Web Syllabus(講義概要)
トップへ戻る 前のページへ戻る
科目名:基礎有機化学演習
英文名:Practice in Basic Organic Chemistry
科目概要:薬・創薬, 1年, 後期, 自由, 1単位
A, B, C, D, S, 水曜日4時限
科目責任者:西野 貴司 (学習支援室・准教授)
担当者:西野 貴司 (学習支援室・准教授)
備考:〔科目ナンバリング:PP402-CH01, PL402-CH01〕

授業の目的

薬の多くは有機化合物であることから、創薬に携わる人はもちろん、医療現場で働く薬剤師も薬の化学構造式を読めることは、医薬品を化学的に理解するためにとても重要である。本演習では、有機化学の面白さを知り、有機化学の基本の「き」を理解し、薬学部で学ぶ有機化学に必要な考え方や知識を修得する。
この科目は学位記授与方針(ディプロマ・ポリシー)の薬学科①、生命創薬科学科①に関連する。

教育内容

前期科目の化学および基礎有機化学の講義内容に関して、演習形式で実施する。主にルイスの電子構造、混成軌道、共鳴構造、官能基の性質、ハロゲン化アルキルの求核置換反応および脱離反応を主に行うが、曲がった矢印を用いて電子対を動かせることに重点を多く。ルイス構造、混成軌道、共鳴構造を理解、自分で書けるようになると、官能基の性質や反応機構を予想できるようになることを説明する。

教育方法

各項目について要点を配布資料とパワーポイントを用いて説明したのち、問題演習を行い、その解説を板書する。
授業中に実施した内容に関する課題を宿題とする。また、課題項目の理解度を知るために授業開始時に確認クイズを実施する。課題および確認クイズの解答および解説はプリントして配布するが、要点については板書でも解説する。少人数制なので、質問は常時(授業中および終了後)受け付ける(メール対応可)。

