Web Syllabus(講義概要)
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科目名:衛生化学Ⅰ
英文名:Hygienic Chemistry Ⅰ
科目概要:薬・創薬, 3年, 前期, 必修, 1単位
A, B, C, D, S, 月曜日3時限, 1501大講義室
2301大講義室
科目責任者:今井 浩孝 (衛生化学・教授)
担当者:今井 浩孝 (衛生化学・教授), 熊谷 剛 (臨床薬学研究部門・講師)
備考:NR養成講座対応科目 
健康食品管理士養成講座対応科目 
臨床検査技師養成科目 
〔科目ナンバリング:PP301-hs03, PL301-hs03〕

授業の目的

健康を維持するために不可欠な脂質、糖質、タンパク質、ビタミンなどの栄養素の役割を科学的に理解するために、主要な栄養素の化学、代謝、生理的役割を知り、さらに栄養の過不足によりもたらされる病気、特に代謝性疾患(生活習慣病)とその薬の標的部位に関する知識を修得する。
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の薬学科①、生命創薬科学科①に関連する。

教育内容

3大栄養素である糖質、脂質、たんぱく質およびビタミンの構造や代謝経路、生理的な機能を説明し、それぞれの相互作用や過剰摂取や摂取不足によりどのような疾患になるのかについて説明する。

