Web Syllabus(講義概要)
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科目名:基礎有機化学
英文名:Fundamental Organic Chemistry
科目概要:薬・創薬, 1年, 前期, 必修, 1単位
A, B, C, D, S, 月曜日5時限
A, B, C, D, S, 金曜日3時限
科目責任者:長光 亨 (薬品製造化学・教授)
担当者:長光 亨 (薬品製造化学・教授), 大多和 正樹 (薬品製造化学・准教授), 有馬 志保 (薬品製造化学・助教)
備考:〔科目ナンバリング:PP201-CH01, PL201-CH01〕

授業の目的

薬剤師は医師や看護師と異なり、有機化学に精通し、医療現場で医薬品の構造を理解し、その化学的性質等を理解できる唯一の存在である。また創薬開発において、有機化学者は医薬品候補化合物の創製に欠かせない存在である。本講義では、その有機化学を今後深く理解できるようになるために、必要な基礎知識(命名法、立体配座、酸・塩基、ハロゲン化アルキルの求核置換反応及び脱離反応)を修得する。
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の薬学科①、生命創薬科学科①に関連する。

教育内容

今後大学で有機化学を広く、深く理解するために必要な有機化学の基礎的な内容を講義する。

教育方法

基本講義形式で進める。適宜講義中に問題を提示するので友人らと討議してもらい、その後解説を行う。適宜課題も与え(指定された日時までに提出)、提出日後の講義で解説を配付するとともに、正答率の低い問題について解説を行う。

