科目名 | : | 臨床生化学 |
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英文名 | : | Clinical Biochemistry |
科目概要 | : | 薬・創薬, 3年, 後期, 選択, 1単位 A, B, C, D, S, 水曜日2時限, 1501大講義室 |
科目責任者 | : | 飯田 直幸 (生化学・講師) |
担当者 | : | 飯田 直幸 (生化学・講師), 深町 伸子 (社会薬学部門・助教) |
備考 | : | NR養成講座対応科目 健康食品管理士養成講座対応科目 臨床検査技師養成科目 〔科目ナンバリング:PP301-CP03, PL301-CP03〕 |
病態を分子レベルで理解するためには、生命がどのようなメカニズム(分子機構)で作動しているかを理解する必要がある。この講義では、生化学で習った様々な代謝や遺伝子発現などの分子機構と疾患発症の関連について学習する。
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の薬学科①④、生命創薬科学科①③④⑤に関連する。
生化学I、II、IIIで習ったエネルギー等代謝経路や遺伝子発現・複製などの経路についての問題(単なる穴埋め問題ではなく)を解いてきてもらい、学生が発表、質疑応答を行う。すなわち、問題演習型と発表形式を混合した形式の授業スタイルで進め、どのような人体の機能異常や破綻が、疾患の発症に繋がるかを学習する。
学生は、指定された課題について資料(ワードファイル)を提出し、発表(パワーポイントスライドによるプレゼンテーション)・質疑応答(ディスカッション)を行う。課題に関わる基礎的事項についての小テストも講義時間内に実施する。課題内容については、前期定期試験終了時に発表する。
No. | 講義項目 | 担当者 | 開講日 | 到達目標・学習方法・内容 | SBO |
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1 | エネルギー代謝系の全体像 | 飯田 直幸 | 9月9日 | エネルギー代謝系の成り立ちを俯瞰し、その器官・組織的特性について概説できる。体内の糖の動態及び臓器・組織の糖利用特性と疾患の関係を合理的に説明できる。 | |
2 | 糖質代謝(1) | 飯田 直幸 | 9月16日 | 糖代謝系(解糖系、TCAサイクルなど)の組織特性と疾患の関係を合理的に説明できる。 糖代謝系サブ回路(グリコーゲン代謝系、ペントースリン酸回路等の特性)と疾患の関係を合理的に説明できる。 | |
3 | 糖質代謝(2) | 飯田 直幸 | 9月23日 | 糖代謝系(解糖系、TCAサイクルなど)の組織特性と疾患の関係を合理的に説明できる。 糖代謝系サブ回路(グリコーゲン代謝系、ペントースリン酸回路等の特性)と疾患の関係を合理的に説明できる。 | |
4 | 糖代謝(3) | 飯田 直幸 | 9月30日 | 糖代謝系(解糖系、TCAサイクルなど)の組織特性と疾患の関係を合理的に説明できる。 糖代謝系サブ回路(グリコーゲン代謝系、ペントースリン酸回路等の特性)と疾患の関係を合理的に説明できる。 | |
5 | アミノ酸と脂質の代謝(1) | 飯田 直幸 | 10月7日 | 糖代謝系とアミノ酸、脂質の関係及び関連病態について概説できる。 糖の利用が低下した場合の代謝系の病態を合理的に説明できる。 | |
6 | アミノ酸と脂質の代謝(2) | 飯田 直幸 | 10月14日 | 体内脂質の動態及びその異常が生体に与える影響について概説できる。 主な脂質代謝異常による疾患の病態とその評価について概説できる。 | |
7 | 核酸の代謝 | 飯田 直幸 | 10月21日 | ヌクレオチドの種類、構造を説明できる。 ヌクレオチドの生合成と分解と関連疾患について説明できる。 | |
8 | 遺伝子の転写、翻訳(1) | 飯田 直幸 | 10月28日 | 遺伝情報とは何かを説明できる。 遺伝子の転写の分子機構を説明できる。 RNAの様々なプロセシングについて説明できる。 翻訳の分子機構について説明できる。 | |
9 | 遺伝子の転写、翻訳(2) | 飯田 直幸 | 11月4日 | 遺伝情報とは何かを説明できる。 遺伝子の転写の分子機構を説明できる。 RNAの様々なプロセシングについて説明できる。 翻訳の分子機構について説明できる。 | |
10 | DNAの複製 | 飯田 直幸 | 11月11日 | DNAの複製過程、変異修復の分子機構を説明できる。 |
C6 | 5 | 1 | 1 | エネルギー代謝の概要を説明できる。 |
C6 | 5 | 4 | 1 | 飢餓状態のエネルギー代謝(ケトン体の利用など)について説明できる。 |
C6 | 5 | 4 | 2 | 余剰のエネルギーを蓄えるしくみを説明できる。 |
