科目名 | : | 医薬品構造学Ⅱ |
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英文名 | : | Medicinal StructureⅡ |
科目概要 | : | 薬・創薬, 3年, 後期, 選択, 1単位 A, B, C, D, S, 金曜日5時限, 1501大講義室 |
科目責任者 | : | 牧野 一石 (医薬品化学・教授) |
担当者 | : | 牧野 一石 (医薬品化学・教授), 山本 大介 (医薬品化学・講師), 嶋田 修之 (医薬品化学・講師) |
備考 | : | 〔科目ナンバリング:PP301-CH03, PL301-CH03〕 |
医薬品の作用を化学構造と関連づけて理解するために、医薬品に含まれる代表的な構造(骨格、官能基)とその性質に関する知識を修得する。併せて臨床上重要な医薬品の発見と開発に関する経緯を学び、医薬品の化学的合成法の基礎を習得する。生化学反応を有機電子論の立場から理解し、その生物化学的な意義を修得する。
この科目は学位記授与方針(ディプロマ・ポリシー)の薬学科④、生命創薬科学科③に関連する。
医薬品の化学構造に基づいて分子レベルでの薬理作用や薬物動態について講義する。
パワーポイントと配布資料を活用しながら講義形式ですすめる。
No. | 講義項目 | 担当者 | 開講日 | 到達目標・学習方法・内容 | SBO |
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1 | ペプチドアナログの代表的医薬品 | 牧野 一石 | 9月11日 | レニン阻害薬やアンギオテンシン変換酵素、HIVプロテアーゼ阻害薬などのペプチドアナログの医薬品を列挙し、それらの作用機序を分子レベルで明できる。 | |
2 | 循環器系に作用する医薬品 | 牧野 一石 | 9月18日 | ジヒドロピリジンなどのイオンチャネルに作用する高血圧治療薬を列挙し、化学構造に基づく性質について説明できる。 アンギオテンシンII受容体拮抗薬を列挙し、化学構造に基づく性質について説明できる。 | |
3 | 代謝系に作用する医薬品 | 牧野 一石 | 9月25日 | スルホニル尿素薬やビグアナイド薬、α-グリコシダーゼ阻害薬、SGLT2阻害薬などの糖尿病治療薬の化学構造上の特徴と作用機序について分子レベルに基づき説明できる。 | |
4 | コレステロールの生合成と代謝 | 牧野 一石 | 10月2日 | コレステロールから胆汁酸、ビタミンD3、コルチコイド、性ホルモンへの代謝反応を有機化学の観点から説明できる。 | |
5 | ステロイドアナログの代表的医薬品 | 牧野 一石 | 10月9日 | ステロイドアナログの代表的な医薬品を列挙し、化学構造に基づく性質について説明できる。 脂質異常症治療薬の化学構造式から作用発現機構を理解し、概説できる。 | |
6 | フェニル酢酸、フェニルプロピオン酸構造を有する医薬品 | 嶋田 修之 | 10月16日 | アラキドン酸カスケードについて、化学的側面から概説できる。 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を列挙し、それらの作用発現機構を化学的に説明できる。 | |
7 | GABA受容体、オピオイド受容体に関連する医薬品 | 山本 大介 | 10月30日 | GABA受容体、オピオイド受容体に関連する医薬品を列挙し、それらの化学構造を生体分子と比較することにより、作用発現機構を理解し、概説できる。 | |
8 | 医薬品の化学構造に基づく性質と作用 | 山本 大介 | 11月13日 | 代表的な生体高分子を構成する糖やシアル酸などから創製された薬剤を用いて、その構造に基づいた物理化学的性質を説明できる。 遷移状態アナログが競合阻害薬となることを酵素の反応機構に基づいて説明できる。 | |
9 | 生体内で起こる有機反応(異物代謝とプロドラッグ) | 山本 大介 | 11月20日 | 異物代謝や代謝的活性化について、化学反応式を用いて説明できる。 医薬品として実用化されているプロドラックの化学構造及び活性化の基本的な反応機構を説明できる。 不可逆的酵素阻害薬、及び基質アナログが競合阻害薬となることを酵素の反応機構に基づいて説明できる。 | |
10 | 医薬品の化学的合成法 | 嶋田 修之 | 11月27日 | 基本的な化学反応を理解し、医薬品の合成計画を立案できる。 |
C4 | 2 | 2 | 2 | 基質アナログが競合阻害薬となることを酵素の反応機構に基づいて説明できる。 |
C4 | 3 | 2 | 2 | プロドラッグなどの薬物動態を考慮した医薬品の化学構造について説明できる。 |
C4 | 3 | 3 | 1 | 代表的な医薬品のファーマコフォアについて概説できる。 |
C4 | 3 | 3 | 1 | 代表的な医薬品のファーマコフォアについて概説できる。 |
C4 | 3 | 3 | 2 | バイオアイソスター(生物学的等価体)について、代表的な例を挙げて概説できる。 |
C4 | 3 | 3 | 2 | バイオアイソスター(生物学的等価体)について、代表的な例を挙げて概説できる。 |
C4 | 3 | 7 | 1 | イオンチャネルに作用する医薬品の代表的な基本構造(ジヒドロピリジンなど)の特徴を説明できる。 |
C4 | 2 | 2 | 3 | 遷移状態アナログが競合阻害薬となることを酵素の反応機構に基づいて説明できる。 |
C4 | 3 | 7 | 1 | イオンチャネルに作用する医薬品の代表的な基本構造(ジヒドロピリジンなど)の特徴を説明できる。 |
