Web Syllabus(講義概要)
トップへ戻る 前のページへ戻る
科目名:病理学
英文名:Pathology
科目概要:薬・創薬, 2年, 前期, 必修・選択, 1単位
A, B, C, D, S, 金曜日4時限, 2202大講義室
2201大講義室
科目責任者:鈴木 幸男 (生体制御学・教授 ※)
担当者:岡田 信彦 (微生物学・教授), 鈴木 幸男 (生体制御学・教授 ※), 喜来 望 (学習支援室・講師), 矢野 康次 (生体制御学・助教), 高橋 博之 (医療衛生学部), 丸山 弘子 (医療衛生学部)
備考:健康食品管理士養成講座対応科目 
〔科目ナンバリング:PP301-CP02, PL301-CP02〕

授業の目的

患者ごとに最適化された医療を提供できるようになるために、まず、身体の一般的な病的変化の定義、分類についての基本的な知識を修得する。さらに、その病的変化の様相、機序の理解に基づいて、疾患の症候・経過の判断の初歩的方法を身に付ける。
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の薬学科①、生命創薬科学科①に関連する。

教育内容

病気の原因及び疾患の進行機序について説明する。

教育方法

パワーポイントと配布資料を用いて講義形式ですすめる。

講義内容

No.講義項目担当者開講日到達目標・学習方法・内容SBO
1染色体異常、遺伝子異常と疾患
高橋 博之
5月15日染色体異常及び遺伝子異常に起因する先天性疾患又は病的素因を概説できる。
2循環障害丸山 弘子
5月22日循環器系障害における病理学的変化(充血、うっ血、虚血など)について、また、派生する血栓、栓塞、梗塞について定義、原因、病態を説明できる。
3修復と再生岡田 信彦
5月29日組織の再生機序と修復(創傷治癒)を説明できる。
4腫瘍①矢野 康次
6月5日腫瘍の定義づけと分類ができ、悪性腫瘍の進展と生体への影響について概説できる。
5腫瘍②矢野 康次
6月12日悪性腫瘍の原因と発がんの機序を説明できる。
6腫瘍③矢野 康次
6月19日臓器特異的な腫瘍のうち、代表的なものを説明できる。
7細胞・組織の傷害と反応①喜来 望
6月26日細胞の生命活動のダイナミズムを理解し、その病的変化(細胞増殖と細胞死)を説明できる。
8細胞・組織の傷害と反応②喜来 望
7月3日細胞障害の原因とその機序を説明できる。
9炎症①岡田 信彦
7月10日炎症の原因・誘因となる侵襲要因について概説できる。炎症における生理的反応を説明できる。
10炎症②
*7月17日(金)2限目に変更
岡田 信彦
7月17日炎症の病理学的分類及び代表的な疾患を説明できる。
No. 1
講義項目
染色体異常、遺伝子異常と疾患
担当者
高橋 博之
開講日
2020-05-15
到達目標・学習方法・内容
染色体異常及び遺伝子異常に起因する先天性疾患又は病的素因を概説できる。
SBO
C6421染色体の構造(ヌクレオソーム、クロマチン、セントロメア、テロメアなど)を説明できる。
C6451DNAの変異と修復について説明できる。
C7113代表的な遺伝疾患を概説できる。
No. 2
講義項目
循環障害
担当者
丸山 弘子
開講日
2020-05-22
到達目標・学習方法・内容
循環器系障害における病理学的変化(充血、うっ血、虚血など)について、また、派生する血栓、栓塞、梗塞について定義、原因、病態を説明できる。
SBO
E2138脳血管疾患(脳内出血、脳梗塞(脳血栓、脳塞栓、一過性脳虚血)、くも膜下出血)について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
E2313虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
E2325以下の疾患について治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 血友病、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、白血球減少症、血栓塞栓症、白血病(重複)、悪性リンパ腫(重複)
No. 3
講義項目
修復と再生
担当者
岡田 信彦
開講日
2020-05-29
到達目標・学習方法・内容
組織の再生機序と修復(創傷治癒)を説明できる。
SBO
C6632主な細胞外マトリックス分子の種類と特徴を説明できる。
E2213創傷治癒の過程について説明できる。
No. 4
講義項目
腫瘍①
担当者
矢野 康次
開講日
2020-06-05
到達目標・学習方法・内容
腫瘍の定義づけと分類ができ、悪性腫瘍の進展と生体への影響について概説できる。
SBO
C6731正常細胞とがん細胞の違いについて説明できる。
E2771腫瘍の定義(良性腫瘍と悪性腫瘍の違い)を説明できる。
No. 5
講義項目
腫瘍②
担当者
矢野 康次
開講日
2020-06-12
到達目標・学習方法・内容
悪性腫瘍の原因と発がんの機序を説明できる。
SBO
C6732がん遺伝子とがん抑制遺伝子について概説できる。
E2772悪性腫瘍について、以下の項目を概説できる。 組織型分類および病期分類、悪性腫瘍の検査(細胞診、組織診、画像診断、腫瘍マーカー(腫瘍関連の変異遺伝子、遺伝子産物を含む))、悪性腫瘍の疫学(がん罹患の現状およびがん死亡の現状)、悪性腫瘍のリスクおよび予防要因
No. 6
講義項目
腫瘍③
担当者
矢野 康次
開講日
2020-06-19
到達目標・学習方法・内容
臓器特異的な腫瘍のうち、代表的なものを説明できる。
SBO
E2784代表的ながん化学療法のレジメン(FOLFOX等)について、構成薬物およびその役割、副作用、対象疾患を概説できる。
E2788以下の消化器系の悪性腫瘍について、病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 胃癌、食道癌、肝癌、大腸癌、胆囊・胆管癌、膵癌
E2789肺癌について、病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
E27810以下の頭頸部および感覚器の悪性腫瘍について、病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 脳腫瘍、網膜芽細胞腫、喉頭、咽頭、鼻腔・副鼻腔、口腔の悪性腫瘍
E27811以下の生殖器の悪性腫瘍について、病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 前立腺癌、子宮癌、卵巣癌
No. 7
講義項目
細胞・組織の傷害と反応①
担当者
喜来 望
開講日
2020-06-26
到達目標・学習方法・内容
細胞の生命活動のダイナミズムを理解し、その病的変化(細胞増殖と細胞死)を説明できる。
SBO
C6711細胞周期とその制御機構について説明できる。
C6712体細胞と生殖細胞の細胞分裂について説明できる。
C6721細胞死(アポトーシスとネクローシス)について説明できる。
C7122細胞の分化における幹細胞、前駆細胞の役割について概説できる。
No. 8
講義項目
細胞・組織の傷害と反応②
担当者
喜来 望
開講日
2020-07-03
到達目標・学習方法・内容
細胞障害の原因とその機序を説明できる。
SBO
C6451DNAの変異と修復について説明できる。
C6721細胞死(アポトーシスとネクローシス)について説明できる。
No. 9
講義項目
炎症①
担当者
岡田 信彦
開講日
2020-07-10
到達目標・学習方法・内容
炎症の原因・誘因となる侵襲要因について概説できる。炎症における生理的反応を説明できる。
SBO
C8111異物の侵入に対する物理的、生理的、化学的バリアー、および補体の役割について説明できる。
C8211炎症の一般的症状、担当細胞および反応機構について説明できる。
No. 10
講義項目
炎症②
*7月17日(金)2限目に変更
担当者
岡田 信彦
開講日
2020-07-17
到達目標・学習方法・内容
炎症の病理学的分類及び代表的な疾患を説明できる。
SBO
C8211炎症の一般的症状、担当細胞および反応機構について説明できる。
E2223以下のアレルギー疾患について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、接触性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、消化管アレルギー、気管支喘息(重複)

