Web Syllabus(講義概要)
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科目名:薬理学Ⅱ
英文名:Pharmacology Ⅱ
科目概要:薬・創薬, 2年, 後期, 必修, 1単位
A, B, C, D, S, 金曜日2時限, 2202大講義室
科目責任者:田辺 光男 (薬理学・教授)
担当者:田辺 光男 (薬理学・教授), 内藤 康仁 (薬理学・講師), 岩井 孝志 (薬理学・講師)
備考:臨床検査技師養成科目 
〔科目ナンバリング:PP301-PH02, PL301-PH02〕

授業の目的

循環器系(心臓・血管)及び末梢系臓器(眼、血液、呼吸器系、消化器系など)に作用する薬物の臨床適用について理解するために、心臓・血管系及び末梢系臓器(眼、血液、呼吸器系、消化器系など)の制御機構を理解し、適応薬物の標的分子に対する作用機序を学習する。このことを通して、自律神経系(交感神経系と副交感神経系)の制御との相互作用を理解し、それらに影響を与える薬物の複合的な薬理作用を理解する。また、免疫・アレルギーを理解し、それらに作用する薬物を学習する。
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の薬学科①、生命創薬科学科①に関連する。

教育内容

薬物がどのように体に作用するかを学ぶことは、将来薬剤師をはじめ薬学に関わる上での基盤となる。薬理学Ⅱでは、薬理学Ⅰで学んだ概念を発展させ、末梢組織・臓器に働く薬物に焦点を当て、それら組織・臓器の機能、薬物の作用機序などを講義する。
この科目は教育課程の編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)の薬学科③、生命創薬科学科④に関連する。

