Web Syllabus(講義概要)
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科目名:生物薬剤学
英文名:Biopharmaceutics
科目概要:薬・創薬, 3年, 後期, 必修・選択, 1単位
A, B, C, D, S, 月曜日2時限, 1501大講義室
科目責任者:伊藤 智夫 (薬剤学・教授)
担当者:伊藤 智夫 (薬剤学・教授), 奈良輪 知也 (薬剤学・講師), 髙野 修平 (薬剤学・助教)
備考:NR養成講座対応科目 
〔科目ナンバリング:PP301-PK03, PL301-PK03〕

授業の目的

薬物の体内動態の変動、薬物相互作用、最適な投与法などを説明できるようになるために、薬物の吸収、分布、代謝、排泄に関する知識を修得する。
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の薬学科①、生命創薬科学科①に関連する。

教育内容

薬物の体内動態(生体膜透過、吸収、分布、代謝、排泄)について講義する。

教育方法

教科書と配付資料をもとに、パワーポイントまたは書画カメラを用いた講義形式ですすめる。配付資料には演習問題がついており、一部を講義中に解答することで理解を促進する。

講義内容

No.講義項目担当者開講日到達目標・学習方法・内容SBO
1生体膜の構造・性質と物質の生体膜透過奈良輪 知也
9月7日物質の生体膜透過機構(単純拡散、促進拡散、能動輸送など)と、その特徴を説明できる。消化管の構造と消化管からの薬物吸収機構について説明できる。
2薬物の吸収奈良輪 知也
9月14日消化管からの薬物吸収に影響を及ぼす因子を列挙できる。吸収過程における薬物相互作用を列挙し、その回避法を説明できる。
3薬物の吸収奈良輪 知也
9月28日消化管以外の投与経路と投与薬物を列挙し、投与経路選択の理由を説明できる。毛細血管の種類と構造を説明できる。
4薬物の分布奈良輪 知也
10月5日薬物が結合する血漿タンパクを挙げ、タンパク結合データを解析できる。血液脳関門などの組織障壁を列挙し、その特徴を説明できる。
5薬物の代謝伊藤 智夫
10月12日主な薬物代謝酵素と基質を列挙し、薬物代謝反応の特徴を説明できる。
6薬物の代謝伊藤 智夫
10月19日主な薬物代謝反応に対する代表的な基質、阻害薬、誘導薬を列挙し、代謝における薬物相互作用機構を説明できる。
7薬物の代謝伊藤 智夫
11月2日遺伝子多型を示す薬物代謝酵素を列挙し、遺伝子多型が薬物動態および臨床に及ぼす影響を説明できる。
8薬物の排泄奈良輪 知也
11月16日腎臓の構造と、薬物の腎排泄機構を説明できる。腎クリアランスを計算できる。
腎排泄における主な薬物相互作用を列挙し、相互作用機構を説明できる。腎臓以外の臓器・組織での排泄経路を列挙し、その特徴を説明できる。
9病態・加齢と薬物動態奈良輪 知也
11月25日病態及び加齢による生理的変化と、薬物動態への影響を説明できる。
10ドラッグデリバリーシステム
奈良輪 知也
11月30日放出制御、標的指向化など、ドラッグデリバリーシステム(DDS)の例を挙げ、その特徴と目的を説明できる。
No. 1
講義項目
生体膜の構造・性質と物質の生体膜透過
担当者
奈良輪 知也
開講日
2020-09-07
到達目標・学習方法・内容
物質の生体膜透過機構(単純拡散、促進拡散、能動輸送など)と、その特徴を説明できる。消化管の構造と消化管からの薬物吸収機構について説明できる。
SBO
E4111薬物の生体膜透過における単純拡散、促進拡散および能動輸送の特徴を説明できる。
E4112薬物の生体膜透過に関わるトランスポーターの例を挙げ、その特徴と薬物動態における役割を説明できる。
No. 2
講義項目
薬物の吸収
担当者
奈良輪 知也
開講日
2020-09-14
到達目標・学習方法・内容
消化管からの薬物吸収に影響を及ぼす因子を列挙できる。吸収過程における薬物相互作用を列挙し、その回避法を説明できる。
SBO
E4121経口投与された薬物の吸収について説明できる。
E4123薬物の吸収に影響する因子(薬物の物性、生理学的要因など)を列挙し、説明できる。
No. 3
講義項目
薬物の吸収
担当者
奈良輪 知也
開講日
2020-09-28
到達目標・学習方法・内容
消化管以外の投与経路と投与薬物を列挙し、投与経路選択の理由を説明できる。毛細血管の種類と構造を説明できる。
SBO
E3312薬物動態に影響する代表的な遺伝的素因(薬物代謝酵素・トランスポーターの遺伝子変異など)について、例を挙げて説明できる。
E4122非経口的に投与される薬物の吸収について説明できる。
E4124薬物の吸収過程における相互作用について例を挙げ、説明できる。
E4125初回通過効果について説明できる。
No. 4
講義項目
薬物の分布
担当者
奈良輪 知也
開講日
2020-10-05
到達目標・学習方法・内容
薬物が結合する血漿タンパクを挙げ、タンパク結合データを解析できる。血液脳関門などの組織障壁を列挙し、その特徴を説明できる。