講義内容

No.講義項目担当者開講日到達目標・学習方法・内容SBO
1命名法①
有馬 志保
6月19日アルカンをIUPAC の規則に従って命名することができる。
2命名法② 立体配座①有馬 志保
6月22日アルケン及びアルキンをIUPAC の規則に従って命名することができる。
分子模型を使って、分子の三次元構造(混成軌道)を確認する。エタン及びブタンの立体配座を理解し、説明することができる。
3立体配座②有馬 志保
6月26日分子模型を使って、シクロヘキサンの立体配座を理解し、説明することができる。
4酸・塩基①大多和 正樹
7月17日曲がった矢印ついて理解し、説明することができる。
5酸・塩基②大多和 正樹
7月20日ブレンステッド・ローリーの酸塩基を理解し、説明することができる。
6酸・塩基③大多和 正樹
7月24日酸の強さと pKa を理解し、説明することができる。
7酸・塩基④大多和 正樹
7月27日ルイス酸塩基について説明することができる。第4回から第7回までの内容の総合問題演習も行う。
8脱離基長光 亨
7月31日脱離基及び脱離能について説明できる。
9求核試薬長光 亨
8月3日求核性について説明できる。
10ハロゲン化アルキルの求核置換反応①長光 亨
8月7日SN2 反応を理解し、説明することができる。
11ハロゲン化アルキルの求核置換反応②長光 亨
8月10日SN2 反応を理解し、説明することができる。
12ハロゲン化アルキルの求核置換反応③長光 亨
8月14日SN1 反応を理解し、説明することができる。
13ハロゲン化アルキルの脱離反応①②長光 亨
8月17日E2 反応を理解し、説明することができる。
E1 反応を理解し、説明することができる。第8回から第14回までの内容の総合問題演習も行う。
No. 1
講義項目
命名法①
担当者
有馬 志保
開講日
2020-06-19
到達目標・学習方法・内容
アルカンをIUPAC の規則に従って命名することができる。
SBO
C3111代表的な化合物をIUPAC規則に基づいて命名することができる。
C3112薬学領域で用いられる代表的な化合物を慣用名で記述できる。
C3211アルカンの基本的な性質について説明できる。
C3212アルカンの構造異性体を図示することができる。
C3311代表的な官能基を列挙し、性質を説明できる。
No. 2
講義項目
命名法② 立体配座①
担当者
有馬 志保
開講日
2020-06-22
到達目標・学習方法・内容
アルケン及びアルキンをIUPAC の規則に従って命名することができる。
分子模型を使って、分子の三次元構造(混成軌道)を確認する。エタン及びブタンの立体配座を理解し、説明することができる。
SBO
C3111代表的な化合物をIUPAC規則に基づいて命名することができる。
C3112薬学領域で用いられる代表的な化合物を慣用名で記述できる。
C3128エタン、ブタンの立体配座とその安定性について説明できる。
C3211アルカンの基本的な性質について説明できる。
No. 3
講義項目
立体配座②
担当者
有馬 志保
開講日
2020-06-26
到達目標・学習方法・内容
分子模型を使って、シクロヘキサンの立体配座を理解し、説明することができる。
SBO
C3213シクロアルカンの環のひずみを決定する要因について説明できる。
C3214シクロヘキサンのいす形配座における水素の結合方向(アキシアル、エクアトリアル)を図示できる。
C3215置換シクロヘキサンの安定な立体配座を決定する要因について説明できる。
No. 4
講義項目
酸・塩基①
担当者
大多和 正樹
開講日
2020-07-17
到達目標・学習方法・内容
曲がった矢印ついて理解し、説明することができる。
SBO
C1113共役や共鳴の概念を説明できる。
C2211酸・塩基平衡の概念について説明できる。
C2212pHおよび解離定数について説明できる。
C3114有機化合物の性質と共鳴の関係について説明できる。
C3115ルイス酸・塩基、ブレンステッド酸・塩基を定義することができる。
C3119基本的な有機反応機構を、電子の動きを示す矢印を用いて表すことができる。
No. 5
講義項目
酸・塩基②
担当者
大多和 正樹
開講日
2020-07-20
到達目標・学習方法・内容
ブレンステッド・ローリーの酸塩基を理解し、説明することができる。
SBO
C1113共役や共鳴の概念を説明できる。
C2211酸・塩基平衡の概念について説明できる。
C2212pHおよび解離定数について説明できる。
C3114有機化合物の性質と共鳴の関係について説明できる。
C3115ルイス酸・塩基、ブレンステッド酸・塩基を定義することができる。
C3119基本的な有機反応機構を、電子の動きを示す矢印を用いて表すことができる。
No. 6
講義項目
酸・塩基③
担当者
大多和 正樹
開講日
2020-07-24
到達目標・学習方法・内容
酸の強さと pKa を理解し、説明することができる。
SBO
C1113共役や共鳴の概念を説明できる。
C2211酸・塩基平衡の概念について説明できる。
C2212pHおよび解離定数について説明できる。
C3114有機化合物の性質と共鳴の関係について説明できる。
C3115ルイス酸・塩基、ブレンステッド酸・塩基を定義することができる。
C3119基本的な有機反応機構を、電子の動きを示す矢印を用いて表すことができる。
No. 7
講義項目
酸・塩基④
担当者
大多和 正樹
開講日
2020-07-27
到達目標・学習方法・内容
ルイス酸塩基について説明することができる。第4回から第7回までの内容の総合問題演習も行う。
SBO
C1113共役や共鳴の概念を説明できる。
C2211酸・塩基平衡の概念について説明できる。
C2212pHおよび解離定数について説明できる。
