Web Syllabus(講義概要)
トップへ戻る 前のページへ戻る
科目名:医薬品安全性学Ⅰ
英文名:Drug Safety Sciences and Medicinal Toxicology Ⅰ
科目概要:薬・創薬, 4年, 前期, 必修・選択, 1単位
A, B, C, D, S, 金曜日5時限, 大村記念ホール
3201講義室
3202講義室
科目責任者:中原 努 (分子薬理学・教授)
担当者:中原 努 (分子薬理学・教授), 森田 茜 (分子薬理学・助教)
備考:NR養成講座対応科目 
〔科目ナンバリング:PP301-CP04, PL301-CP04〕

授業の目的

薬による有害反応の発生を未然に防ぐために、また万一発生してしまった場合はその被害を最小限に食い止めるために、有害反応発生のメカニズムを理解するとともに、どのような方策が可能かを考える力を修得する。
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の薬学科①④、生命創薬科学科①に関連する。

教育内容

薬による有害反応の発生機序を薬理学的な視点から説明する。

教育方法

パワーポイント、プリントを活用しながら講義形式で進める。

講義内容

No.講義項目担当者開講日到達目標・学習方法・内容SBO
1医薬品安全性学序論中原 努
5月15日医療の現場における医薬品安全性学の役割について理解し、医薬品安全性学を学ぶ意義を説明できる。
2安全性の評価中原 努
5月22日医薬品の安全性評価法について説明できる。
3有害反応の予測(1)~有害反応に影響を及ぼす因子~中原 努
5月29日有害反応に影響を及ぼす因子について説明できる。
4有害反応の予測(2)~薬の吸収、分布と有害反応~中原 努
6月5日薬の吸収、分布と有害反応について説明できる。
5有害反応の予測(3)~薬の排泄、代謝と有害反応~中原 努
6月12日薬の排泄、代謝と有害反応について説明できる。
6有害反応の発現機構(1)~薬理遺伝学的異常形質~中原 努
6月19日薬理遺伝学的異常形質について列挙し、説明できる。
7有害反応の発現機構(2)~薬物アレルギー~中原 努
6月26日薬物アレルギーについて列挙し、説明できる。
8臓器別有害反応(1)~神経・感覚器、循環器~中原 努
7月3日代表的な神経・感覚器、循環器における薬物による有害反応を列挙し、説明できる。
9臓器別有害反応(2)~呼吸器、造血器、消化器、肝臓、腎臓~中原 努
7月10日代表的な呼吸器、造血器、消化器、肝臓、腎臓における薬物による有害反応を列挙し、説明できる。
10生殖器毒性/発生毒性森田 茜
7月17日代表的な生殖器と発生期における薬物による有害反応を列挙し、説明できる。
No. 1
講義項目
医薬品安全性学序論
担当者
中原 努
開講日
2020-05-15
到達目標・学習方法・内容
医療の現場における医薬品安全性学の役割について理解し、医薬品安全性学を学ぶ意義を説明できる。
SBO
A131医薬品のリスクを認識し、患者を守る責任と義務を自覚する。
A132WHOによる患者安全の考え方について概説できる。
A136代表的な薬害の例(サリドマイド、スモン、非加熱血液製剤、ソリブジン等)について、その原因と社会的背景及びその後の対応を説明できる。
A137代表的な薬害について、患者や家族の苦痛を理解し、これらを回避するための手段を討議する。
E140
No. 2
講義項目
安全性の評価
担当者
中原 努
開講日
2020-05-22
到達目標・学習方法・内容
医薬品の安全性評価法について説明できる。
SBO
E140
E3113医薬品(後発医薬品等を含む)の開発過程で行われる試験(非臨床試験、臨床試験、安定性試験等)と得られる医薬品情報について概説できる。
E3114医薬品の市販後に行われる調査・試験と得られる医薬品情報について概説できる。
E3115医薬品情報に関係する代表的な法律・制度(「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、GCP、GVP、GPSP、RMPなど)とレギュラトリーサイエンスについて概説できる。
No. 3
講義項目
有害反応の予測(1)~有害反応に影響を及ぼす因子~
担当者
中原 努
開講日
2020-05-29
到達目標・学習方法・内容
有害反応に影響を及ぼす因子について説明できる。
SBO
E4123薬物の吸収に影響する因子(薬物の物性、生理学的要因など)を列挙し、説明できる。
No. 4
講義項目
有害反応の予測(2)~薬の吸収、分布と有害反応~
担当者
中原 努
開講日
2020-06-05
到達目標・学習方法・内容
薬の吸収、分布と有害反応について説明できる。
SBO
E4121経口投与された薬物の吸収について説明できる。
E4122非経口的に投与される薬物の吸収について説明できる。