SBO
E4131薬物が結合する代表的な血漿タンパク質を挙げ、タンパク結合の強い薬物を列挙できる。
E4132薬物の組織移行性(分布容積)と血漿タンパク結合ならびに組織結合との関係を、定量的に説明できる。
E4133薬物のタンパク結合および結合阻害の測定・解析方法を説明できる。
E4134血液-組織関門の構造・機能と、薬物の脳や胎児等への移行について説明できる。
E4135薬物のリンパおよび乳汁中への移行について説明できる。
E4136薬物の分布過程における相互作用について例を挙げ、説明できる。
No. 5
講義項目
薬物の代謝
担当者
伊藤 智夫
開講日
2020-10-12
到達目標・学習方法・内容
主な薬物代謝酵素と基質を列挙し、薬物代謝反応の特徴を説明できる。
SBO
E4141代表的な薬物代謝酵素を列挙し、その代謝反応が起こる組織ならびに細胞内小器官、反応様式について説明できる。
E4142薬物代謝の第I相反応(酸化・還元・加水分解)、第II相反応(抱合)について、例を挙げて説明できる。
No. 6
講義項目
薬物の代謝
担当者
伊藤 智夫
開講日
2020-10-19
到達目標・学習方法・内容
主な薬物代謝反応に対する代表的な基質、阻害薬、誘導薬を列挙し、代謝における薬物相互作用機構を説明できる。
SBO
E4143代表的な薬物代謝酵素(分子種)により代謝される薬物を列挙できる。
E4144プロドラッグと活性代謝物について、例を挙げて説明できる。
No. 7
講義項目
薬物の代謝
担当者
伊藤 智夫
開講日
2020-11-02
到達目標・学習方法・内容
遺伝子多型を示す薬物代謝酵素を列挙し、遺伝子多型が薬物動態および臨床に及ぼす影響を説明できる。
SBO
E3312薬物動態に影響する代表的な遺伝的素因(薬物代謝酵素・トランスポーターの遺伝子変異など)について、例を挙げて説明できる。
E4145薬物代謝酵素の阻害および誘導のメカニズムと、それらに関連して起こる相互作用について、例を挙げ、説明できる。
No. 8
講義項目
薬物の排泄
担当者
奈良輪 知也
開講日
2020-11-16
到達目標・学習方法・内容
腎臓の構造と、薬物の腎排泄機構を説明できる。腎クリアランスを計算できる。
腎排泄における主な薬物相互作用を列挙し、相互作用機構を説明できる。腎臓以外の臓器・組織での排泄経路を列挙し、その特徴を説明できる。
SBO
E4151薬物の尿中排泄機構について説明できる。
E4152腎クリアランスと、糸球体ろ過、分泌、再吸収の関係を定量的に説明できる。
E4153代表的な腎排泄型薬物を列挙できる。
E4154薬物の胆汁中排泄と腸肝循環について説明できる。
E4155薬物の排泄過程における相互作用について例を挙げ、説明できる。
No. 9
講義項目
病態・加齢と薬物動態
担当者
奈良輪 知也
開講日
2020-11-25
到達目標・学習方法・内容
病態及び加齢による生理的変化と、薬物動態への影響を説明できる。
SBO
E3321低出生体重児、新生児、乳児、幼児、小児における薬物動態と、薬物治療で注意すべき点を説明できる。
E3322高齢者における薬物動態と、薬物治療で注意すべき点を説明できる。
E3331腎疾患・腎機能低下時における薬物動態と、薬物治療・投与設計において注意すべき点を説明できる。
E3332肝疾患・肝機能低下時における薬物動態と、薬物治療・投与設計において注意すべき点を説明できる。
E3333心臓疾患を伴った患者における薬物動態と、薬物治療・投与設計において注意すべき点を説明できる。
E3342妊娠・授乳期における薬物動態と、生殖・妊娠・授乳期の薬物治療で注意すべき点を説明できる。
E3343栄養状態の異なる患者(肥満、低アルブミン血症、腹水など)における薬物動態と、薬物治療で注意すべき点を説明できる。
No. 10
講義項目
ドラッグデリバリーシステム
担当者
奈良輪 知也
開講日
2020-11-30
到達目標・学習方法・内容
放出制御、標的指向化など、ドラッグデリバリーシステム(DDS)の例を挙げ、その特徴と目的を説明できる。
SBO
E5311DDSの概念と有用性について説明できる。
E5312代表的なDDS技術を列挙し、説明できる。
E5321コントロールドリリースの概要と意義について説明できる。
E5322投与部位ごとに、代表的なコントロールドリリース技術を列挙し、その特性について説明できる。
E5323コントロールドリリース技術を適用した代表的な医薬品を列挙できる。
E5331ターゲティングの概要と意義について説明できる
E5332投与部位ごとに、代表的なターゲティング技術を列挙し、その特性について説明できる。
E5333ターゲティング技術を適用した代表的な医薬品を列挙できる。
E5341吸収改善の概要と意義について説明できる。
E5342投与部位ごとに、代表的な吸収改善技術を列挙し、その特性について説明できる。
E5343吸収改善技術を適用した代表的な医薬品を列挙できる。

