Web Syllabus(講義概要)
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科目名:医療心理学
英文名:Medical Psychology
科目概要:薬・創薬, 3年, 前期, 必修・選択, 1単位
A, B, C, D, S, 金曜日1時限, 1501大講義室
2301大講義室
科目責任者:有田 悦子 (医療心理学部門・教授※)
担当者:有田 悦子 (医療心理学部門・教授※), 岩滿 優美 (医療系研究科)
備考:NR養成講座対応科目 
〔科目ナンバリング:PP301-HU03, PL301-HU03〕
実務経験のある教員による授業科目(担当者に付されている※印は実務経験のある教員を表す)

授業の目的

これからの医療人には、疾患(disease)のみでなく患者自身が感じている病気(illness)全体を診る視点が求められている。本講義では、患者本位の医療を提供できるようになるために、病気が患者に及ぼす心理的な影響を理解し、患者やその家族の心理面や価値観に配慮した応対において必要となるコミュニケーションスキルを修得することを目的とする。
この科目は、ディプロマ・ポリシーの薬学科②③⑤、生命創薬科学科②④に関連する。

教育内容

第1回目では、既習の「医療コミュニケーション論」の知識と患者心理との関連について導入講義等をする。第2~6回では、患者心理を理解するために必要となる理論を、第8~10回では、患者心理へ配慮したコミュニケーションに関する理論について講義する。また、第11回では、医療従事者のストレスやコーピングについて講義し、対人業務における薬剤師の働き方について説明する。

教育方法

配布資料と教科書を用いて、講義形式にて医療心理学の基本事項等を説明する。
視聴メディア(DVD)等の閲覧やケースに合わせたロールプレイ等のグループワーク後に、討議(ディスカッション)を行う。

講義内容

No.講義項目担当者開講日到達目標・学習方法・内容SBO
1患者心理とその対応①(基礎)

有田 悦子
5月15日患者心理に配慮した対応について理解し、説明できる。グループワーク等を行う。
 
2患者心理の基礎
有田 悦子
5月22日病気が患者に及ぼす心理的影響について理解し、説明できる。グループワーク等を行う。    
3病気受容のプロセス

有田 悦子
5月29日患者が病人である自分を受け入れていくプロセスについて理解し、説明できる。グループワーク等を行う。
4患者の物語(ナラティブ)
有田 悦子
6月5日患者の価値観が多様であることを認識する。グループワーク等を行う。
5がん患者の心理とその対応
岩滿 優美
6月12日がん患者の心理を理解し、心理的援助について説明できる。

6慢性疾患患者の心理とその対応
有田 悦子
6月19日慢性疾患患者の心理を理解し、行動変容を促す対応について説明できる。グループワーク等を行う。
7服薬の心理とコミュニケーション有田 悦子
6月26日服薬に対する心理に配慮したコミュニケーションについて理解し、説明できる。グループワーク及びロールプレイングを行う。
8患者・家族の心理とその対応(バッドニュースの伝え方)

有田 悦子
7月3日患者・家族の心理に配慮したリスクコミュニケーションについて理解し、説明できる。グループワーク等を行う。

9患者心理とその対応②(応用)
有田 悦子
7月10日患者の心理に配慮した対応について理解し、説明できる。グループワーク及びロールプレイングを行う。      
10医療従事者のメンタルヘルス
有田 悦子
7月17日医療者自身のメンタルヘルスやストレスコーピングについて理解し、説明できる。
No. 1
講義項目
患者心理とその対応①(基礎)

