科目名 | : | 分析科学Ⅱ |
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英文名 | : | Analytical Sciences Ⅱ |
科目概要 | : | 薬・創薬, 2年, 後期, 必修, 1単位 A, B, C, D, S, 火曜日2時限, 2202大講義室 |
科目責任者 | : | 加藤 くみ子 (分析化学・教授 ※) |
担当者 | : | 加藤 くみ子 (分析化学・教授 ※), 片根 真澄 (医薬研究施設・准教授), 白畑 辰弥 (生薬学・准教授), 古地 壯光 (非常勤教員) |
備考 | : | 臨床検査技師養成科目 実務経験のある教員による授業科目(担当者に付されている※印は実務経験のある教員を表す) 〔科目ナンバリング:PP301-PC02, PL301-PC02〕 |
日本薬局方収載の医薬品を始めとする様々な物質の試料中の濃度を正確に定量できるようになるために、また、それら物質の化学構造を予想できるようになるために、各種分析法(分離分析法、電気泳動法、質量分析法、核磁気共鳴法、赤外吸収スペクトル法、X線回折法、旋光度分析法)の基本的原理と操作法を修得する。
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の薬学科①、生命創薬科学科①に関連する。
日本薬局方に収載されている各種機器分析法(ガスクロマトグラフィー、電気泳動、核磁気共鳴法、質量分析法等)の基本原理や操作法、スペクトルの読み方を講義する。
パワーポイントや配布資料等を用いて講義形式ですすめる。
No. | 講義項目 | 担当者 | 開講日 | 到達目標・学習方法・内容 | SBO |
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1 | 分離分析法 ※1時限目に実施 | 古地 壯光 | 9月8日 | ガスクロマトグラフィーの特徴と分離機構を説明できる。 ガスクロマトグラフィーで用いられる検出法を説明できる。 電気泳動法の基本原理と分離機構を説明できる。 | |
2 | 分離分析法 ※1時限目に実施 | 古地 壯光 | 9月15日 | タンパク質や遺伝子の電気泳動分析法の原理と特徴を説明できる。 キャピラリー電気泳動法の原理と特徴を説明できる。 | |
3 | 核磁気共鳴法 | 白畑 辰弥 | 9月29日 | 電磁波の波長領域とスペクトルの関連、¹H-NMRの原理と測定装置の概略及び測定法について説明できる。 | |
4 | 核磁気共鳴法 | 白畑 辰弥 | 10月6日 | 重水素置換の原理、¹H-NMRスペクトルの積分値の意味、¹H-NMRスペクトルの化学シフトの原理と構造との関連、有機物質中の代表的な水素原子の化学シフト値を説明できる。 ¹H-NMRにおけるスピンースピンカップリングの原理、スピン結合定数から得られる情報、¹³C-NMRスペクトルの化学シフトの構造との関連、デカップリング法の原理と利点を説明できる。 | |
5 | 赤外吸収スペクトル分析法 (ラマンスペクトル分析法) | 白畑 辰弥 | 10月13日 | 赤外線吸収の原理とスペクトル測定法について説明できる。 代表的な官能基の特性吸収と化合物同定における赤外線吸収の意義を説明できる。 ラマンスペクトル法の原理と特徴及び赤外吸収スペクトルとの比較を説明できる。 | |
6 | 質量分析法 | 加藤 くみ子 | 10月20日 | 質量分析法の原理と測定装置の概略及び測定法を説明できる。 マススペクトルより得られる情報を概説できる。 測定化合物に適したイオン化法を選択できる。 | |
7 | 質量分析法 | 加藤 くみ子 | 10月27日 | ピークの種類(基準ピーク、分子イオンピーク、同位体ピーク、フラグメントピーク)を説明できる。 | |
8 | 質量分析法 | 加藤 くみ子 | 11月10日 | 代表的な化合物のマススペクトルを解析できる。 質量分析法の応用例を説明できる。 | |
9 | 旋光度測定法 | 片根 真澄 | 11月17日 | 旋光度測定法の原理、操作法及び応用例を説明できる。 旋光分散の原理、操作法及び応用例を説明できる。 | |
10 | 電気滴定法 X線回折法 熱分析法 | 加藤 くみ子 | 11月24日 | 電気滴定法(電位差滴定法、電流滴定法、電量滴定法)の原理と操作法を説明できる。 X線回折法(X線結晶解析と粉末X線回折法)の原理と測定法を説明できる。 熱分析(熱重量測定法、示差熱分析法および示差走査熱量測定法)の原理や測定法について説明できる。 |