評価方法

定期試験講義範囲から出題する記述式試験。
授業 
その他レポートの解答状況(10%)、定期試験(90%)。欠席やレポートの未提出は減点する。

学生へのメッセージ

本科目の内容は、薬剤師のみならず医薬品開発職に必須です。
先の授業での内容が繰り返し出てくることがありますので、その都度復習して臨んでください。薬物動態について理解しやすい授業にするよう努めます。

準備学習(予習・復習)・その他

1【授業時間外に必要な学習の時間:30時間】
21回目の講義で、各回の講義で取り上げる教科書の範囲を提示するので、該当するページを読んでから講義に出席すること。また、生理学Ⅱの講義内容(特に、循環系、呼吸、尿の生成と排泄、消化と吸収)を復習してから本講義に臨むこと。
項目ごとに穴埋めプリント及び演習問題を配付するので、各自で演習問題等を解答することで、自身の理解度を把握すること。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書パートナー 薬剤学 改訂第3版原島秀吉・伊藤智夫・寺田勝英 編南江堂
参考書臨床薬物動態学 改訂第5版加藤 隆一 監修南江堂
教科書
署名
パートナー 薬剤学 改訂第3版
著者・編者
原島秀吉・伊藤智夫・寺田勝英 編
発行所
南江堂
参考書
署名
臨床薬物動態学 改訂第5版
著者・編者
加藤 隆一 監修
発行所
南江堂