C3114有機化合物の性質と共鳴の関係について説明できる。
C3115ルイス酸・塩基、ブレンステッド酸・塩基を定義することができる。
C3119基本的な有機反応機構を、電子の動きを示す矢印を用いて表すことができる。
No. 8
講義項目
脱離基
担当者
長光 亨
開講日
2020-07-31
到達目標・学習方法・内容
脱離基及び脱離能について説明できる。
SBO
C3114有機化合物の性質と共鳴の関係について説明できる。
C3114有機化合物の性質と共鳴の関係について説明できる。
C3116基本的な有機反応(置換、付加、脱離)の特徴を理解し、分類できる。
C3119基本的な有機反応機構を、電子の動きを示す矢印を用いて表すことができる。
C3321有機ハロゲン化合物の基本的な性質と反応を列挙し、説明できる。
C3322求核置換反応の特徴について説明できる。
C3323脱離反応の特徴について説明できる。
No. 9
講義項目
求核試薬
担当者
長光 亨
開講日
2020-08-03
到達目標・学習方法・内容
求核性について説明できる。
SBO
C3114有機化合物の性質と共鳴の関係について説明できる。
C3114有機化合物の性質と共鳴の関係について説明できる。
C3116基本的な有機反応(置換、付加、脱離)の特徴を理解し、分類できる。
C3119基本的な有機反応機構を、電子の動きを示す矢印を用いて表すことができる。
C3321有機ハロゲン化合物の基本的な性質と反応を列挙し、説明できる。
C3322求核置換反応の特徴について説明できる。
C3323脱離反応の特徴について説明できる。
No. 10
講義項目
ハロゲン化アルキルの求核置換反応①
担当者
長光 亨
開講日
2020-08-07
到達目標・学習方法・内容
SN2 反応を理解し、説明することができる。
SBO
C1113共役や共鳴の概念を説明できる。
C1311反応次数と速度定数について説明できる。
C3114有機化合物の性質と共鳴の関係について説明できる。
C3116基本的な有機反応(置換、付加、脱離)の特徴を理解し、分類できる。
C3117炭素原子を含む反応中間体(カルボカチオン、カルボアニオン、ラジカル)の構造と性質を説明できる。
C3118反応の過程を、エネルギー図を用いて説明できる。
C3119基本的な有機反応機構を、電子の動きを示す矢印を用いて表すことができる。
C3321有機ハロゲン化合物の基本的な性質と反応を列挙し、説明できる。
C3322求核置換反応の特徴について説明できる。
C3323脱離反応の特徴について説明できる。
No. 11
講義項目
ハロゲン化アルキルの求核置換反応②
担当者
長光 亨
開講日
2020-08-10
到達目標・学習方法・内容
SN2 反応を理解し、説明することができる。
SBO
C1113共役や共鳴の概念を説明できる。
C1226エンタルピーについて説明できる。
C1227化学変化に伴うエンタルピー変化について説明できる。
C1231エントロピーについて説明できる。
C1234ギブズエネルギーについて説明できる。
C1242ギブズエネルギーと平衡定数の関係を説明できる。
C1311反応次数と速度定数について説明できる。
C3114有機化合物の性質と共鳴の関係について説明できる。
C3116基本的な有機反応(置換、付加、脱離)の特徴を理解し、分類できる。
C3117炭素原子を含む反応中間体(カルボカチオン、カルボアニオン、ラジカル)の構造と性質を説明できる。
C3118反応の過程を、エネルギー図を用いて説明できる。
C3119基本的な有機反応機構を、電子の動きを示す矢印を用いて表すことができる。
C3321有機ハロゲン化合物の基本的な性質と反応を列挙し、説明できる。
C3322求核置換反応の特徴について説明できる。
C3323脱離反応の特徴について説明できる。
No. 12
講義項目
ハロゲン化アルキルの求核置換反応③
担当者
長光 亨
開講日
2020-08-14
到達目標・学習方法・内容
SN1 反応を理解し、説明することができる。
SBO
C1113共役や共鳴の概念を説明できる。
C1311反応次数と速度定数について説明できる。
C3114有機化合物の性質と共鳴の関係について説明できる。
C3116基本的な有機反応(置換、付加、脱離)の特徴を理解し、分類できる。
C3117炭素原子を含む反応中間体(カルボカチオン、カルボアニオン、ラジカル)の構造と性質を説明できる。
C3118反応の過程を、エネルギー図を用いて説明できる。
C3119基本的な有機反応機構を、電子の動きを示す矢印を用いて表すことができる。
C3321有機ハロゲン化合物の基本的な性質と反応を列挙し、説明できる。
C3322求核置換反応の特徴について説明できる。
C3323脱離反応の特徴について説明できる。
No. 13
講義項目
ハロゲン化アルキルの脱離反応①②
担当者
長光 亨
開講日
2020-08-17
到達目標・学習方法・内容
E2 反応を理解し、説明することができる。
E1 反応を理解し、説明することができる。第8回から第14回までの内容の総合問題演習も行う。
SBO
C1113共役や共鳴の概念を説明できる。
C1311反応次数と速度定数について説明できる。
C3114有機化合物の性質と共鳴の関係について説明できる。
C3116基本的な有機反応(置換、付加、脱離)の特徴を理解し、分類できる。
C3117炭素原子を含む反応中間体(カルボカチオン、カルボアニオン、ラジカル)の構造と性質を説明できる。
C3118反応の過程を、エネルギー図を用いて説明できる。
C3119基本的な有機反応機構を、電子の動きを示す矢印を用いて表すことができる。
C3321有機ハロゲン化合物の基本的な性質と反応を列挙し、説明できる。
C3322求核置換反応の特徴について説明できる。
C3323脱離反応の特徴について説明できる。