C2 | 5 | 1 | 1 | クロマトグラフィーの分離機構を説明できる。 |
C2 | 5 | 1 | 4 | ガスクロマトグラフィーの特徴と代表的な検出法を説明できる。 |
C2 | 5 | 2 | 1 | 電気泳動法の原理および応用例を説明できる。 |
C2 | 5 | 2 | 1 | 電気泳動法の原理および応用例を説明できる。 |
C2 | 4 | 2 | 1 | 核磁気共鳴(NMR)スペクトル測定法の原理および応用例を説明できる。 |
C3 | 4 | 1 | 1 | ¹Hおよび¹³CNMRスペクトルより得られる情報を概説できる。 |
C2 | 4 | 2 | 1 | 核磁気共鳴(NMR)スペクトル測定法の原理および応用例を説明できる。 |
C3 | 4 | 1 | 1 | ¹Hおよび¹³CNMRスペクトルより得られる情報を概説できる。 |
C3 | 4 | 1 | 2 | 有機化合物中の代表的プロトンについて、おおよその化学シフト値を示すことができる。 |
C3 | 4 | 1 | 3 | ¹HNMRの積分値の意味を説明できる。 |
C3 | 4 | 1 | 4 | ¹HNMRシグナルが近接プロトンにより分裂(カップリング)する基本的な分裂様式を説明できる。 |
C3 | 4 | 1 | 5 | 代表的な化合物の部分構造を¹HNMRから決定できる。 |
C2 | 4 | 1 | 3 | 赤外吸収(IR)スペクトル測定法の原理および応用例を説明できる。 |
C3 | 4 | 2 | 1 | IRスペクトルより得られる情報を概説できる。 |
C3 | 4 | 2 | 2 | IRスペクトル上の基本的な官能基の特性吸収を列挙し、帰属することができる。 |
C2 | 4 | 3 | 1 | 質量分析法の原理および応用例を説明できる。 |
C3 | 4 | 3 | 1 | マススペクトルより得られる情報を概説できる。 |
C3 | 4 | 3 | 2 | 測定化合物に適したイオン化法を選択できる。 |
C3 | 4 | 3 | 3 | ピークの種類(基準ピーク、分子イオンピーク、同位体ピーク、フラグメントピーク)を説明できる。 |
C2 | 4 | 3 | 1 | 質量分析法の原理および応用例を説明できる。 |
C3 | 4 | 3 | 4 | 代表的な化合物のマススペクトルを解析できる。 |
C3 | 4 | 4 | 1 | 代表的な機器分析法を用いて、代表的な化合物の構造決定ができる。 |
C2 | 4 | 1 | 5 | 旋光度測定法(旋光分散)の原理および応用例を説明できる。 |
C2 | 4 | 4 | 1 | X線結晶解析の原理および応用例を概説できる。 |
C2 | 4 | 4 | 2 | 粉末X線回折測定法の原理と利用法について概説できる。 |
C2 | 4 | 5 | 1 | 熱重量測定法の原理を説明できる。 |
C2 | 4 | 5 | 2 | 示差熱分析法および示差走査熱量測定法について説明できる。 |
定期試験 | 定期試験 (100%) |
授業 | |
その他 |
「分析科学 Ⅱ」では、前期「分析科学 Ⅰ」からの延長である分離分析法や電気滴定法のほか、主な構造解析法である、核磁気共鳴法、赤外吸収スペクトル分析法 (ラマンスペクトル分析法)、質量分析法などを学ぶ。全てが、薬学領域で汎用される重要な構造解析法であるので、しっかりと理解してほしい。
1 | 【授業時間外に必要な学習の時間:30時間】 |
2 | 1)教科書の該当箇所を事前に良く読んで理解しておくこと。 2)前学期までの関連科目(分析科学I)の内容を良く復習しておくこと。 3)受講後は教科書、配布資料を利用して受講内容を復習し、理解を深めておくこと。 |
3 | 授業においては、プリント等を配布する。 |
4 | 【実務経験のある教員による授業】(※印の付された担当者) 企業での医薬品分析や国立研究所での日本薬局方試験法原案作成の経験を踏まえ、日本薬局方に収載されている分析法について解説する。 |
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | パートナー分析化学 Ⅰ、Ⅱ | 山口ら | 南江堂 |
参考書 | 基礎薬学 分析化学Ⅰ、Ⅱ | 中村ら | 廣川書店 |
参考書 | 物理系薬学 Ⅱ、Ⅲ | 佐治ら | 東京化学同人 |
参考書 | コアカリ対応分析化学 | 前田ら | 丸善 |
参考書 | 第17改正日本薬局方解説書 | 廣川書店 |