教育方法

スライドを利用した講義を行う。また、理解を助けるための練習問題も行う。

講義内容

No.講義項目担当者開講日到達目標・学習方法・内容SBO
1心不全治療薬内藤 康仁
9月11日心不全治療薬の作用機序と臨床適用について説明できる。
2抗不整脈薬内藤 康仁
9月18日抗不整脈薬の作用機序と臨床適用について説明できる。
3虚血性心疾患治療薬内藤 康仁
9月25日狭心症及び心筋梗塞の発生機序とその治療薬の作用機序及び臨床適用について説明できる。
4高血圧治療薬内藤 康仁
10月2日高血治療薬の作用機序及び臨床適用について説明できる。
5利尿薬内藤 康仁
10月9日利尿薬の作用機序及び臨床適用について説明できる。
6血液に作用する薬物内藤 康仁
10月16日凝固・線溶系に作用する薬物、貧血治療薬の作用機序と臨床適用について説明できる。
7泌尿器・生殖器作用薬(膀胱・前立腺・子宮)岩井 孝志
10月30日排尿障害治療薬、前立腺肥大症など泌尿器・生殖器疾患治療薬及び子宮平滑筋作用薬など妊娠・分娩・避妊に用いられる薬物の薬理作用と臨床適用を説明できる。
8炎症・免疫・アレルギー関連薬
岩井 孝志
11月13日免疫系に作用する薬物、関節リウマチ治療薬、アレルギーメディエーターの作用と抗アレルギー薬の作用機序と臨床適用について説明できる。
9呼吸器に作用する薬物岩井 孝志
11月20日鎮咳・去痰薬、気管支喘息治療薬など呼吸器疾患治療薬の作用機序と臨床適用について説明できる。
10消化器に作用する薬物岩井 孝志
11月27日消化性潰瘍治療薬や制吐薬など消化器疾患治療薬の作用機序と臨床適用について説明できる。
11眼に作用する薬物
岩井 孝志
12月4日縮瞳・散瞳薬、緑内障・白内障治療薬など眼に作用する薬物の作用機序と臨床適用について説明できる。
No. 1
講義項目
心不全治療薬
担当者
内藤 康仁
開講日
2020-09-11
到達目標・学習方法・内容
心不全治療薬の作用機序と臨床適用について説明できる。
SBO
C7171心臓について概説できる。
C7172血管系について概説できる。
E2312急性および慢性心不全について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
No. 2
講義項目
抗不整脈薬
担当者
内藤 康仁
開講日
2020-09-18
到達目標・学習方法・内容
抗不整脈薬の作用機序と臨床適用について説明できる。
SBO
C7171心臓について概説できる。
E2311以下の不整脈および関連疾患について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 不整脈の例示:上室性期外収縮(PAC)、心室性期外収縮(PVC)、心房細動(Af)、発作性上室頻拍(PSVT)、WPW症候群、心室頻拍(VT)、心室細動(Vf)、房室ブロック、QT延長症候群
No. 3
講義項目
虚血性心疾患治療薬
担当者
内藤 康仁
開講日
2020-09-25
到達目標・学習方法・内容
狭心症及び心筋梗塞の発生機序とその治療薬の作用機序及び臨床適用について説明できる。
SBO
C7171心臓について概説できる。
C7172血管系について概説できる。
E2313虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
No. 4
講義項目
高血圧治療薬
担当者
内藤 康仁
開講日
2020-10-02
到達目標・学習方法・内容
高血治療薬の作用機序及び臨床適用について説明できる。
SBO
C7171心臓について概説できる。
C7172血管系について概説できる。
C7251血圧の調節機構について概説できる。
E2314以下の高血圧症について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 本態性高血圧症、二次性高血圧症(腎性高血圧症、腎血管性高血圧症を含む)
No. 5
講義項目
利尿薬
担当者
内藤 康仁
開講日
2020-10-09
到達目標・学習方法・内容
利尿薬の作用機序及び臨床適用について説明できる。
SBO
C7271体液の調節機構について概説できる。
C7272尿の生成機構、尿量の調節機構について概説できる。
E2331利尿薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)および臨床適用を説明できる。
No. 6
講義項目
血液に作用する薬物
担当者
内藤 康仁
開講日
2020-10-16
到達目標・学習方法・内容
凝固・線溶系に作用する薬物、貧血治療薬の作用機序と臨床適用について説明できる。
SBO
C7291血液凝固・線溶系の機構について概説できる。
E2321止血薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)および臨床適用を説明できる。
E2322抗血栓薬、抗凝固薬および血栓溶解薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)および臨床適用を説明できる。
E2323以下の貧血について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 鉄欠乏性貧血、巨赤芽球性貧血(悪性貧血等)、再生不良性貧血、自己免疫性溶血性貧血(AIHA)、腎性貧血、鉄芽球性貧血
No. 7
講義項目
泌尿器・生殖器作用薬(膀胱・前立腺・子宮)
担当者
岩井 孝志
開講日
2020-10-30
到達目標・学習方法・内容
排尿障害治療薬、前立腺肥大症など泌尿器・生殖器疾患治療薬及び子宮平滑筋作用薬など妊娠・分娩・避妊に用いられる薬物の薬理作用と臨床適用を説明できる。
SBO
C71101泌尿器系について概説できる。
C71111生殖器系について概説できる。
E2334過活動膀胱および低活動膀胱について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
E2336以下の生殖器系疾患について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 前立腺肥大症、子宮内膜症、子宮筋腫
E2337妊娠・分娩・避妊に関連して用いられる薬物について、薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
E2341循環系・泌尿器系・生殖器系疾患の疾患に用いられる代表的な薬物の基本構造と薬効(薬理・薬物動態)の関連を概説できる。
No. 8
講義項目
炎症・免疫・アレルギー関連薬
担当者
岩井 孝志
開講日
2020-11-13
到達目標・学習方法・内容
免疫系に作用する薬物、関節リウマチ治療薬、アレルギーメディエーターの作用と抗アレルギー薬の作用機序と臨床適用について説明できる。
SBO
C8214臓器移植と免疫反応の関わり(拒絶反応、免疫抑制剤など)について説明できる。
E2211抗炎症薬(ステロイド性および非ステロイド性)および解熱性鎮痛薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)および臨床適用を説明できる。
E2212抗炎症薬の作用機序に基づいて炎症について説明できる。
E2221アレルギー治療薬(抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬等)の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)および臨床適用を説明できる。
E2222免疫抑制薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)および臨床適用を説明できる。
E2223以下のアレルギー疾患について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、接触性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、消化管アレルギー、気管支喘息(重複)
E2241免疫・炎症・アレルギー疾患に用いられる代表的な薬物の基本構造と薬効(薬理・薬物動態)の関連を概説できる。
No. 9
講義項目
呼吸器に作用する薬物
担当者
岩井 孝志
開講日
2020-11-20
到達目標・学習方法・内容
鎮咳・去痰薬、気管支喘息治療薬など呼吸器疾患治療薬の作用機序と臨床適用について説明できる。
SBO
C7181肺、気管支について概説できる。
E2411気管支喘息について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
E2412慢性閉塞性肺疾患および喫煙に関連する疾患(ニコチン依存症を含む)について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
E2414鎮咳薬、去痰薬、呼吸興奮薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)および臨床適用を説明できる。
E2431呼吸器系・消化器系の疾患に用いられる代表的な薬物の基本構造と薬効(薬理・薬物動態)の関連を概説できる。
No. 10
講義項目
消化器に作用する薬物
担当者
岩井 孝志
開講日
2020-11-27
到達目標・学習方法・内容
消化性潰瘍治療薬や制吐薬など消化器疾患治療薬の作用機序と臨床適用について説明できる。
SBO
E2421以下の上部消化器疾患について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 胃食道逆流症(逆流性食道炎を含む)、消化性潰瘍、胃炎
E2422炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病等)について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
E2423肝疾患(肝炎、肝硬変(ウイルス性を含む)、薬剤性肝障害)について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
E2424膵炎について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
E2425胆道疾患(胆石症、胆道炎)について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
E2426機能性消化管障害(過敏性腸症候群を含む)について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
E2427便秘・下痢について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
E2428悪心・嘔吐について、治療薬および関連薬物(催吐薬)の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
No. 11
講義項目
眼に作用する薬物
担当者
岩井 孝志
開講日
2020-12-04
到達目標・学習方法・内容
縮瞳・散瞳薬、緑内障・白内障治療薬など眼に作用する薬物の作用機序と臨床適用について説明できる。
SBO
E2611緑内障について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
E2612白内障について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
E2613加齢性黄斑変性について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
E2641感覚器・皮膚の疾患に用いられる代表的な薬物の基本構造と薬効(薬理・薬物動態)の関連を概説できる。