担当者
有田 悦子
開講日
2020-05-15
到達目標・学習方法・内容
患者心理に配慮した対応について理解し、説明できる。グループワーク等を行う。
 
SBO
A123医薬品の適正使用における薬剤師の役割とファーマシューティカルケアについて説明できる。
A315相手の心理状態とその変化に配慮し、対応する。
A321患者や家族、周囲の人々の心身に及ぼす病気やケアの影響について説明できる。
No. 2
講義項目
患者心理の基礎
担当者
有田 悦子
開講日
2020-05-22
到達目標・学習方法・内容
病気が患者に及ぼす心理的影響について理解し、説明できる。グループワーク等を行う。    
SBO
A111常に患者・生活者の視点に立ち、医療の担い手としてふさわしい態度で行動する。
A114患者・患者家族・生活者が求める医療人について、自らの考えを述べる。
A315相手の心理状態とその変化に配慮し、対応する。
A316自分の心理状態を意識して、他者と接することができる。
A317適切な聴き方、質問を通じて相手の考えや感情を理解するように努める。
A318適切な手段により自分の考えや感情を相手に伝えることができる。
No. 3
講義項目
病気受容のプロセス

担当者
有田 悦子
開講日
2020-05-29
到達目標・学習方法・内容
患者が病人である自分を受け入れていくプロセスについて理解し、説明できる。グループワーク等を行う。
SBO
A111常に患者・生活者の視点に立ち、医療の担い手としてふさわしい態度で行動する。
A112患者・生活者の健康の回復と維持に積極的に貢献することへの責任感を持つ。
A114患者・患者家族・生活者が求める医療人について、自らの考えを述べる。
A231患者の価値観、人間性に配慮することの重要性を認識する。
A315相手の心理状態とその変化に配慮し、対応する。
A321患者や家族、周囲の人々の心身に及ぼす病気やケアの影響について説明できる。
A322患者・家族・生活者の心身の状態や多様な価値観に配慮して行動する。
No. 4
講義項目
患者の物語(ナラティブ)
担当者
有田 悦子
開講日
2020-06-05
到達目標・学習方法・内容
患者の価値観が多様であることを認識する。グループワーク等を行う。
SBO
A117様々な死生観・価値観・信条等を受容することの重要性について、自らの言葉で説明する。
A231患者の価値観、人間性に配慮することの重要性を認識する。
A313相手の立場、文化、習慣等によって、コミュニケーションの在り方が異なることを例を挙げて説明できる。
A317適切な聴き方、質問を通じて相手の考えや感情を理解するように努める。
A322患者・家族・生活者の心身の状態や多様な価値観に配慮して行動する。
No. 5
講義項目
がん患者の心理とその対応
担当者
岩滿 優美
開講日
2020-06-12
到達目標・学習方法・内容
がん患者の心理を理解し、心理的援助について説明できる。

SBO
A114患者・患者家族・生活者が求める医療人について、自らの考えを述べる。
A231患者の価値観、人間性に配慮することの重要性を認識する。
A315相手の心理状態とその変化に配慮し、対応する。
A316自分の心理状態を意識して、他者と接することができる。
A321患者や家族、周囲の人々の心身に及ぼす病気やケアの影響について説明できる。
A322患者・家族・生活者の心身の状態や多様な価値観に配慮して行動する。
No. 6
講義項目
慢性疾患患者の心理とその対応
担当者
有田 悦子
開講日
2020-06-19
到達目標・学習方法・内容
慢性疾患患者の心理を理解し、行動変容を促す対応について説明できる。グループワーク等を行う。
SBO
A114患者・患者家族・生活者が求める医療人について、自らの考えを述べる。
A231患者の価値観、人間性に配慮することの重要性を認識する。
A315相手の心理状態とその変化に配慮し、対応する。
A316自分の心理状態を意識して、他者と接することができる。
A321患者や家族、周囲の人々の心身に及ぼす病気やケアの影響について説明できる。
A322患者・家族・生活者の心身の状態や多様な価値観に配慮して行動する。
B101人の行動がどのような要因によって決定されるのかについて説明できる。
No. 7
講義項目
服薬の心理とコミュニケーション
担当者
有田 悦子
開講日
2020-06-26
到達目標・学習方法・内容
服薬に対する心理に配慮したコミュニケーションについて理解し、説明できる。グループワーク及びロールプレイングを行う。
SBO
A121患者・生活者のために薬剤師が果たすべき役割を自覚する。
A123医薬品の適正使用における薬剤師の役割とファーマシューティカルケアについて説明できる。
A231患者の価値観、人間性に配慮することの重要性を認識する。
A233患者の自己決定権とインフォームドコンセントの意義について説明できる。
A313相手の立場、文化、習慣等によって、コミュニケーションの在り方が異なることを例を挙げて説明できる。
A314対人関係に影響を及ぼす心理的要因について概説できる。
A315相手の心理状態とその変化に配慮し、対応する。
A316自分の心理状態を意識して、他者と接することができる。
A317適切な聴き方、質問を通じて相手の考えや感情を理解するように努める。
A318適切な手段により自分の考えや感情を相手に伝えることができる。
No. 8
講義項目
患者・家族の心理とその対応(バッドニュースの伝え方)

