Web Syllabus(講義概要)
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科目名:臨床生理学Ⅱ
英文名:Clinical Physiology Ⅱ
科目概要:薬・創薬, 4年, 後期, 選択, 1単位
A, B, C, D, S, 水曜日1時限, 2301大講義室
科目責任者:喜来 望 (学習支援室・講師)
担当者:喜来 望 (学習支援室・講師), 林 規隆 (北里研究所病院 ※)
備考:NR養成講座対応科目 
臨床検査技師養成科目 
〔科目ナンバリング:PP301-CP04, PL301-CP04〕

授業の目的

臨床実務を志す学生は、検査と薬物治療の適正性の評価の視点を持てるようになるために、また、薬科学を志す学生は、医薬品の効果を検査値から評価する視点を持てるようになるために、生体の生理機能変化と病態の関係を理解し、疾患における病像・病態の把握に必要な生理機能評価の方法と実際の概要を説明できるようになる。
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の薬学科①④、生命創薬科学科①③に関連する。

教育内容

正常な臓器の機能形態を理解するために、生理機能検査を中心に、測定原理・方法、検査結果などについて講義する。また、病態における検査結果の評価と特徴などについて講義する。

教育方法

パワーポイントと配布資料を用いて講義形式ですすめる。

講義内容

No.講義項目担当者開講日到達目標・学習方法・内容SBO
1循環器関連の臨床生理①喜来 望
9月9日循環器系の解剖生理学的特質を理解し、その評価のためのポイントを列挙できる。心筋の興奮収縮連関とその電気生理について概説できる。
2循環器関連の臨床生理②喜来 望
9月16日心電図の原理と基本を理解し、説明できる。また、心電図の臨床的意義について概説できる。
3循環器関連の臨床生理③喜来 望
9月23日心電図から知りうる生体情報、心電図の異常所見と病態について概説できる。
4呼吸器関連の臨床生理①喜来 望
9月30日呼吸器系の機能形態的特徴を概説できる。呼吸器系の機能的異常をもたらす主たる要因と呼吸器系の異常によってもたらされる病変について概説できる。
5呼吸器関連の臨床生理②喜来 望
10月7日呼吸器系の機能形態的特徴に基づく諸検査の意義について概説できる。特に血液ガス分析の意義について理解し、得られる情報及びそれに基づく疾患の評価について概説できる。
6呼吸器関連の臨床生理③喜来 望
10月14日呼吸器の機能検査の種類と評価について概説できる。特にスパイロメトリー及びその関連検査から得られる情報及びそれに基づく疾患の評価について概説できる。
7画像検査①
林 規隆
10月21日超音波検査の原理と測定法について説明できる。
8画像検査②林 規隆
10月28日心機能における超音波診断の適応について理解し、特徴的なデータについて概説できる。
9画像検査③林 規隆
11月4日腹部超音波の正常及び異常像について概説できる。
10画像検査④林 規隆
11月11日その他の画像検査について合理的に説明できる。
No. 1
講義項目
循環器関連の臨床生理①
担当者
喜来 望
開講日
2020-09-09
到達目標・学習方法・内容
循環器系の解剖生理学的特質を理解し、その評価のためのポイントを列挙できる。心筋の興奮収縮連関とその電気生理について概説できる。
SBO
C7171心臓について概説できる。
No. 2
講義項目
循環器関連の臨床生理②
担当者
喜来 望
開講日
2020-09-16
到達目標・学習方法・内容
心電図の原理と基本を理解し、説明できる。また、心電図の臨床的意義について概説できる。
SBO
E1226代表的な生理機能検査(心機能、腎機能、肝機能、呼吸機能等)、病理組織検査および画像検査の検査項目を列挙し、目的と異常所見を説明できる。
E2311以下の不整脈および関連疾患について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 不整脈の例示:上室性期外収縮(PAC)、心室性期外収縮(PVC)、心房細動(Af)、発作性上室頻拍(PSVT)、WPW症候群、心室頻拍(VT)、心室細動(Vf)、房室ブロック、QT延長症候群
No. 3
講義項目
循環器関連の臨床生理③
担当者
喜来 望
開講日
2020-09-23
到達目標・学習方法・内容
心電図から知りうる生体情報、心電図の異常所見と病態について概説できる。
SBO
E1226代表的な生理機能検査(心機能、腎機能、肝機能、呼吸機能等)、病理組織検査および画像検査の検査項目を列挙し、目的と異常所見を説明できる。
E2311以下の不整脈および関連疾患について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 不整脈の例示:上室性期外収縮(PAC)、心室性期外収縮(PVC)、心房細動(Af)、発作性上室頻拍(PSVT)、WPW症候群、心室頻拍(VT)、心室細動(Vf)、房室ブロック、QT延長症候群
E2313虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
No. 4
講義項目
呼吸器関連の臨床生理①
担当者
喜来 望
開講日
2020-09-30
到達目標・学習方法・内容
呼吸器系の機能形態的特徴を概説できる。呼吸器系の機能的異常をもたらす主たる要因と呼吸器系の異常によってもたらされる病変について概説できる。