評価方法

定期試験定期試験成績にて評価する(100%)。
授業 
その他

学生へのメッセージ

病態の理解を進めながら薬物の作用機序をわかりやすく説明するように努めます。

準備学習(予習・復習)・その他

1【授業時間外に必要な学習の時間:30時間】
2教科書をよく読んで、概要を理解した上で授業に臨むこと。プリントの復習をし、授業中に行った練習問題を再度行っ て理解を深めましょう。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書パートナー薬理学(改定第3版)石井邦雄、栗原順一、田中芳夫南江堂
参考書シンプル生理学貴邑冨久子、根来英雄南江堂
参考書医薬品の名前 ステムを知ればクスリがわかる宮田直樹じほう
参考書はじめの一歩の薬理学石井邦雄羊土社
参考書薬名語源事典阿部和穂武蔵野大学出版会
教科書
署名
パートナー薬理学(改定第3版)
著者・編者
石井邦雄、栗原順一、田中芳夫
発行所
南江堂
参考書
署名
シンプル生理学
著者・編者
貴邑冨久子、根来英雄
発行所
南江堂
参考書
署名
医薬品の名前 ステムを知ればクスリがわかる
著者・編者
宮田直樹
発行所
じほう
参考書
署名
はじめの一歩の薬理学
著者・編者
石井邦雄
発行所
羊土社
参考書
署名
薬名語源事典
著者・編者
阿部和穂
発行所
武蔵野大学出版会