Web Syllabus(講義概要)
トップへ戻る 前のページへ戻る
科目名:チーム医療論
英文名:Interprofessional Health Care
科目概要:薬・創薬, 1年, 後期, 必修・選択, 1単位
A, B, C, D, S, 月曜日5時限
科目責任者:学長またはチーム医療担当副学長
担当者:学長またはチーム医療担当副学長, 厚田 幸一郎 (薬物治療学Ⅰ・教授 ※), 有田 悦子 (医療心理学部門・教授※), 田ヶ谷 浩邦 (医療衛生学部※), 五味 勉 (医療衛生学部※), 松永 篤彦 (医療衛生学部※), 吉田 一成 (医学部※), 渋谷 明隆 (※), 齋藤 有紀子 (医学部・准教授), 渡邉 達也 (医学部※), 岩村 正嗣 (北里大学病院※), 渡邊 昌彦 (北里研究所病院※), 坂東 由紀 (北里大学メディカルセンター ※), 伊勢田 明子 (※), 油谷 和子 (※), 守屋 達美 (健康管理センター※)
備考:実務経験のある教員による授業科目(担当者に付されている※印は実務経験のある教員を表す)
〔科目ナンバリング:PP301-CP01, PL301-CP01〕

授業の目的

近年の生命科学、医学の進展に伴って医療は急速に高度化・細分化している。また、疾病構造や人口構造も大きく変ってきており、医療は複数の医療専門職の知を結集して行わなければその実施は困難である。さらに、医療に対する社会のニーズも大きく変化してきており、単に病気を治すばかりでなく、どのように診断・治療が行われるかというプロセス、倫理的、心理的、社会的な側面も含めた対応が必要になる等、医療の質が大きく問われている。このように、患者を中心にした最適な医療を実践するためには、多種類の医療専門職の協働(チーム医療)が不可欠であり、そのための優れた人材の育成が急務である。
北里大学では、医療系の4学部と2専門学校を擁し、15に及ぶ医療専門職を育成する教育を展開している。また、大学附属の3つの病院と連携した臨床教育も大きな特徴となっている。このような環境のもとに、本講義では、チーム医療の構成員として自身の専門性を活かし積極的に医療に参画し、より安全で質の高い医療を実践できるように、医療の流れ、医療チーム構成員とその職能・役割、医療倫理をはじめとしてチーム医療に関する基本的知識を修得する。
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の薬学科①②③④、生命創薬科学科①②③④に関連する。

教育内容

日本の医療システム概要(保健福祉システムとの関連)、専門職種の理解(医療関連職種の職能、役割等)、疾患と医療チーム(医療現場で形成される医療チームとその構成員の連係プレーの具体例)、クリティカルパス、医療倫理、コミュニケーション論、先進医療におけるチーム医療の例等、チーム医療に関する共通認識を深めるための内容を講義する。

教育方法

各学部および医療現場からの教員による主にパワーポイント、プリント等を用いた講義(オムニバス方式、一部演習も含む)を実施する。参加人数が多い場合は、テレビ中継を利用して複数教室で実施する。講義終了後、質疑応答の時間を設け、教育効果に配慮する。

