科目名 | : | 免疫学 |
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英文名 | : | Immunology |
科目概要 | : | 薬・創薬, 3年, 前期, 必修, 1単位 A, B, C, D, S, 火曜日2時限, 1501大講義室 2301大講義室 |
科目責任者 | : | 岡田 信彦 (微生物学・教授) |
担当者 | : | 岡田 信彦 (微生物学・教授), 羽田 健 (微生物学・講師), 三木 剛志 (微生物学・講師), 北里 英郎 (医療衛生学部 ※) |
備考 | : | 健康食品管理士養成講座対応科目 臨床検査技師養成科目 実務経験のある教員による授業科目(担当者に付されている※印は実務経験のある教員を表す) 〔科目ナンバリング:PP301-BI03, PL301-BI03〕 |
ヒトの免疫系を介した感染防御機構を理解するために、免疫系の器官と細胞、自然免疫系の免疫系バリアーと補体、獲得免疫系のB 細胞とT 細胞による免疫調節機構の知識を身につける。さらに、免疫反応の二面性を理解するために、アレルギー、自己免疫病、免疫不全症及び移植免疫に関する知識を修得する。
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の薬学科①、生命創薬科学科①に関連する。
免疫の基本的な体系を学ぶために、ヒトの免疫系、免疫細胞、異物に対する免疫応答の仕組みについて講義するとともに、アレルギーや免疫系の疾患、感染、腫瘍、移植に関わる免疫応答について説明する。
パワーポイントと配付資料を活用して講義形式ですすめる。
No. | 講義項目 | 担当者 | 開講日 | 到達目標・学習方法・内容 | SBO |
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1 | 免疫系の特徴 免疫系を構成する器官と細胞 | 岡田 信彦 | 5月12日 | 1)免疫応答の特徴について説明できる。 2)免疫系を構成する器官(骨髄、胸腺、リンパ節、脾臓など)と細胞(食細胞、リンパ球、顆粒球、抗原提示細胞など)を列挙し、その役割を説明できる。 | |
2 | 抗原・抗体・補体・サイトカイン *5月18日(月)1限目に変更 | 羽田 健 | 5月18日 | 1)抗原の特徴、抗体分子の種類、構造及びその機能を説明できる。 2)補体の活性化経路と生理作用を説明できる。 3)免疫に関わるサイトカインを列挙し、その作用機序を説明できる。 | |
3 | 免疫反応機構 *5月25日(月)1限目に変更 | 羽田 健 | 5月25日 | 自然免疫と獲得免疫の特徴とその違いについて説明できる。 | |
4 | 主要組織適合遺伝子複合体(MHC) | 三木 剛志 | 6月2日 | MHC 抗原の基本的構造と機能、抗原のプロセシングと抗原提示について説明できる。 T 細胞による抗原認識について説明できる。 | |
5 | 抗原受容体の多様性獲得機構 | 三木 剛志 | 6月9日 | 抗体分子及びT細胞抗原受容体の多様性を生み出す遺伝子再構成について説明できる。 | |
6 | リンパ球の分化と成熟 | 三木 剛志 | 6月16日 | B細胞及びT 細胞の成熟過程を概説できる。 | |
7 | アレルギー | 三木 剛志 | 6月23日 | 1)アレルギーについて分類し、担当細胞及び反応機序を説明できる。 2)代表的なアレルギー疾患について列挙し、その発症機構を説明できる。 | |
8 | ウイルス感染に対する免疫応答 | 北里 英郎 | 6月30日 | ウイルス感染に対する免疫応答について概説できる。 | |
9 | 移植免疫 | 岡田 信彦 | 7月7日 | 臓器移植と免疫反応の関わりについて説明できる。 | |
10 | 腫瘍に対する免疫応答 | 岡田 信彦 | 7月14日 | 腫瘍に対する免疫応答について説明できる。 |
