毒性の尺度、中毒の種類について説明できる。 日本における急性中毒の現状、トキシドローム、特徴的な中毒症状、合併症について説明できる。 |
2 | 生活の中で起きる化学物質による急性中毒とその対策 | 福本 真理子 | 9月16日 | タバコなど家庭用品、生活化学物質の誤用、インターネットを介して入手した医薬品や健康食品、NBCテロによる中毒とその対策について説明できる。 |
3 | 医薬品による急性中毒とその対策 | 福本 真理子 | 9月23日 | 頻度の高い急性中毒起因薬物や一般用医薬品による中毒の毒性、中毒症状、鑑別法、治療法を説明できる。 |
4 | 科学捜査に有用な分析的アプローチ | 石澤 不二雄 | 9月30日 | 科学捜査や法医学領域で必要とされている薬学的知識、分析技術について列挙できる。 |
5 | 自然毒・食品による急性中毒とその対策 | 福本 真理子 | 10月7日 | 有毒動植物の誤食、食品の微量有毒成分、食品に混入した有毒物質による中毒とその対策を列挙できる。アルカロイドをはじめとする代表的な毒性成分の毒性と鑑別法について説明できる。 |
6 | 魚介類による急性中毒、伴侶動物、家畜動物の中毒とその対策 | 福本 真理子 | 10月14日 | 魚介類の誤食による中毒とその対策を列挙できる。ヒトと動物との中毒メカニズムの違い、伴侶動物(ペット)に多い中毒とその予防、家畜動物の中毒を説明できる。 |
7 | 休講 | 10月28日 | 休講 | |
8 | 休講 | 11月11日 | 休講 | |
9 | 毒物や化学物質混入事例に学ぶ | 福本 真理子 | 11月18日 | シアン化合物、アジ化ナトリウム、メタノールなどの代表的な毒物や、ジエチレングリコール、メラミンなどの毒物の混入事件の概要、原因物質の毒性、中毒症状、分析法、治療法を説明できる。 |
10 | 金属・元素物質による中毒とその対策 ※2時限目に実施 | 福本 真理子 | 11月22日 | ヒ素、タリウム、鉛、鉄などの金属や元素物質による急性、慢性毒性、中毒症状、分析法、キレート剤による治療法を説明できる。 |
11 | 農薬・ガスによる急性中毒とその対策 ※3406講義室で実施 | 伊関 憲 | 11月25日 | 農薬とは何か、頻度の高い農薬中毒の毒性、中毒症状、鑑別方法、治療法を説明できる。一酸化炭素、硫化水素、ヘリウムなどの有害ガスによる中毒の毒性、中毒症状、鑑別方法、治療法を説明できる。 |
12 | 休講 | 11月29日 | 休講 | |
13 | 中毒医療における薬毒物分析(トライエージDOA等の演習を含む)と解毒薬の調整 | 福本 真理子 | 12月2日 | 中毒医療における薬毒物分析の重要性に説明できる。分析すべき急性中毒の原因物質15品目、臨床検体の取り扱い方、主な簡易検査法、定量分析法、平成26年度診療報酬改定「急性薬毒物中毒加算」について説明できる。薬毒物スクリーニングキットの使い方や、活性炭や代表的な解毒薬の調製方法を説明できる。乱用薬物用検査キットの実習、解毒薬、活性炭の試飲を行う。 |
定期試験 | 記述式で行う。 |
授業 | 不定期にレポートを提出する。 |
その他 | 筆記試験およびレポートより総合的に評価する。ただし、欠席は1回につき5点減点。 |
1 | 自らが主体的に選択した科目であることを自覚して、すべての講義に積極的に出席すること。 前期の教科書販売時に必ずテキストを購入し、夏期休暇中に一読しておくこと。 ニュース、新聞、雑誌などで話題となった、中毒事故を含めた健康被害などの社会問題に関心を向けること。 テキストの中で不明な点は自ら調べた上で、なおわからない点が残る場合は、講義中もしくはオフィスアワーを使って質問に来ること。 時間的に可能であれば、科捜研見学、日本中毒情報センター見学を企画する。 単位履修をしないで聴講することは可能であるが、その場合でも出欠票には名前を書くこと。授業評価アンケートにも協力して欲しい。 中毒学研究室の研究内容に興味を持っていて、配属を希望する学生は、救急治療・臨床中毒学を履修することが望ましい。 |
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 医薬品安全性学・臨床中毒学(仮題) | 福本真理子 | 京都廣川書店 |
参考書 | 医薬品の安全性学 | 吉田武美・竹内幸一編集 | 廣川書店 |
参考書 | 医薬品トキシコロジー | 佐藤哲男・仮家公夫・北田光一編集 | 南江堂 |
参考書 | 急性中毒標準診療ガイド | 日本中毒学会編集 | じほう |
参考書 | 中毒百科 | 内藤裕史 | 南江堂 |