C4 | 1 | 2 | 1 | 細胞膜受容体および細胞内(核内)受容体の代表的な内因性リガンドの構造と性質について概説できる。 |
C4 | 1 | 2 | 1 | 細胞膜受容体および細胞内(核内)受容体の代表的な内因性リガンドの構造と性質について概説できる。 |
C4 | 2 | 4 | 1 | 代表的な生体分子(脂肪酸、コレステロールなど)の代謝反応を有機化学の観点から説明できる。 |
C4 | 2 | 2 | 3 | 遷移状態アナログが競合阻害薬となることを酵素の反応機構に基づいて説明できる。 |
C4 | 3 | 2 | 2 | プロドラッグなどの薬物動態を考慮した医薬品の化学構造について説明できる。 |
C4 | 3 | 5 | 3 | ステロイドアナログの代表的医薬品を列挙し、化学構造に基づく性質について説明できる。 |
C4 | 1 | 1 | 1 | 代表的な生体高分子を構成する小分子(アミノ酸、糖、脂質、ヌクレオチドなど)の構造に基づく化学的性質を説明できる。 |
C4 | 2 | 4 | 1 | 代表的な生体分子(脂肪酸、コレステロールなど)の代謝反応を有機化学の観点から説明できる。 |
C4 | 3 | 5 | 4 | ベンゾジアゼピン骨格およびバルビタール骨格を有する代表的医薬品を列挙し、化学構造に基づく性質について説明できる。 |
C4 | 3 | 5 | 5 | オピオイドアナログの代表的医薬品を列挙し、化学構造に基づく性質について説明できる。 |
C4 | 1 | 1 | 1 | 代表的な生体高分子を構成する小分子(アミノ酸、糖、脂質、ヌクレオチドなど)の構造に基づく化学的性質を説明できる。 |
C4 | 1 | 1 | 2 | 医薬品の標的となる生体高分子(タンパク質、核酸など)の立体構造とそれを規定する化学結合、相互作用について説明できる。 |
C4 | 2 | 2 | 3 | 遷移状態アナログが競合阻害薬となることを酵素の反応機構に基づいて説明できる。 |
C4 | 3 | 2 | 1 | 医薬品の構造からその物理化学的性質(酸性、塩基性、疎水性、親水性など)を説明できる。 |
C4 | 2 | 2 | 1 | 不可逆的酵素阻害薬の作用を酵素の反応機構に基づいて説明できる。 |
C4 | 2 | 2 | 2 | 基質アナログが競合阻害薬となることを酵素の反応機構に基づいて説明できる。 |
C4 | 2 | 4 | 2 | 異物代謝の反応(発がん性物質の代謝的活性化など)を有機化学の観点から説明できる。 |
C4 | 3 | 2 | 2 | プロドラッグなどの薬物動態を考慮した医薬品の化学構造について説明できる。 |
C3 | 3 | 3 | 1 | アルコール、フェノール類の基本的な性質と反応を列挙し、説明できる。 |
C3 | 3 | 4 | 1 | アルデヒド類およびケトン類の基本的な性質と反応を列挙し、説明できる。 |
C3 | 3 | 4 | 3 | カルボン酸誘導体(酸ハロゲン化物、酸無水物、エステル、アミド)の基本的性質と反応を列挙し、説明できる。 |
C3 | 3 | 5 | 1 | アミン類の基本的性質と反応を列挙し、説明できる。 |
定期試験 | 牧野担当範囲50% 山本担当範囲30% 嶋田担当範囲20% として評価します。 演習課題が未提出の場合は減点します。 |
授業 | |
その他 | 演習課題の提出状況10% さらに深く学びたい人は、参考書として「化学構造と薬理作用 医薬品を化学的に読む 第2版」及び「新編 医薬化学」を通読することを薦める。 |
生体分子の代謝や医薬品の作用を化学構造式で理解したり、作用発現機構を有機電子論や分子間相互作用によって理解することをめざします。有機化学が苦手な学生にもわかるように、丁寧に説明するように心掛けて講義します。
1 | 【授業時間外に必要な学習の時間:30時間】 |
2 | 教科書として用いる「化学系薬学II.生体分子・医薬品の化学による理解」及び講義資料を熟読し、講義に出席すること。講義内容の復習や発展事項に関して、課題を課すので提出すること。 学習者は講義を聴講するだけではなく、実際に手を動かして構造式を書き出し、その化学的・生物学的・物理化学的な意味を理解した上で、知識を身に着けることが大切となります。医薬品の作用発現機構を「有機化学」に基づき説明しますので、分子間相互作用や電子の流れを表す「曲がった矢印」については復習しておいてください。 |
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 化学系薬学Ⅱ. 生体分子・医薬品の化学による理解(医薬品構造学Ⅱ、6年次総合演習でも使用します) | 日本薬学会 編 | 東京化学同人 |
教科書 | 配布資料 | ||
参考書 | 化学構造と薬理作用 医薬品を化学的に読む 第2版 | 柴崎正勝、赤池昭紀、橋田 充 監修 | 廣川書店 |
参考書 | 新編 医薬化学 | 日比野 俐、石倉 稔、北川幸己、須本國弘、波多江 典之 編 | 廣川書店 |
参考書 | 薬学有機化学と無機化学の基本 | 牧野一石 | 京都廣川書店 |
参考書 | 薬がわかる構造式集 | 林 良雄、青柳 裕、飯島 洋 編 | 廣川書店 |
参考書 | ベーシック薬学教科書シリーズ6創薬科学・医薬化学 | 橘高敦史 編 | 化学同人 |
参考書 | 創薬化学 有機合成からのアプローチ | 北 泰行、平岡哲夫 編 | 東京化学同人 |
参考書 | 創薬科学 | 長 秀連 | 南山堂 |
参考書 | 有機医薬品分子論 | 周東 智 | 京都廣川書店 |