担当者
有田 悦子
開講日
2020-07-03
到達目標・学習方法・内容
患者・家族の心理に配慮したリスクコミュニケーションについて理解し、説明できる。グループワーク等を行う。

SBO
A111常に患者・生活者の視点に立ち、医療の担い手としてふさわしい態度で行動する。
A114患者・患者家族・生活者が求める医療人について、自らの考えを述べる。
A233患者の自己決定権とインフォームドコンセントの意義について説明できる。
A234知り得た情報の守秘義務と患者等への情報提供の重要性を理解し、適切な取扱いができる。
A314対人関係に影響を及ぼす心理的要因について概説できる。
A315相手の心理状態とその変化に配慮し、対応する。
A316自分の心理状態を意識して、他者と接することができる。
A317適切な聴き方、質問を通じて相手の考えや感情を理解するように努める。
A318適切な手段により自分の考えや感情を相手に伝えることができる。
A319他者の意見を尊重し、協力してよりよい解決法を見出すことができる。
No. 9
講義項目
患者心理とその対応②(応用)
担当者
有田 悦子
開講日
2020-07-10
到達目標・学習方法・内容
患者の心理に配慮した対応について理解し、説明できる。グループワーク及びロールプレイングを行う。      
SBO
A111常に患者・生活者の視点に立ち、医療の担い手としてふさわしい態度で行動する。
A114患者・患者家族・生活者が求める医療人について、自らの考えを述べる。
A231患者の価値観、人間性に配慮することの重要性を認識する。
A233患者の自己決定権とインフォームドコンセントの意義について説明できる。
A234知り得た情報の守秘義務と患者等への情報提供の重要性を理解し、適切な取扱いができる。
A315相手の心理状態とその変化に配慮し、対応する。
A316自分の心理状態を意識して、他者と接することができる。
A317適切な聴き方、質問を通じて相手の考えや感情を理解するように努める。
A318適切な手段により自分の考えや感情を相手に伝えることができる。
No. 10
講義項目
医療従事者のメンタルヘルス
担当者
有田 悦子
開講日
2020-07-17
到達目標・学習方法・内容
医療者自身のメンタルヘルスやストレスコーピングについて理解し、説明できる。
SBO
A116一人の人間として、自分が生きている意味や役割を問い直し、自らの考えを述べる。
A318適切な手段により自分の考えや感情を相手に伝えることができる。
A319他者の意見を尊重し、協力してよりよい解決法を見出すことができる。
A541薬剤師の使命に後輩等の育成が含まれることを認識し、ロールモデルとなるように努める。

評価方法

定期試験講義範囲から出題する。記述方式およびマークシート方式にて試験する。持ち込みは禁止。
授業参加姿勢については、授業後に提出するするリアクションペーパーにて行う。また、授業時間外のレポートについては、第5回、第11回の授業にて提示する。 
その他評価は、授業への参加姿勢・レポート(50%)、定期試験(50%)にて評価する。なお、欠席・遅刻は減点する。

学生へのメッセージ

本授業は、知識だけ修得してもあまり意味はありません。実践できる技能・態度を修得するためにも、授業内で考えたり議論したりする機会を設けますので、積極的に参加するよう心がけてください。