講義内容

No.講義項目担当者開講日到達目標・学習方法・内容SBO
1原子の電子配置とルイス構造式(分子の形)西野 貴司
9月9日電子配置について理解し、オクテット則に基づき、基本的な化合物を、ルイス構造式で書くことができる。
2分子の形と混成軌道1西野 貴司
9月16日メタン、エテン、エチンの構造を混成軌道(sp3、sp2、 sp)に基づき説明できる。また、無機化合物のボラン、二酸化炭素、アンモニア、水の構造を混成軌道(sp3、sp2、sp)に基づき説明できる。
3共鳴 カーブした矢印の使い方1西野 貴司
9月30日カーブした矢印をつかって電子対の動きを学び、共鳴構造式を書くことができる。共鳴の概念を説明できる。
4共鳴 カーブした矢印の使い方2
西野 貴司
10月7日カーブした矢印をつかって電子対の動きを学び、共鳴構造式を書くことができる。共鳴の概念を説明できる。
5共鳴 カーブした矢印の使い方3
官能基の性質1
西野 貴司
10月14日カーブした矢印をつかって電子対の動きを学び、共鳴構造式を書くことができる。共鳴の概念を説明できる。
電子供与性及び電子求引性について、電気陰性度、誘起効果、共鳴効果より説明できる。
6官能基の性質 2西野 貴司
10月21日電子供与性及び電子求引性について、電気陰性度、誘起効果、共鳴効果より説明できる。
7酸性度・塩基性度1西野 貴司
10月28日アルコール、フェノール、カルボン酸、炭素酸などの酸性度を比較して説明できる。
8酸性度・塩基性度2西野 貴司
11月4日含窒素化合物の塩基性度を比較して説明できる。
9反応形式(結合の切断と生成)西野 貴司
11月11日電子の動きを理解することで基本的な有機反応(置換、付加、脱離)と酸塩基反応をを説明できる。
10反応形式(求核置換反応と脱離反応1)西野 貴司
11月18日有機ハロゲン化合物の反応、求核置換反応と脱離反応の特徴を説明できる。
11反応形式(求核置換反応と脱離反応2)西野 貴司
11月25日有機ハロゲン化合物の反応、求核置換反応と脱離反応の特徴を説明できる。
12反応形式(求核置換反応と脱離反応3)西野 貴司
12月2日有機ハロゲン化合物の反応、求核置換反応と脱離反応の特徴を説明できる。
13反応形式(アルケンへの求電子付加反応)西野 貴司
12月9日アルケンへの代表的な求電子付加反応の特徴を説明できる。
14総合西野 貴司
1月6日13回目までのまとめとして確認テストを実施する。有機化学の基本的な考え方を説明できる。
No. 1
講義項目
原子の電子配置とルイス構造式(分子の形)
担当者
西野 貴司
開講日
2020-09-09
到達目標・学習方法・内容
電子配置について理解し、オクテット則に基づき、基本的な化合物を、ルイス構造式で書くことができる。
SBO
C3113基本的な化合物を、ルイス構造式で書くことができる。
No. 2
講義項目
分子の形と混成軌道1
担当者
西野 貴司
開講日
2020-09-16
到達目標・学習方法・内容
メタン、エテン、エチンの構造を混成軌道(sp3、sp2、 sp)に基づき説明できる。また、無機化合物のボラン、二酸化炭素、アンモニア、水の構造を混成軌道(sp3、sp2、sp)に基づき説明できる。
SBO
C1111化学結合の様式について説明できる。
C1112分子軌道の基本概念および軌道の混成について説明できる。
No. 3
講義項目
共鳴 カーブした矢印の使い方1
担当者
西野 貴司
開講日
2020-09-30
到達目標・学習方法・内容
カーブした矢印をつかって電子対の動きを学び、共鳴構造式を書くことができる。共鳴の概念を説明できる。
SBO
C3114有機化合物の性質と共鳴の関係について説明できる。
No. 4
講義項目
共鳴 カーブした矢印の使い方2
担当者
西野 貴司
開講日
2020-10-07
到達目標・学習方法・内容
カーブした矢印をつかって電子対の動きを学び、共鳴構造式を書くことができる。共鳴の概念を説明できる。
SBO
C3114有機化合物の性質と共鳴の関係について説明できる。
No. 5
講義項目
共鳴 カーブした矢印の使い方3
官能基の性質1
担当者
西野 貴司
開講日
2020-10-14
到達目標・学習方法・内容
カーブした矢印をつかって電子対の動きを学び、共鳴構造式を書くことができる。共鳴の概念を説明できる。
電子供与性及び電子求引性について、電気陰性度、誘起効果、共鳴効果より説明できる。
SBO
C3114有機化合物の性質と共鳴の関係について説明できる。
C3311代表的な官能基を列挙し、性質を説明できる。
C3361官能基が及ぼす電子効果について概説できる。
No. 6
講義項目
官能基の性質 2
担当者
西野 貴司
開講日
2020-10-21
到達目標・学習方法・内容
電子供与性及び電子求引性について、電気陰性度、誘起効果、共鳴効果より説明できる。
SBO
C3311代表的な官能基を列挙し、性質を説明できる。
C3361官能基が及ぼす電子効果について概説できる。
No. 7
講義項目
酸性度・塩基性度1
担当者
西野 貴司
開講日
2020-10-28
到達目標・学習方法・内容
アルコール、フェノール、カルボン酸、炭素酸などの酸性度を比較して説明できる。
SBO
C3361官能基が及ぼす電子効果について概説できる。
C3371アルコール、フェノール、カルボン酸、炭素酸などの酸性度を比較して説明できる。
No. 8
講義項目
酸性度・塩基性度2
担当者
西野 貴司
開講日
2020-11-04
到達目標・学習方法・内容
含窒素化合物の塩基性度を比較して説明できる。
SBO
C3361官能基が及ぼす電子効果について概説できる。
C3372含窒素化合物の塩基性度を比較して説明できる。
No. 9
講義項目
反応形式(結合の切断と生成)
担当者
西野 貴司
開講日
2020-11-11
到達目標・学習方法・内容
電子の動きを理解することで基本的な有機反応(置換、付加、脱離)と酸塩基反応をを説明できる。
SBO
C3119基本的な有機反応機構を、電子の動きを示す矢印を用いて表すことができる。
No. 10
講義項目
反応形式(求核置換反応と脱離反応1)
担当者
西野 貴司
開講日
2020-11-18
到達目標・学習方法・内容
有機ハロゲン化合物の反応、求核置換反応と脱離反応の特徴を説明できる。
SBO
C3119基本的な有機反応機構を、電子の動きを示す矢印を用いて表すことができる。
C3322求核置換反応の特徴について説明できる。
C3323脱離反応の特徴について説明できる。
No. 11
講義項目
反応形式(求核置換反応と脱離反応2)
担当者
西野 貴司
開講日
2020-11-25
到達目標・学習方法・内容
有機ハロゲン化合物の反応、求核置換反応と脱離反応の特徴を説明できる。
SBO
C3119基本的な有機反応機構を、電子の動きを示す矢印を用いて表すことができる。
C3322求核置換反応の特徴について説明できる。
C3323脱離反応の特徴について説明できる。
No. 12
講義項目
反応形式(求核置換反応と脱離反応3)
担当者
西野 貴司
開講日
2020-12-02
到達目標・学習方法・内容
有機ハロゲン化合物の反応、求核置換反応と脱離反応の特徴を説明できる。
SBO
C3119基本的な有機反応機構を、電子の動きを示す矢印を用いて表すことができる。
C3322求核置換反応の特徴について説明できる。
C3323脱離反応の特徴について説明できる。
No. 13
講義項目
反応形式(アルケンへの求電子付加反応)
担当者
西野 貴司
開講日
2020-12-09
到達目標・学習方法・内容
アルケンへの代表的な求電子付加反応の特徴を説明できる。
SBO
C3221アルケンへの代表的な付加反応を列挙し、その特徴を説明できる。
No. 14
講義項目
総合
担当者
西野 貴司
開講日
2021-01-06
到達目標・学習方法・内容
13回目までのまとめとして確認テストを実施する。有機化学の基本的な考え方を説明できる。
SBO
該当なし