SBO
C7181肺、気管支について概説できる。
No. 5
講義項目
呼吸器関連の臨床生理②
担当者
喜来 望
開講日
2020-10-07
到達目標・学習方法・内容
呼吸器系の機能形態的特徴に基づく諸検査の意義について概説できる。特に血液ガス分析の意義について理解し、得られる情報及びそれに基づく疾患の評価について概説できる。
SBO
E1211以下の症候・病態について、生じる原因とそれらを伴う代表的疾患を挙げ、患者情報をもとに疾患を推測できる。 ショック、高血圧、低血圧、発熱、けいれん、意識障害・失神、チアノーゼ、脱水、全身倦怠感、肥満・やせ、黄疸、発疹、貧血、出血傾向、リンパ節腫脹、浮腫、心悸亢進・動悸、胸水、胸痛、呼吸困難、咳・痰、血痰・喀血、めまい、頭痛、運動麻痺・不随意運動・筋力低下、腹痛、悪心・嘔吐、嚥下困難・障害、食欲不振、下痢・便秘、吐血・下血、腹部膨満(腹水を含む)、タンパク尿、血尿、尿量・排尿の異常、月経異常、関節痛・関節腫脹、腰背部痛、記憶障害、知覚異常(しびれを含む)・神経痛、視力障害、聴力障害
E1225動脈血ガス分析の検査項目を列挙し、目的と異常所見を説明できる。
E1226代表的な生理機能検査(心機能、腎機能、肝機能、呼吸機能等)、病理組織検査および画像検査の検査項目を列挙し、目的と異常所見を説明できる。
No. 6
講義項目
呼吸器関連の臨床生理③
担当者
喜来 望
開講日
2020-10-14
到達目標・学習方法・内容
呼吸器の機能検査の種類と評価について概説できる。特にスパイロメトリー及びその関連検査から得られる情報及びそれに基づく疾患の評価について概説できる。
SBO
E1226代表的な生理機能検査(心機能、腎機能、肝機能、呼吸機能等)、病理組織検査および画像検査の検査項目を列挙し、目的と異常所見を説明できる。
E2411気管支喘息について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
E2412慢性閉塞性肺疾患および喫煙に関連する疾患(ニコチン依存症を含む)について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
E2413間質性肺炎について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
No. 7
講義項目
画像検査①
担当者
林 規隆
開講日
2020-10-21
到達目標・学習方法・内容
超音波検査の原理と測定法について説明できる。
SBO
E1226代表的な生理機能検査(心機能、腎機能、肝機能、呼吸機能等)、病理組織検査および画像検査の検査項目を列挙し、目的と異常所見を説明できる。
No. 8
講義項目
画像検査②
担当者
林 規隆
開講日
2020-10-28
到達目標・学習方法・内容
心機能における超音波診断の適応について理解し、特徴的なデータについて概説できる。
SBO
E1226代表的な生理機能検査(心機能、腎機能、肝機能、呼吸機能等)、病理組織検査および画像検査の検査項目を列挙し、目的と異常所見を説明できる。
E2312急性および慢性心不全について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
E2315以下の疾患について概説できる。 閉塞性動脈硬化症(ASO)、心原性ショック、弁膜症、先天性心疾患
No. 9
講義項目
画像検査③
担当者
林 規隆
開講日
2020-11-04
到達目標・学習方法・内容
腹部超音波の正常及び異常像について概説できる。
SBO
E1226代表的な生理機能検査(心機能、腎機能、肝機能、呼吸機能等)、病理組織検査および画像検査の検査項目を列挙し、目的と異常所見を説明できる。
E2423肝疾患(肝炎、肝硬変(ウイルス性を含む)、薬剤性肝障害)について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
E2424膵炎について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
E2425胆道疾患(胆石症、胆道炎)について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
No. 10
講義項目
画像検査④
担当者
林 規隆
開講日
2020-11-11
到達目標・学習方法・内容
その他の画像検査について合理的に説明できる。
SBO
E1226代表的な生理機能検査(心機能、腎機能、肝機能、呼吸機能等)、病理組織検査および画像検査の検査項目を列挙し、目的と異常所見を説明できる。
E2138脳血管疾患(脳内出血、脳梗塞(脳血栓、脳塞栓、一過性脳虚血)、くも膜下出血)について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
E2423肝疾患(肝炎、肝硬変(ウイルス性を含む)、薬剤性肝障害)について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
E2424膵炎について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
E2425胆道疾患(胆石症、胆道炎)について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。

