Web Syllabus(講義概要)
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科目名:衛生化学Ⅱ
英文名:Hygienic Chemistry Ⅱ
科目概要:薬・創薬, 3年, 後期, 必修, 1単位
A, B, C, D, S, 金曜日4時限, 1501大講義室
科目責任者:今井 浩孝 (衛生化学・教授)
担当者:今井 浩孝 (衛生化学・教授), 熊谷 剛 (臨床薬学研究部門・講師), 福本 真理子 (非常勤教員)
備考:NR養成講座対応科目 
健康食品管理士養成講座対応科目 
〔科目ナンバリング:PP301-hs03, PL301-hs03〕

授業の目的

健康を維持するため摂取する食品の効用、安全性について理解するために、健康に係わるミネラル、保健機能食品、遺伝子操作食品、食品の変質、添加物、汚染物質、有毒成分などについて基本的な知識を修得する。さらに、日常生活において適正な栄養摂取量を考える上で必要なエネルギー代謝、エネルギー必要量の概念、我が国の食事摂取基準について理解する。
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の薬学科①、生命創薬科学科①に関連する。

教育内容

細菌、農薬などの有機、無機化合物などによる食品汚染や保存方法によっては、食品は変質を起こし、食中毒や疾患の原因となる。健康を守るためには食品の安全を確保することが重要であり、そのための法律やさまざまな制度によって食品の安全が守られていることを説明する。付加価値をもたせた保健機能食品や遺伝子組換え食品、ゲノム編集食品について説明する。また日本人の食事情を理解し、疾病の予防や重症化を防ぐにはどのような栄養摂取に気をつければよいかを説明する。