準備学習(予習・復習)・その他

1【授業時間外に必要な学習の時間:30時間】
2<予習>教科書「基礎から学ぶ!行動科学~理論とその技法」の該当箇所を読んでおくこと。
<復習>講義で配布された資料や参考書を良く読み、わからない点は積極的に質問に来るなどして解決しておくこと。
3【実務経験のある教員による授業】(※印が付された担当者)
病院における患者対応の経験を踏まえて、患者心理について解説する。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書基礎から学ぶ!行動科学~理論とその技法~
日本ファーマシューティカルコミュニケーション学会
薬事日報社
参考書ファーマシューティカルケアのための医療コミュニケーション
"日本ファーマシューティカルコミュニケーション学会監修
後藤惠子、井手口直子編
南山堂
参考書薬学生・薬剤師のためのヒューマニズム改訂版
日本ファーマシューティカルコミュニケーション学会編
羊土社
参考書ナラティブ・ベイスト・メディスンー臨床における物語と対話ー
斎藤清二他監訳、トリシャ・グリーンハル他編
金剛出版
参考書臨床試験従事者のための医療心理学入門
有田悦子
メディカルパブリケーションズ
参考書スキルアップのための医療コミュニケーション
保坂 隆、町田いづみ、有田悦子
南山堂
参考書スキルアップのための糖尿病の服薬指導
厚田幸一郎編
南山堂
参考書医療心理学の新展開ーチーム医療に活かす心理学の最前線ー
鈴木伸一編
北大路書房
参考書医療コミュニケーション・スキル
山内豊明監訳、マーガレット・ローイド/ロバート・ボア著
西村書店
参考書はじめての医療面接ーコミュニケーション技法とその学び方ー
斎藤清二
医学書院
参考書スタンダード薬学シリーズ1 ヒューマニズム・薬学入門
日本薬学会編
日本化学同人
参考書新自分探しの心理学ー自己理解ワークブックー
川瀬正裕、松本真理子編
ナカニシヤ出版
教科書
署名
基礎から学ぶ!行動科学~理論とその技法~
著者・編者
日本ファーマシューティカルコミュニケーション学会
発行所
薬事日報社
参考書
署名
ファーマシューティカルケアのための医療コミュニケーション
著者・編者
"日本ファーマシューティカルコミュニケーション学会監修
後藤惠子、井手口直子編
発行所
南山堂
参考書
署名
薬学生・薬剤師のためのヒューマニズム改訂版
著者・編者
日本ファーマシューティカルコミュニケーション学会編
発行所
羊土社
参考書
署名
ナラティブ・ベイスト・メディスンー臨床における物語と対話ー
著者・編者
斎藤清二他監訳、トリシャ・グリーンハル他編
発行所
金剛出版
参考書
署名
臨床試験従事者のための医療心理学入門
著者・編者
有田悦子
発行所
メディカルパブリケーションズ
参考書
署名
スキルアップのための医療コミュニケーション
著者・編者
保坂 隆、町田いづみ、有田悦子
発行所
南山堂
参考書
署名
スキルアップのための糖尿病の服薬指導
著者・編者
厚田幸一郎編
発行所
南山堂
参考書
署名
医療心理学の新展開ーチーム医療に活かす心理学の最前線ー
著者・編者
鈴木伸一編
発行所
北大路書房
参考書
署名
医療コミュニケーション・スキル
著者・編者
山内豊明監訳、マーガレット・ローイド/ロバート・ボア著
発行所
西村書店
参考書
署名
はじめての医療面接ーコミュニケーション技法とその学び方ー
著者・編者
斎藤清二
発行所
医学書院
参考書
署名
スタンダード薬学シリーズ1 ヒューマニズム・薬学入門
著者・編者
日本薬学会編
発行所
日本化学同人
参考書
署名
新自分探しの心理学ー自己理解ワークブックー
著者・編者
川瀬正裕、松本真理子編
発行所
ナカニシヤ出版