E4124薬物の吸収過程における相互作用について例を挙げ、説明できる。
E4125初回通過効果について説明できる。
E4131薬物が結合する代表的な血漿タンパク質を挙げ、タンパク結合の強い薬物を列挙できる。
E4134血液-組織関門の構造・機能と、薬物の脳や胎児等への移行について説明できる。
E4136薬物の分布過程における相互作用について例を挙げ、説明できる。
No. 5
講義項目
有害反応の予測(3)~薬の排泄、代謝と有害反応~
担当者
中原 努
開講日
2020-06-12
到達目標・学習方法・内容
薬の排泄、代謝と有害反応について説明できる。
SBO
E4141代表的な薬物代謝酵素を列挙し、その代謝反応が起こる組織ならびに細胞内小器官、反応様式について説明できる。
E4142薬物代謝の第I相反応(酸化・還元・加水分解)、第II相反応(抱合)について、例を挙げて説明できる。
E4143代表的な薬物代謝酵素(分子種)により代謝される薬物を列挙できる。
E4145薬物代謝酵素の阻害および誘導のメカニズムと、それらに関連して起こる相互作用について、例を挙げ、説明できる。
E4151薬物の尿中排泄機構について説明できる。
E4153代表的な腎排泄型薬物を列挙できる。
E4154薬物の胆汁中排泄と腸肝循環について説明できる。
E4155薬物の排泄過程における相互作用について例を挙げ、説明できる。
No. 6
講義項目
有害反応の発現機構(1)~薬理遺伝学的異常形質~
担当者
中原 努
開講日
2020-06-19
到達目標・学習方法・内容
薬理遺伝学的異常形質について列挙し、説明できる。
SBO
E331
E332
E333
No. 7
講義項目
有害反応の発現機構(2)~薬物アレルギー~
担当者
中原 努
開講日
2020-06-26
到達目標・学習方法・内容
薬物アレルギーについて列挙し、説明できる。
SBO
E2223以下のアレルギー疾患について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、接触性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、消化管アレルギー、気管支喘息(重複)
E2224以下の薬物アレルギーについて、原因薬物、病態(病態生理、症状等)および対処法を説明できる。 Stevens-Johnson(スティーブンス-ジョンソン)症候群、中毒性表皮壊死症(重複)、薬剤性過敏症症候群、薬疹
No. 8
講義項目
臓器別有害反応(1)~神経・感覚器、循環器~
担当者
中原 努
開講日
2020-07-03
到達目標・学習方法・内容
代表的な神経・感覚器、循環器における薬物による有害反応を列挙し、説明できる。
SBO
B231麻薬、向精神薬、覚醒剤原料等の取扱いに係る規定について説明できる。
B232覚醒剤、大麻、あへん、指定薬物等の乱用防止規制について概説できる。
E1118薬理作用に由来する代表的な薬物相互作用を列挙し、その機序を説明できる。
E1119薬物依存性、耐性について具体例を挙げて説明できる。
No. 9
講義項目
臓器別有害反応(2)~呼吸器、造血器、消化器、肝臓、腎臓~
担当者
中原 努
開講日
2020-07-10
到達目標・学習方法・内容
代表的な呼吸器、造血器、消化器、肝臓、腎臓における薬物による有害反応を列挙し、説明できる。
SBO
E1118薬理作用に由来する代表的な薬物相互作用を列挙し、その機序を説明できる。
E4145薬物代謝酵素の阻害および誘導のメカニズムと、それらに関連して起こる相互作用について、例を挙げ、説明できる。
No. 10
講義項目
生殖器毒性/発生毒性
担当者
森田 茜
開講日
2020-07-17
到達目標・学習方法・内容
代表的な生殖器と発生期における薬物による有害反応を列挙し、説明できる。
SBO
E3342妊娠・授乳期における薬物動態と、生殖・妊娠・授乳期の薬物治療で注意すべき点を説明できる。

評価方法

定期試験試験成績により評価する(100%)。
授業
その他 

学生へのメッセージ

関連科目ですでに受講した内容を一部含みますが、薬理学的な視点から考察を加えます。知識の定着と応用力を養ってください。

準備学習(予習・復習)・その他

1【授業時間外に必要な学習の時間:30時間】
2事前にシラバスを読んで講義内容を把握するとともに、関連分野(薬理学、薬剤学など)の教科書に目を通し、疑問点を明らかにしておく。受講後は、講義内容を復習し理解を深めておく。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書医薬品安全性学漆谷徹郎化学同人
参考書(なし)  
教科書
署名
医薬品安全性学
著者・編者
漆谷徹郎
発行所
化学同人
参考書
署名
(なし)
著者・編者
 
発行所