教育方法

パワーポイントと配布資料を用いて講義形式でおこなう。

講義内容

No.講義項目担当者開講日到達目標・学習方法・内容SBO
1エネルギー代謝 基礎代謝量 健康日本21今井 浩孝
9月11日栄養素の利用エネルギー、呼吸商、基礎代謝量、推定エネルギー必要量について説明できる。健康日本21及び日本人の栄養摂取の現状を理解できる
2食事摂取基準〔2020年版〕新食品表示法 栄養機能食品 特定保健用食品 機能性表示食品 今井 浩孝
9月18日日本人の食事摂取基準を概説できる。新食品表示法、栄養機能食品及び特定保健用食品、機能性表示食品について説明できる。
3薬物乱用と依存性薬物福本 真理子
9月25日薬物乱用の現状、その防止のための規制や対策、代表的な依存性薬物について説明できる。
4食品衛生法、アレルギー物質の表示、遺伝子組換え食品、ゲノム編集食品、食品安全基本法 HACCP今井 浩孝
10月2日食品安全基本法と食品安全委員会の役割、HACCPについて説明できる。食品衛生法、賞味期限、消費期限、アレルギー物資の表示、遺伝子組換え食品について説明できる。
5食品添加物今井 浩孝
10月9日食品添加物の安全性、分類、用途について説明できる。
6無機化合物及び有機化学物質による食品汚染 食品中の発がん物質 化審法今井 浩孝
10月16日無機化合物及び有機化学物質による食品汚染について説明できる。化審法、内分泌攪乱物質、食品中の発ガン物質について説明できる。
7農薬による食品汚染 ポジティブリスト制度今井 浩孝
10月30日農薬の種類、作用機序及び残留農薬基準(ポジティブリスト制度)について説明できる。
8ミネラル熊谷 剛
11月13日準主要元素、必須微量元素を列挙し、体内分布、生理作用について説明できる。
9食品の変質熊谷 剛
11月20日腐敗、腐敗アミン、アレルギー様食中毒、脂質の変質の機構を説明できる。代表的な褐変現象の機構及び脂質の変質試験法について概説できる。
10細菌性食中毒
熊谷 剛
11月27日経口感染症の概要を説明できる。代表的な細菌性、ウイルス性食中毒の原因菌、感染源、中毒症状、特徴について説明できる。
11自然毒による食中毒
熊谷 剛
12月4日動物性、植物性、カビによる食中毒を列挙し、原因食品、原因毒性成分、中毒機構について説明できる。
No. 1
講義項目
エネルギー代謝 基礎代謝量 健康日本21
担当者
今井 浩孝
開講日
2020-09-11
到達目標・学習方法・内容
栄養素の利用エネルギー、呼吸商、基礎代謝量、推定エネルギー必要量について説明できる。健康日本21及び日本人の栄養摂取の現状を理解できる
SBO
C6511エネルギー代謝の概要を説明できる。
D1212健康増進政策(健康日本21など)について概説できる。
D1315エネルギー代謝に関わる基礎代謝量、呼吸商、推定エネルギー必要量の意味を説明できる。
D1316日本人の食事摂取基準について説明できる。
D1327食品衛生に関する法的規制について説明できる。
No. 2
講義項目
食事摂取基準〔2020年版〕新食品表示法 栄養機能食品 特定保健用食品 機能性表示食品 
担当者
今井 浩孝
開講日
2020-09-18
到達目標・学習方法・内容
日本人の食事摂取基準を概説できる。新食品表示法、栄養機能食品及び特定保健用食品、機能性表示食品について説明できる。
SBO
D1316日本人の食事摂取基準について説明できる。
D1326特別用途食品と保健機能食品について説明できる。
D1327食品衛生に関する法的規制について説明できる。
No. 3
講義項目
薬物乱用と依存性薬物
担当者
福本 真理子
開講日
2020-09-25
到達目標・学習方法・内容
薬物乱用の現状、その防止のための規制や対策、代表的な依存性薬物について説明できる。
SBO
A127薬物乱用防止、自殺防止における薬剤師の役割について説明できる。
D2115薬物の乱用による健康への影響について説明し、討議する。
No. 4
講義項目
食品衛生法、アレルギー物質の表示、遺伝子組換え食品、ゲノム編集食品、食品安全基本法 HACCP
担当者
今井 浩孝
開講日
2020-10-02
到達目標・学習方法・内容
食品安全基本法と食品安全委員会の役割、HACCPについて説明できる。食品衛生法、賞味期限、消費期限、アレルギー物資の表示、遺伝子組換え食品について説明できる。
SBO
D1327食品衛生に関する法的規制について説明できる。
No. 5
講義項目
食品添加物
担当者
今井 浩孝
開講日
2020-10-09
到達目標・学習方法・内容
食品添加物の安全性、分類、用途について説明できる。
SBO
D1325代表的な食品添加物を用途別に列挙し、それらの働きを説明できる。
D2123毒性試験の結果を評価するのに必要な量-反応関係、閾値、無毒性量(NOAEL)などについて概説できる。
D2124化学物質の安全摂取量(1日許容摂取量など)について説明できる。
No. 6
講義項目
無機化合物及び有機化学物質による食品汚染 食品中の発がん物質 化審法
担当者
今井 浩孝
開講日
2020-10-16
到達目標・学習方法・内容
無機化合物及び有機化学物質による食品汚染について説明できる。化審法、内分泌攪乱物質、食品中の発ガン物質について説明できる。
SBO
D1324食品成分由来の発がん性物質を列挙し、その生成機構を説明できる。
D1333化学物質(重金属、残留農薬など)やカビによる食品汚染の具体例を挙げ、ヒトの健康に及ぼす影響を説明できる。
D2113重金属、PCB、ダイオキシンなどの代表的な有害化学物質や農薬の急性毒性、慢性毒性の特徴について説明できる。
D2123毒性試験の結果を評価するのに必要な量-反応関係、閾値、無毒性量(NOAEL)などについて概説できる。
D2124化学物質の安全摂取量(1日許容摂取量など)について説明できる。
D2125有害化学物質による人体影響を防ぐための法的規制(化審法、化管法など)を説明できる。
D2131発がん性物質などの代謝的活性化の機構を列挙し、その反応機構を説明できる。
D2133発がんに至る過程(イニシエーション、プロモーションなど)について概説できる。
No. 7
講義項目
農薬による食品汚染 ポジティブリスト制度
担当者
今井 浩孝
開講日
2020-10-30
到達目標・学習方法・内容
農薬の種類、作用機序及び残留農薬基準(ポジティブリスト制度)について説明できる。
SBO
D1327食品衛生に関する法的規制について説明できる。
D1333化学物質(重金属、残留農薬など)やカビによる食品汚染の具体例を挙げ、ヒトの健康に及ぼす影響を説明できる。
D2113重金属、PCB、ダイオキシンなどの代表的な有害化学物質や農薬の急性毒性、慢性毒性の特徴について説明できる。
D2123毒性試験の結果を評価するのに必要な量-反応関係、閾値、無毒性量(NOAEL)などについて概説できる。
D2124化学物質の安全摂取量(1日許容摂取量など)について説明できる。
No. 8
講義項目
ミネラル
担当者
熊谷 剛
開講日
2020-11-13
到達目標・学習方法・内容
準主要元素、必須微量元素を列挙し、体内分布、生理作用について説明できる。
SBO
C6271代表的な必須微量元素の種類、役割を説明できる。
D1317栄養素の過不足による主な疾病を列挙し、説明できる。
D1318疾病治療における栄養の重要性を説明できる。
No. 9
講義項目
食品の変質
担当者
熊谷 剛
開講日
2020-11-20
到達目標・学習方法・内容
腐敗、腐敗アミン、アレルギー様食中毒、脂質の変質の機構を説明できる。代表的な褐変現象の機構及び脂質の変質試験法について概説できる。
SBO
D1321炭水化物・タンパク質が変質する機構について説明できる。
D1322油脂が変敗する機構を説明し、油脂の変質試験を実施できる。
D1323食品の変質を防ぐ方法(保存法)を説明できる。
No. 10
講義項目
細菌性食中毒
担当者
熊谷 剛
開講日
2020-11-27
到達目標・学習方法・内容
経口感染症の概要を説明できる。代表的な細菌性、ウイルス性食中毒の原因菌、感染源、中毒症状、特徴について説明できる。
SBO
D1331代表的な細菌性・ウイルス性食中毒を列挙し、それらの原因となる微生物の性質、症状、原因食品および予防方法について説明できる。
D1332食中毒の原因となる代表的な自然毒を列挙し、その原因物質、作用機構、症状の特徴を説明できる。
D1333化学物質(重金属、残留農薬など)やカビによる食品汚染の具体例を挙げ、ヒトの健康に及ぼす影響を説明できる。
No. 11
講義項目
自然毒による食中毒
担当者
熊谷 剛
開講日
2020-12-04
到達目標・学習方法・内容
動物性、植物性、カビによる食中毒を列挙し、原因食品、原因毒性成分、中毒機構について説明できる。
SBO
D1331代表的な細菌性・ウイルス性食中毒を列挙し、それらの原因となる微生物の性質、症状、原因食品および予防方法について説明できる。
D1332食中毒の原因となる代表的な自然毒を列挙し、その原因物質、作用機構、症状の特徴を説明できる。
D1333化学物質(重金属、残留農薬など)やカビによる食品汚染の具体例を挙げ、ヒトの健康に及ぼす影響を説明できる。