教育方法

パワーポイントと配布資料を用いて講義形式ですすめる。演習問題により講義の内容の理解度を把握する。

講義内容

No.講義項目担当者開講日到達目標・学習方法・内容SBO
1糖質の種類、吸収、代謝、制御ー血糖値の制御ー今井 浩孝
5月11日糖質の種類と構造、糖質がどのように消化、吸収され、体内に蓄積されるか、また血糖値がどのように制御されているかについて説明できる。
2糖質によるエネルギー産生と糖新生ー糖尿病、ガラクトース血症との関連今井 浩孝
5月18日糖質がどのようにエネルギーに変換できるかについて説明できる。ペントースリン酸経路、糖新生経路について説明できる。糖尿病、ガラクトース血症の発症メカニズムについて説明できる。
3脂質の化学ー脂肪酸、トリアシルグリセリール、コレステロール、リン脂質の構造と機能今井 浩孝
5月25日脂質の三大機能が説明できる。脂質の種類と機能、脂肪酸の構造、トリアシルグリセロール、コレステロール、リン脂質の構造、化学的性質、役割、疾患との関連について説明できる。
4脂質の代謝、リポタンパク質の分類と機能、ホスホリリパーゼと炎症との関連 今井 浩孝
6月1日脂質がどのように消化、吸収され、体内に分配されるかについて説明できる。脂質運搬に係わるリポタンパク質の列挙し、それぞれの構造の特色、役割を説明できる。ホスホリパーゼの種類の機能、炎症性メディエーター、プロスタグランジンとロイコトリエンの産生制御機構と病態との関連について説明できる。
5リン脂質,脂肪酸、コレステロールの生合成と調節機構と疾患今井 浩孝
6月8日脂肪酸の合成、β酸化、ケトン体の生成、コレステロールの生合成、調節機構を説明できる。メタボリックシンドローム、動脈硬化との関連について説明できる。
6アミノ酸・たんぱく質の化学熊谷 剛
6月15日アミノ酸の種類と構造、化学的性質、たんぱく質の種類と機能、構造的分類が説明できる。
7アミノ酸の代謝熊谷 剛
6月22日アミノ酸の代謝、脱炭酸、脱アミノ反応、尿素回路について説明できる。
8たんぱく質の代謝と栄養評価熊谷 剛
6月29日たんぱく質の消化、吸収、代謝、窒素平衡、たんぱく質の栄養価、アミノ酸価について説明できる。
9水溶性ビタミン熊谷 剛
7月6日水溶性ビタミン B群、C、ニコチン酸、葉酸、パントテン酸、ビオチンの構造が認識でき、関与する代表的な生理機能を説明できる。
10脂溶性ビタミン
熊谷 剛
7月13日脂溶性ビタミン A、D、E、Kの構造が認識でき、生理的役割を説明できる。
No. 1
講義項目
糖質の種類、吸収、代謝、制御ー血糖値の制御ー
担当者
今井 浩孝
開講日
2020-05-11
到達目標・学習方法・内容
糖質の種類と構造、糖質がどのように消化、吸収され、体内に蓄積されるか、また血糖値がどのように制御されているかについて説明できる。
SBO
C6221代表的な単糖、二糖の種類、構造、性質、役割を説明できる。
C6222代表的な多糖の種類、構造、性質、役割を説明できる。
C6521解糖系及び乳酸の生成について説明できる。
C6522クエン酸回路(TCAサイクル)について説明できる。
C6523電子伝達系(酸化的リン酸化)とATP合成酵素について説明できる。
C6524グリコーゲンの代謝について説明できる。
D1311五大栄養素を列挙し、それぞれの役割について説明できる。
D1312各栄養素の消化、吸収、代謝のプロセスを概説できる。
No. 2
講義項目
糖質によるエネルギー産生と糖新生ー糖尿病、ガラクトース血症との関連
担当者
今井 浩孝
開講日
2020-05-18
到達目標・学習方法・内容
糖質がどのようにエネルギーに変換できるかについて説明できる。ペントースリン酸経路、糖新生経路について説明できる。糖尿病、ガラクトース血症の発症メカニズムについて説明できる。
SBO
C6525糖新生について説明できる。
C6541飢餓状態のエネルギー代謝(ケトン体の利用など)について説明できる。
C6542余剰のエネルギーを蓄えるしくみを説明できる。
C7261血糖の調節機構について概説できる。
D1312各栄養素の消化、吸収、代謝のプロセスを概説できる。
D1313食品中の三大栄養素の栄養的な価値を説明できる。
No. 3
講義項目
脂質の化学ー脂肪酸、トリアシルグリセリール、コレステロール、リン脂質の構造と機能
担当者
今井 浩孝
開講日
2020-05-25
到達目標・学習方法・内容
脂質の三大機能が説明できる。脂質の種類と機能、脂肪酸の構造、トリアシルグリセロール、コレステロール、リン脂質の構造、化学的性質、役割、疾患との関連について説明できる。
SBO
C6211代表的な脂質の種類、構造、性質、役割を説明できる。
D1311五大栄養素を列挙し、それぞれの役割について説明できる。
No. 4
講義項目
脂質の代謝、リポタンパク質の分類と機能、ホスホリリパーゼと炎症との関連 
担当者
今井 浩孝
開講日
2020-06-01
到達目標・学習方法・内容
脂質がどのように消化、吸収され、体内に分配されるかについて説明できる。脂質運搬に係わるリポタンパク質の列挙し、それぞれの構造の特色、役割を説明できる。ホスホリパーゼの種類の機能、炎症性メディエーター、プロスタグランジンとロイコトリエンの産生制御機構と病態との関連について説明できる。
SBO
D1312各栄養素の消化、吸収、代謝のプロセスを概説できる。
D1313食品中の三大栄養素の栄養的な価値を説明できる。
No. 5
講義項目
リン脂質,脂肪酸、コレステロールの生合成と調節機構と疾患
担当者
今井 浩孝
開講日
2020-06-08
到達目標・学習方法・内容
脂肪酸の合成、β酸化、ケトン体の生成、コレステロールの生合成、調節機構を説明できる。メタボリックシンドローム、動脈硬化との関連について説明できる。
SBO
C6531脂肪酸の生合成とβ酸化について説明できる。
C6532コレステロールの生合成と代謝について説明できる。
C6541飢餓状態のエネルギー代謝(ケトン体の利用など)について説明できる。
C6542余剰のエネルギーを蓄えるしくみを説明できる。
D1312各栄養素の消化、吸収、代謝のプロセスを概説できる。
D1313食品中の三大栄養素の栄養的な価値を説明できる。
No. 6
講義項目
アミノ酸・たんぱく質の化学
担当者
熊谷 剛
開講日
2020-06-15
到達目標・学習方法・内容
アミノ酸の種類と構造、化学的性質、たんぱく質の種類と機能、構造的分類が説明できる。
SBO
C6231アミノ酸を列挙し、その構造に基づいて性質を説明できる。
C6241タンパク質の構造(一次、二次、三次、四次構造)と性質を説明できる。
C6311多彩な機能をもつタンパク質(酵素、受容体、シグナル分子、膜輸送体、運搬・輸送タンパク質、貯蔵タンパク質、構造タンパク質、接着タンパク質、防御タンパク質、調節タンパク質)を列挙し概説できる。
D1311五大栄養素を列挙し、それぞれの役割について説明できる。
D1312各栄養素の消化、吸収、代謝のプロセスを概説できる。
No. 7
講義項目
アミノ酸の代謝
担当者
熊谷 剛
開講日
2020-06-22
到達目標・学習方法・内容
アミノ酸の代謝、脱炭酸、脱アミノ反応、尿素回路について説明できる。
SBO
C6551アミノ酸分子中の炭素および窒素の代謝(尿素回路など)について説明できる。
D1312各栄養素の消化、吸収、代謝のプロセスを概説できる。
No. 8
講義項目
たんぱく質の代謝と栄養評価
担当者
熊谷 剛
開講日
2020-06-29
到達目標・学習方法・内容
たんぱく質の消化、吸収、代謝、窒素平衡、たんぱく質の栄養価、アミノ酸価について説明できる。
SBO
D1312各栄養素の消化、吸収、代謝のプロセスを概説できる。
D1313食品中の三大栄養素の栄養的な価値を説明できる。
No. 9
講義項目
水溶性ビタミン
担当者
熊谷 剛
開講日
2020-07-06
到達目標・学習方法・内容
水溶性ビタミン B群、C、ニコチン酸、葉酸、パントテン酸、ビオチンの構造が認識でき、関与する代表的な生理機能を説明できる。
SBO
C6261代表的なビタミンの種類、構造、性質、役割を説明できる。
D1311五大栄養素を列挙し、それぞれの役割について説明できる。
D1312各栄養素の消化、吸収、代謝のプロセスを概説できる。
No. 10
講義項目
脂溶性ビタミン
担当者
熊谷 剛
開講日
2020-07-13
到達目標・学習方法・内容
脂溶性ビタミン A、D、E、Kの構造が認識でき、生理的役割を説明できる。
SBO
C6261代表的なビタミンの種類、構造、性質、役割を説明できる。
D1311五大栄養素を列挙し、それぞれの役割について説明できる。
D1312各栄養素の消化、吸収、代謝のプロセスを概説できる。