C8 | 1 | 1 | 2 | 免疫反応の特徴(自己と非自己の識別、特異性、多様性、クローン性、記憶、寛容)を説明できる。 |
C8 | 1 | 2 | 1 | 免疫に関与する組織を列挙し、その役割を説明できる。 |
C8 | 1 | 2 | 2 | 免疫担当細胞の種類と役割を説明できる。 |
C8 | 1 | 1 | 3 | 自然免疫と獲得免疫、および両者の関係を説明できる。 |
C8 | 1 | 1 | 4 | 体液性免疫と細胞性免疫について説明できる。 |
C8 | 1 | 2 | 2 | 免疫担当細胞の種類と役割を説明できる。 |
C8 | 1 | 3 | 5 | 免疫系に関わる主なサイトカインを挙げ、その作用を概説できる。 |
C8 | 2 | 2 | 2 | モノクローナル抗体とポリクローナル抗体について説明できる。 |
C8 | 1 | 1 | 1 | 異物の侵入に対する物理的、生理的、化学的バリアー、および補体の役割について説明できる。 |
C8 | 1 | 1 | 2 | 免疫反応の特徴(自己と非自己の識別、特異性、多様性、クローン性、記憶、寛容)を説明できる。 |
C8 | 1 | 1 | 3 | 自然免疫と獲得免疫、および両者の関係を説明できる。 |
C8 | 1 | 1 | 4 | 体液性免疫と細胞性免疫について説明できる。 |
C8 | 1 | 3 | 2 | MHC抗原の構造と機能および抗原提示での役割について説明できる。 |
C8 | 1 | 3 | 3 | T細胞とB細胞による抗原認識の多様性(遺伝子再構成)と活性化について説明できる。 |
C8 | 1 | 1 | 2 | 免疫反応の特徴(自己と非自己の識別、特異性、多様性、クローン性、記憶、寛容)を説明できる。 |
C8 | 2 | 1 | 2 | アレルギーを分類し、担当細胞および反応機構について説明できる。 |
C8 | 2 | 1 | 5 | 感染症と免疫応答との関わりについて説明できる。 |
C8 | 2 | 1 | 4 | 臓器移植と免疫反応の関わり(拒絶反応、免疫抑制剤など)について説明できる。 |
E2 | 2 | 2 | 9 | 臓器移植(腎臓、肝臓、骨髄、臍帯血、輸血)について、拒絶反応および移植片対宿主病(GVHD)の病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 |
C8 | 2 | 1 | 6 | 腫瘍排除に関与する免疫反応について説明できる。 |
定期試験 | |
授業 | |
その他 | 定期試験(60%)及び課題レポート(40%)にて評価する。総合得点の60%以上を合格とする。 |
「免疫」は、異物に対する生体側の巧みな防御機構として働いています。免疫システムを理解することで、疾病に対する予防や治療、さらには創薬に至るまでさまざまな可能性が生まれます。また、現在では研究分野だけでなく臨床検査においても免疫学的手法を用いた測定法が活用されています。一方、過剰な免疫反応は、自己免疫疾患など重篤な病気をもたらします。免疫学では、まず身体を守るシステムを学び、次いで、免疫反応の破綻によるアレルギー疾患の発症機構などについて、薬学的な視点から学んでいきたいと思います。
1 | 【授業時間外に必要な学習の時間:30時間】 |
2 | 講義の前に教科書や参考書を良く読んで予習し、講義内容を講義中に理解できるよう心がけること。講義終了後は、当日配布した講義プリントで復習し、不明な点があれば、担当教員に尋ねること。 |
3 | 【実務経験のある教員による授業】(※印の付された担当者) 研究所での実務経験を踏まえ、ウイルス感染による免疫応答について概説する。 |
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 薬系 免疫学 改訂第3版 | 植田正、前仲勝実 編 | 南江堂 |
参考書 | ベーシック薬学教科書シリーズ10 免疫学(第2版) | 山元 弘 編 | 化学同人 |
参考書 | イラストレイテッド免疫学 | 矢田純一、高橋秀実 監訳 | 南江堂 |