評価方法

定期試験講義で使用したプリント及び教科書の中から出題し、記述式解答により理解度について評価する(定期試験100%)。
授業授業回数(11回)+定期試験 
その他欠席、遅刻、態度不良は減点する。定期試験の結果、総合得点の60%以上を合格とする。

学生へのメッセージ

衛生化学Ⅱは食品の安全を守る法律、食品添加物、残留農薬、食中毒、食品の腐敗など食品衛生に関して理解を深める。食品添加物、発がん性物質、農薬、第一種特定化学物質など構造式を覚えることも重要です。

準備学習(予習・復習)・その他

1【授業時間外に必要な学習の時間:30時間】
食品添加物、第一種特定化学物質、発がん性物質、乱用薬物、農薬については構造式をきちんと覚える。
2講義プリントを中心に授業を行うので内容について、当該分野を事前に教科書「衛生薬学 基礎・予防・臨床」を用いて予習を行う。
3プリント末の国試演習問題等を利用して復習を行い、授業の理解度について確かめる。わからないところは、プリント、教科書を熟読し、オフィスアワー等などを最大限利用して、積極的に質問し理解するように努める。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書衛生薬学 基礎・予防・臨床 (罤3版) 今井浩孝・小椋康光 編集南江堂
参考書講義プリント配布
教科書
署名
衛生薬学 基礎・予防・臨床 (罤3版)
著者・編者
 今井浩孝・小椋康光 編集
発行所
南江堂
参考書
署名
講義プリント配布
著者・編者
発行所