講義内容

No.講義項目担当者開講日到達目標・学習方法・内容SBO
1イントロダクション学長またはチーム医療担当副学長
9月14日科目概要の説明、チーム医療の必要性とその意義、北里大学の医療系学部・専門学校とチーム医療教育を紹介する。
2専門職種の理解-1松永 篤彦
9月28日理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士 の教育体系、役割、機能、権限、医療チーム内位置付けを説明する。 
3専門職種の理解-2油谷 和子
10月5日病院施設における様々な職種の役割およびそれらの職種がどのようなチームを構成し、医療の質と安全を保証しているかを解説する。
4保健・医療・福祉システム概要田ヶ谷 浩邦
10月12日我が国の保健・医療・福祉システムについて、システム・成員の連携、外国との比較等を説明する。
5専門職種の理解-3五味 勉
10月19日健康科学科の概要と教育内容、取得可能資格、医療チーム内での位置付けおよび臨床検査技師、臨床工学技士、診療放射線技師の教育体系、役割、機能、権限、医療チーム内での位置付けを説明する。
6疾患と医療チーム-1渡邊 昌彦
10月26日北里研究所病院の特徴と、特にチーム医療病院実習を説明する。
7疾患と医療チーム-2坂東 由紀
11月2日北里大学メディカルセンター(KMC)の特徴と、地域医療支援病院におけるチーム医療を説明する。(大学病院との相違等)
8疾患と医療チーム-3岩村 正嗣
11月16日北里大学病院の特徴と、チーム医療からみた北里大学病院の特徴を説明する。
9代替医療における医療チーム医療吉田 一成
11月23日腎代替医療、特に腎移植におけるチーム医療の大切さとその構成を解説する。
10医療倫理齋藤 有紀子
渡邉 達也
11月30日臨床場面において患者さんの人権を尊重するチーム医療の倫理と、そこに生じるジレンマについて考える。         
11専門職種の理解-4伊勢田 明子
12月7日医療ソーシャルワーカーの役割、機能および病院内医療チームおよび地域の保健福祉・医療チームとの連携の実際を説明する。 
12専門職種の理解-5厚田 幸一郎
12月14日薬剤師と法、6年制薬学教育の概要、医療環境の変化と薬剤師、チーム医療における薬剤師の仕事、薬剤師としての医療への貢献等を説明する。  
13医療安全渋谷 明隆
12月21日医療におけるリスクマネジメントを説明する。
14チーム医療における
コミュニケーション
有田 悦子
1月4日専門職間のコミュニケーション、患者とのコミュニケーション、患者の心理、言語・非言語コミュニケーション等を説明する。
15チーム医療の科学的・客観的検証守屋 達美
1月18日糖尿病性腎症におけるチーム医療を例に挙げて、チーム医療の科学的・客観的検証の必要性を解説する。
No. 1
講義項目
イントロダクション
担当者
学長またはチーム医療担当副学長
開講日
2020-09-14
到達目標・学習方法・内容
科目概要の説明、チーム医療の必要性とその意義、北里大学の医療系学部・専門学校とチーム医療教育を紹介する。
SBO
A401保健、医療、福祉、介護における多職種連携協働及びチーム医療の意義について説明できる。
A402多職種連携協働に関わる薬剤師、各職種及び行政の役割について説明できる。
A403チーム医療に関わる薬剤師、各職種、患者・家族の役割について説明できる。
A404自己の能力の限界を認識し、状況に応じて他者に協力・支援を求める。
A405チームワークと情報共有の重要性を理解し、チームの一員としての役割を積極的に果たすように努める。
No. 2
講義項目
専門職種の理解-1
担当者
松永 篤彦
開講日
2020-09-28
到達目標・学習方法・内容
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士 の教育体系、役割、機能、権限、医療チーム内位置付けを説明する。 
SBO
A401保健、医療、福祉、介護における多職種連携協働及びチーム医療の意義について説明できる。
A402多職種連携協働に関わる薬剤師、各職種及び行政の役割について説明できる。
No. 3
講義項目
専門職種の理解-2
担当者
油谷 和子
開講日
2020-10-05
到達目標・学習方法・内容
病院施設における様々な職種の役割およびそれらの職種がどのようなチームを構成し、医療の質と安全を保証しているかを解説する。
SBO
A401保健、医療、福祉、介護における多職種連携協働及びチーム医療の意義について説明できる。
A402多職種連携協働に関わる薬剤師、各職種及び行政の役割について説明できる。
No. 4
講義項目
保健・医療・福祉システム概要
担当者
田ヶ谷 浩邦
開講日
2020-10-12
到達目標・学習方法・内容
我が国の保健・医療・福祉システムについて、システム・成員の連携、外国との比較等を説明する。
SBO
A401保健、医療、福祉、介護における多職種連携協働及びチーム医療の意義について説明できる。
A402多職種連携協働に関わる薬剤師、各職種及び行政の役割について説明できる。
No. 5
講義項目
専門職種の理解-3
担当者
五味 勉
開講日
2020-10-19
到達目標・学習方法・内容
健康科学科の概要と教育内容、取得可能資格、医療チーム内での位置付けおよび臨床検査技師、臨床工学技士、診療放射線技師の教育体系、役割、機能、権限、医療チーム内での位置付けを説明する。
SBO
A401保健、医療、福祉、介護における多職種連携協働及びチーム医療の意義について説明できる。
A402多職種連携協働に関わる薬剤師、各職種及び行政の役割について説明できる。
No. 6
講義項目
疾患と医療チーム-1
担当者
渡邊 昌彦
開講日
2020-10-26
到達目標・学習方法・内容
北里研究所病院の特徴と、特にチーム医療病院実習を説明する。
SBO
A401保健、医療、福祉、介護における多職種連携協働及びチーム医療の意義について説明できる。
A402多職種連携協働に関わる薬剤師、各職種及び行政の役割について説明できる。
No. 7
講義項目
疾患と医療チーム-2
担当者
坂東 由紀
開講日
2020-11-02
到達目標・学習方法・内容
北里大学メディカルセンター(KMC)の特徴と、地域医療支援病院におけるチーム医療を説明する。(大学病院との相違等)
SBO
A401保健、医療、福祉、介護における多職種連携協働及びチーム医療の意義について説明できる。
A402多職種連携協働に関わる薬剤師、各職種及び行政の役割について説明できる。
No. 8
講義項目
疾患と医療チーム-3
担当者
岩村 正嗣
開講日
2020-11-16
到達目標・学習方法・内容
北里大学病院の特徴と、チーム医療からみた北里大学病院の特徴を説明する。
SBO
A401保健、医療、福祉、介護における多職種連携協働及びチーム医療の意義について説明できる。
A402多職種連携協働に関わる薬剤師、各職種及び行政の役割について説明できる。
No. 9
講義項目
代替医療における医療チーム医療
担当者
吉田 一成
開講日
2020-11-23
到達目標・学習方法・内容
腎代替医療、特に腎移植におけるチーム医療の大切さとその構成を解説する。
SBO
A401保健、医療、福祉、介護における多職種連携協働及びチーム医療の意義について説明できる。
A402多職種連携協働に関わる薬剤師、各職種及び行政の役割について説明できる。
No. 10
講義項目
医療倫理
担当者
齋藤 有紀子
渡邉 達也
開講日
2020-11-30
到達目標・学習方法・内容
臨床場面において患者さんの人権を尊重するチーム医療の倫理と、そこに生じるジレンマについて考える。         
SBO
A401保健、医療、福祉、介護における多職種連携協働及びチーム医療の意義について説明できる。
A402多職種連携協働に関わる薬剤師、各職種及び行政の役割について説明できる。
No. 11
講義項目
専門職種の理解-4
担当者
伊勢田 明子
開講日
2020-12-07
到達目標・学習方法・内容
医療ソーシャルワーカーの役割、機能および病院内医療チームおよび地域の保健福祉・医療チームとの連携の実際を説明する。 
SBO
A401保健、医療、福祉、介護における多職種連携協働及びチーム医療の意義について説明できる。
A402多職種連携協働に関わる薬剤師、各職種及び行政の役割について説明できる。
No. 12
講義項目
専門職種の理解-5
担当者
厚田 幸一郎
開講日
2020-12-14
到達目標・学習方法・内容
薬剤師と法、6年制薬学教育の概要、医療環境の変化と薬剤師、チーム医療における薬剤師の仕事、薬剤師としての医療への貢献等を説明する。  
SBO
A401保健、医療、福祉、介護における多職種連携協働及びチーム医療の意義について説明できる。
A402多職種連携協働に関わる薬剤師、各職種及び行政の役割について説明できる。
No. 13
講義項目
医療安全
担当者
渋谷 明隆
開講日
2020-12-21
到達目標・学習方法・内容
医療におけるリスクマネジメントを説明する。
SBO
A401保健、医療、福祉、介護における多職種連携協働及びチーム医療の意義について説明できる。
A402多職種連携協働に関わる薬剤師、各職種及び行政の役割について説明できる。
No. 14
講義項目
チーム医療における
コミュニケーション
担当者
有田 悦子
開講日
2021-01-04
到達目標・学習方法・内容
専門職間のコミュニケーション、患者とのコミュニケーション、患者の心理、言語・非言語コミュニケーション等を説明する。
SBO
A311意思、情報の伝達に必要な要素について説明できる。
A312言語的及び非言語的コミュニケーションについて説明できる。
A313相手の立場、文化、習慣等によって、コミュニケーションの在り方が異なることを例を挙げて説明できる。
A314対人関係に影響を及ぼす心理的要因について概説できる。
A319他者の意見を尊重し、協力してよりよい解決法を見出すことができる。
A401保健、医療、福祉、介護における多職種連携協働及びチーム医療の意義について説明できる。
A402多職種連携協働に関わる薬剤師、各職種及び行政の役割について説明できる。
No. 15
講義項目
チーム医療の科学的・客観的検証
担当者
守屋 達美
開講日
2021-01-18
到達目標・学習方法・内容
糖尿病性腎症におけるチーム医療を例に挙げて、チーム医療の科学的・客観的検証の必要性を解説する。
SBO
A401保健、医療、福祉、介護における多職種連携協働及びチーム医療の意義について説明できる。
A402多職種連携協働に関わる薬剤師、各職種及び行政の役割について説明できる。