評価方法

定期試験定期試験は実施しない
授業授業回数14回
その他授業中の学習態度・演習への取組み(45%)、課題の実施状況(40%)、毎回の授業開始時に実施するクイズ及びまとめ確認テストの結果(15%)により評価する。

学生へのメッセージ

有機化学は多くの化合物や反応について学ぶため、覚えなければならないことが多く、暗記の学問と捉えがちですが、化合物の成り立ちや反応の仕組みを理解すれば、理論教科です。ただし、講義を聴いているだけで修得するのは難しく、自分の手を動かし問題を解くことが重要です。本演習は少人数制で展開し、前期科目「化学」と「基礎有機化学」の内容の演習問題を解きながらゆっくり解説していきます。上級学年で学ぶ高度な内容を理解するために、有機化学が苦手な人、これまで暗記で対応していた人は積極的に参加してください。

準備学習(予習・復習)・その他

1【授業時間外に必要な学習の時間:30時間】
2授業内容に該当する範囲を、ソロモンの新有機化学 I を読んで予習しておくこと。毎回、授業最初に前回の授業内容に関するクイズを実施するので、課題の演習問題を解き復習しておくこと。
3少人数(最大50名)制で演習形式により実施します。希望者が多い場合は、有機化学が苦手な人を優先しますが、面談により決定します。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書ソロモンの新有機化学 I(第11版)ソロモン著
池田正澄、上西潤一、奥山格、西出喜代治、花房昭静 監訳
廣川書店
教科書配布資料
参考書「有機化学」ワークブック〜巻矢印をつかって反応機構が書ける!奥山格丸善出版
参考書基礎有機化学問題集廣田耕作、片岡貞、西出喜代治 編廣川書店
教科書
署名
ソロモンの新有機化学 I(第11版)
著者・編者
ソロモン著
池田正澄、上西潤一、奥山格、西出喜代治、花房昭静 監訳
発行所
廣川書店
教科書
署名
配布資料
著者・編者
発行所
参考書
署名
「有機化学」ワークブック〜巻矢印をつかって反応機構が書ける!
著者・編者
奥山格
発行所
丸善出版
参考書
署名
基礎有機化学問題集
著者・編者
廣田耕作、片岡貞、西出喜代治 編
発行所
廣川書店