評価方法

定期試験講義範囲から出題する。マークシート方式。持ち込み禁止。
授業授業回数10回+定期試験。
その他成績評価における定期試験配点率を100%とする。

学生へのメッセージ

病理学は、先行する解剖学、生理学、生化学などで学習している内容を総合して、私達のからだや細胞が正常な営みから逸脱するとき、何が原因・要因で(病因)どのような変化が現れるかを記述し、そのメカニズムを明らかにする学問です。疾患の理解や治療の組み立ての基礎となる学問でもありますので、学習する項目ごとに解剖学・生理学・生化学などの振り返りも必要となりますし、薬理や薬物治療に連結する視点も必要になります。

準備学習(予習・復習)・その他

1【授業時間外に必要な学習の時間:30時間】
2予習: 教科書で、次回講義範囲相当部分を読み、キーワードを抽出し、教科書以外の資料も用いて調査すること。
復習: 小レポートを課すことがあるので、その課題について、規定の範囲でまとめる。その際にあらかじめ予習していた項目をレポートに活用する。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書シンプル病理学 改訂第7版
(主に予習と復習において活用する)
笹野公伸、岡田保典、安井 弥 南江堂
教科書適宜講義資料配布
参考書細胞を読む(Blue Backs)山科正平
参考書遺伝子で診断する(PHP 新書)中村祐輔 
参考書ロビンス 基礎病理学森 亘  樋田理喜廣川書店
参考書医療系学生のための病理学渋谷みよ、成松英明、中村仁志夫、佐藤達資講談社サンエンティフィック
教科書
署名
シンプル病理学 改訂第7版
(主に予習と復習において活用する)
著者・編者
笹野公伸、岡田保典、安井 弥 
発行所
南江堂
教科書
署名
適宜講義資料配布
著者・編者
発行所
参考書
署名
細胞を読む(Blue Backs)
著者・編者
山科正平
発行所
参考書
署名
遺伝子で診断する(PHP 新書)
著者・編者
中村祐輔
発行所
 
参考書
署名
ロビンス 基礎病理学
著者・編者
森 亘  樋田理喜
発行所
廣川書店
参考書
署名
医療系学生のための病理学
著者・編者
渋谷みよ、成松英明、中村仁志夫、佐藤達資
発行所
講談社サンエンティフィック