評価方法

定期試験 
授業 
その他毎回の講義レポートを総合的に評価する。なお、欠席は減点をする。

学生へのメッセージ

チーム医療の必要性や意義を理解し、医療の場におけるチームワークが医療の質と安全性の向上、患者のQOLの向上に大きく貢献することを認識してほしい。本学のチーム医療教育プログラムは、15にも及ぶ医療専門職の教育を行っている大学ならではの特色ある教育プログラムであり、本講義で学んだ基礎知識とチーム医療に関する認識を、高学年で行う「オール北里チーム医療演習」、「チーム医療病院実習」「国際チーム医療演習」等で存分に発揮して、社会に出てからの糧としていただきたい。

準備学習(予習・復習)・その他

1【授業時間外に必要な学習時間:15時間】
2前回の講義内容の復習、とくにキーワードについて整理しておくこと。
3【実務経験のある教員による授業科目】(※印の付された担当者)
【吉田一成】  病院での臨床経験を踏まえ、腎臓移植手術および診療などに携わるスタッフの役割や移植医療におけるチームの広がりなどを概説する。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書(なし)
参考書『実践 チーム医療論』 インタープロフェッショナル・ヘルスケア―実際と教育プログラム水本清久、他 編著医歯薬出版
参考書IPW を学ぶ埼玉県立大学 編中央法規
教科書
署名
(なし)
著者・編者
発行所
参考書
署名
『実践 チーム医療論』 インタープロフェッショナル・ヘルスケア―実際と教育プログラム
著者・編者
水本清久、他 編著
発行所
医歯薬出版
参考書
署名
IPW を学ぶ
著者・編者
埼玉県立大学 編
発行所
中央法規