評価方法

定期試験各講義で使用したプリント及び教科書の中から出題し、記述式解答により理解度について評価する(定期試験 100%)。
授業授業回数10回+定期試験
その他欠席、遅刻、態度不良は減点する。定期試験の結果、総合得点の60%以上を合格とする。

学生へのメッセージ

糖質、脂質、蛋白質の栄養素としての役割、代謝、吸収、消化について理解するためには、栄養素を口から摂取したあとにどのように吸収、消化されるのか流れで覚えよう。飢餓状態や飽食状態の際の3つの栄養素がどのように連関しているか理解しよう。

準備学習(予習・復習)・その他

1【授業時間外に必要な学習の時間:30時間】
糖質、脂質、アミノ酸やビタミンなど構造、代謝経路、生理的役割をきちんと理解すること。
2講義プリントを中心に授業を行うので内容について、当該分野を事前に教科書「衛生薬学 基礎・予防・臨床」を用いて予習を行う。
3プリント末の国試演習問題等を利用して復習を行い理解度について確かめる。理解できていないところは、教科書およびプリントを熟読し、理解を深めるとともに、オフィスアワーなどを最大限利用して、積極的に質問に来ること。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書衛生薬学 基礎・予防・臨床 (第3版) 今井浩孝・小椋康光 編集南江堂
参考書講義プリント配布
教科書
署名
衛生薬学 基礎・予防・臨床 (第3版)
著者・編者
 今井浩孝・小椋康光 編集
発行所
南江堂
参考書
署名
講義プリント配布
著者・編者
発行所