評価方法

定期試験定期試験(90%)
授業課題(10%)
その他適宜講義内で演習問題を解いてもらう。その際、友人らとディスカッションしながら解答を導き出すこと。
不定期ではあるが、課題も課すので、定められた日時までに提出すること。
学生からの講義内容の質問、演習問題及び課題については、適宜講義内で解説をする。
理由なき欠席及び遅刻は減点する。

学生へのメッセージ

大学の有機化学系の講義では、数多くの反応を通じて、様々な化合物の反応性(物理化学的な性質)を学んでいくことになります。数多くの反応を理解するためには、丸暗記だけでは対処しきれません。ぜひ、なぜそのような結果を与えたのか、すなわち、「理由」も合わせて覚えてください。その「理由」に相当するのが、「反応機構」です。今後皆さんが学ぶ反応が数多くあっても、実は反応機構は(一部)そっくりという反応は多いのです。反応機構をしっかりおさえておけば、反応に関して覚える量も減り、それぞれの理解も非常に深まるはずです。ぜひ試してみてください。

準備学習(予習・復習)・その他

1【授業時間外に必要な学習の時間:30時間】
2① 毎回ソロモンの新有機化学 I の該当する範囲を予習してから講義に臨むこと。
② 配布する資料も熟読し、講義に出席すること。
③ 毎回講義内容についてしっかり復習をすること(配布資料、ノート等を見直すこと。演習問題を繰り返し解いてみること)。
④ 講義の初回に質問専用のメールアドレスを知らせるので、分からない点については積極的に質問して理解すること。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書ソロモンの新有機化学(Ⅰ、Ⅱ)花房昭静、池田正澄、上西潤一 監訳廣川書店
教科書配布資料  
教科書分子模型セット 
参考書スミス基礎有機化学 上Janice Gorzynski Smith 著、山本尚 監訳化学同人
参考書有機化学 (ベーシック薬学教科書シリーズ 5)夏苅 英昭、高橋 秀依 (著、編集)化学同人
教科書
署名
ソロモンの新有機化学(Ⅰ、Ⅱ)
著者・編者
花房昭静、池田正澄、上西潤一 監訳
発行所
廣川書店
教科書
署名
配布資料
著者・編者
 
発行所
 
教科書
署名
分子模型セット
著者・編者
発行所
 
参考書
署名
スミス基礎有機化学 上
著者・編者
Janice Gorzynski Smith 著、山本尚 監訳
発行所
化学同人
参考書
署名
有機化学 (ベーシック薬学教科書シリーズ 5)
著者・編者
夏苅 英昭、高橋 秀依 (著、編集)
発行所
化学同人