E1 | 2 | 1 | 1 | 以下の症候・病態について、生じる原因とそれらを伴う代表的疾患を挙げ、患者情報をもとに疾患を推測できる。 ショック、高血圧、低血圧、発熱、けいれん、意識障害・失神、チアノーゼ、脱水、全身倦怠感、肥満・やせ、黄疸、発疹、貧血、出血傾向、リンパ節腫脹、浮腫、心悸亢進・動悸、胸水、胸痛、呼吸困難、咳・痰、血痰・喀血、めまい、頭痛、運動麻痺・不随意運動・筋力低下、腹痛、悪心・嘔吐、嚥下困難・障害、食欲不振、下痢・便秘、吐血・下血、腹部膨満(腹水を含む)、タンパク尿、血尿、尿量・排尿の異常、月経異常、関節痛・関節腫脹、腰背部痛、記憶障害、知覚異常(しびれを含む)・神経痛、視力障害、聴力障害 |
C6 | 5 | 2 | 1 | 解糖系及び乳酸の生成について説明できる。 |
C6 | 5 | 2 | 2 | クエン酸回路(TCAサイクル)について説明できる。 |
C6 | 5 | 2 | 3 | 電子伝達系(酸化的リン酸化)とATP合成酵素について説明できる。 |
C6 | 5 | 2 | 4 | グリコーゲンの代謝について説明できる。 |
C6 | 5 | 2 | 5 | 糖新生について説明できる。 |
C6 | 5 | 5 | 3 | ペントースリン酸回路について説明できる。 |
C6 | 5 | 2 | 1 | 解糖系及び乳酸の生成について説明できる。 |
C6 | 5 | 2 | 2 | クエン酸回路(TCAサイクル)について説明できる。 |
C6 | 5 | 2 | 3 | 電子伝達系(酸化的リン酸化)とATP合成酵素について説明できる。 |
C6 | 5 | 2 | 4 | グリコーゲンの代謝について説明できる。 |
C6 | 5 | 2 | 5 | 糖新生について説明できる。 |
C6 | 5 | 5 | 3 | ペントースリン酸回路について説明できる。 |
C6 | 5 | 2 | 1 | 解糖系及び乳酸の生成について説明できる。 |
C6 | 5 | 2 | 2 | クエン酸回路(TCAサイクル)について説明できる。 |
C6 | 5 | 2 | 3 | 電子伝達系(酸化的リン酸化)とATP合成酵素について説明できる。 |
C6 | 5 | 2 | 4 | グリコーゲンの代謝について説明できる。 |
C6 | 5 | 2 | 5 | 糖新生について説明できる。 |
C6 | 5 | 5 | 3 | ペントースリン酸回路について説明できる。 |
C6 | 5 | 4 | 1 | 飢餓状態のエネルギー代謝(ケトン体の利用など)について説明できる。 |
C6 | 5 | 4 | 2 | 余剰のエネルギーを蓄えるしくみを説明できる。 |
C6 | 5 | 5 | 1 | アミノ酸分子中の炭素および窒素の代謝(尿素回路など)について説明できる。 |
C6 | 5 | 3 | 1 | 脂肪酸の生合成とβ酸化について説明できる。 |
C6 | 5 | 3 | 2 | コレステロールの生合成と代謝について説明できる。 |
C6 | 2 | 5 | 1 | ヌクレオチドと核酸(DNA、RNA)の種類、構造、性質を説明できる。 |
C6 | 5 | 5 | 2 | ヌクレオチドの生合成と分解について説明できる。 |
C6 | 4 | 1 | 1 | 遺伝情報の保存と発現の流れを説明できる。 |
C6 | 4 | 1 | 2 | DNA、遺伝子、染色体、ゲノムとは何かを説明できる。 |
C6 | 4 | 4 | 1 | DNAからRNAへの転写の過程について説明できる。 |
C6 | 4 | 4 | 2 | エピジェネティックな転写制御について説明できる。 |
C6 | 4 | 4 | 3 | 転写因子による転写制御について説明できる。 |
C6 | 4 | 4 | 4 | RNAのプロセシング(キャップ構造、スプライシング、snRNP、ポリA鎖など)について説明できる。 |
C6 | 4 | 4 | 5 | RNAからタンパク質への翻訳の過程について説明できる。 |
C6 | 4 | 3 | 1 | DNAの複製の過程について説明できる。 |
C6 | 4 | 5 | 1 | DNAの変異と修復について説明できる。 |
定期試験 | 定期試験は行わない。 |
授業 | 授業回数10回 |
その他 | 課題(提出、発表)で40%、講義中の小テストで32%、質疑応答で28%とする。課題未提出は10点減点、欠席は10点減点とする。 |
生命を分子基盤から考えることは、病態の正しい理解に欠かせません。この講義では、これまでに習った生化学 I、II、III をさらに深く理解するための問題演習型の学生による発表形式の授業です。準備に時間を費やしただけ、自分のものになります。質問も必須なので積極的な受講態度を望みます。
1 | 【授業時間外に必要な学習時間:30時間】 |
2 | 指定された課題を提出すること。また、発表を担当する場合は、プレゼンテーションの準備も行うこと。 |
3 | 講義後は、配布資料等を用いて復習し、理解を深めること。 |
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 適宜講義資料配布 | ||
参考書 | レーニンジャーの新生化学 | 中山和久(編集) | 廣川書店 |
参考書 | マッキー生化学 | 市川厚(監修)、福岡伸一(監訳) | 化学同人 |
参考書 | ブラウン生化学 | 新井洋由(監訳) | 化学同人 |