評価方法

定期試験講義範囲から出題する。マークシート方式。持ち込み禁止。
授業授業回数10回+定期試験。
講義中に演習を行う場合がある。
その他成績評価における定期試験配点率を100%とする。
ただし、講義内容に関連するホームワーク(レポート等)を課す場合がある。これらに対しては10%の配点を行い、定期試験の配点率を90%とする。

学生へのメッセージ

基礎解剖学・生理学、病理学、臨床検査学Ⅰ、臨床生理学Ⅰ等と関連しながら、臓器組織の機能と形態、そして疾患、これらを適正に評価するための手段といった関係性を念頭に置いて治療や期待されるエンドポイントを考えられるようになってください。

準備学習(予習・復習)・その他

1【授業時間外に必要な学習の時間:30時間】
2予習:講義内容の理解を深めるために、事前に関連する臓器等の生理機能や関連科目の講義内容を復習しておくこと。
3発展学習: 必要に応じてレポートを課す。定められた要領に従い、作成するとともに、予習内容を十分に反映させること。
4その他:定期試験結果の思わしくない者、病気等の事情で適正に受験できなかった者については、希望があれば、定期試験後、補習を実施する体制がある。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書最新 臨床検査学講座 生理機能検査学
(臨床検査技師課程の履修予定者は購入してください)
東條尚子、川良徳弘医歯薬出版株式会社
教科書講義資料配布
参考書新病態生理できった内科学
1 循環器疾患 第2版
総監修:村川裕二医学教育出版社
参考書新病態生理できった内科学
2 呼吸器疾患 第3版
総監修:村川裕二医学教育出版社
参考書標準臨床検査学 生理検査学・画像検査学谷口信行医学書院
参考書呼吸・循環イラストレイテッド稲田英一学研
参考書シンプル生理学根来 英雄 ら南江堂
参考書シンプル病理学笹野 公伸 ら南江堂
教科書
署名
最新 臨床検査学講座 生理機能検査学
(臨床検査技師課程の履修予定者は購入してください)
著者・編者
東條尚子、川良徳弘
発行所
医歯薬出版株式会社
教科書
署名
講義資料配布
著者・編者
発行所
参考書
署名
新病態生理できった内科学
1 循環器疾患 第2版
著者・編者
総監修:村川裕二
発行所
医学教育出版社
参考書
署名
新病態生理できった内科学
2 呼吸器疾患 第3版
著者・編者
総監修:村川裕二
発行所
医学教育出版社
参考書
署名
標準臨床検査学 生理検査学・画像検査学
著者・編者
谷口信行
発行所
医学書院
参考書
署名
呼吸・循環イラストレイテッド
著者・編者
稲田英一
発行所
学研
参考書
署名
シンプル生理学
著者・編者
根来 英雄 ら
発行所
南江堂
参考書
署名
シンプル病理学
著者・編者
笹野 公伸 ら
発行所
南江堂