科目名 | : | 医薬品安全性学Ⅱ |
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英文名 | : | Drug Safety Sciences and Medicinal Toxicology Ⅱ |
科目概要 | : | 薬・創薬, 4年, 後期, 必修・選択, 1単位 A, B, C, D, S, 金曜日2時限, 2301大講義室 3202講義室 |
科目責任者 | : | 熊谷 剛 (臨床薬学研究部門・講師) |
担当者 | : | 熊谷 剛(臨床薬学研究部門・講師)、菅原 充広※(薬物治療学Ⅳ・准教授)、友田 吉則※(薬物動態学・助教)、春日井 公美※(薬物治療学Ⅰ・助教)、東山 倫子※(薬物治療学Ⅰ・助教)、近藤 留美子※(非常勤教員) |
備考 | : | NR・サプリメントアドバイザー養成講座対応科目 実務経験のある教員による授業科目(担当者に付されている※印は実務経験のある教員を表す) 〔科目ナンバリング:PP301-CP04, PL301-CP04〕 |
将来薬剤師として副作用・中毒症例に遭遇した際、適切な予防と対策を講ずることができるようになるため、薬物による臓器別障害とその対策、代表的で重篤な副作用症例の解析方法、過量摂取による薬物中毒とその治療に関する知識を修得する。薬剤師が知っておくべき薬物有害作用について、医薬品安全性学I で修得した総論を基に、本講義では臨床での具体的な事例とその対策を学習する。
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の薬学科①④、生命創薬科学科①③に関連する。
薬剤師として、患者の薬物治療を考える時に、用いる医薬品が引き起こす恐れのある重篤な有害作用に配慮すべき注意点を講義する。
パワーポイントと配布資料を用いた講義形式ですすめる。提出物や小テストを課した場合、回収後授業中またホームページにて解説する。対面講義として実施する。
No. | 講義項目 | 担当者 | 開講日 | 到達目標・学習方法・内容 | SBO |
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1 | 医薬品の安全性と個別化医療 | 熊谷 剛 | 9月8日② | 医薬品の安全性を守る薬剤師の役割について説明できる。患者の遺伝的素因、年齢的要因(新生児、高齢者、他)、生理的要因(性差、妊娠)、臓器機能低下や合併症を考慮して、有害作用を評価して、その防止や対処する方法が提案できる。代表的な薬害事件とその社会的背景について解説できる。 【予習】事前に配布資料、参考書に目を通しておく 【復習】講義内容を踏まえて医薬品の安全性を守る薬剤師の役割について理解を深める | |
2 | 薬物による臓器別障害とその対策(1) | 友田 吉則 | 9月15日② | 薬物による血液障害 (無顆粒球症、薬剤性貧血、血小板減少症、再生不良性貧血)、代謝・内分泌障害 (高血糖、偽アルドステロン症、尿崩症、他) の特徴と対策を列挙できる。 【予習】事前に配布資料、参考書に目を通しておく 【復習】講義内容を踏まえて血液障害、代謝・内分泌障害とその対策について理解を深める | |
3 | 薬物による臓器別障害とその対策(2) | 友田 吉則 | 9月22日② | 薬物による循環器障害(心室性不整脈、うっ血性心不全)、呼吸器障害 (間質性肺炎、非ステロイド性抗炎症薬による喘息発作)、消化器障害(偽膜性大腸炎、消化性潰瘍)の特徴と対策を列挙できる。 【予習】事前に配布資料、参考書に目を通しておく 【復習】講義内容を踏まえて循環器障害、呼吸器障害、消化器障害とその対策について理解を深める | |
4 | 薬物による臓器別障害とその対策(3) | 春日井 公美 | 9月29日② | 骨・骨格筋障害(横紋筋融解症、骨粗しょう症、他)及び神経・精神障害(悪性症候群、錐体外路障害、意識障害、痙攣、他)の特徴と対策を列挙できる。 【予習】事前に配布資料、参考書に目を通しておく 【復習】講義内容を踏まえて骨・骨格筋障害、神経・精神障害とその対策について理解を深める | |
5 | 薬物による臓器別障害とその対策(4) | 東山 倫子 | 10月6日② | 皮膚・粘膜・感覚器障害(中毒性表皮壊死症、Stevens-Johnson症候群、口内炎、味覚・聴覚・視覚・嗅覚障害、他)の特徴と対策を列挙できる。 【予習】事前に配布資料、参考書に目を通しておく 【復習】講義内容を踏まえて皮膚・粘膜・感覚器障害とその対策について理解を深める | |
6 | 休講 | 10月13日 | |||
7 | 薬物による臓器別障害とその対策(5) | 菅原 充広 | 10月20日② | 注意すべき臓器別障害の分類とその対策、肝障害及び腎障害を引き起こす薬物、機序、症状、検査値の異常及び対策について説明できる。 【予習】事前に配布資料、参考書に目を通しておく 【復習】講義内容を踏まえて肝障害及び腎障害を引き起こす薬物とその対策について理解を深める | |
8 | 特に注意すべき薬物群の副作用 | 菅原 充広 | 11月10日② | 抗生物質・化学療法剤に特徴的な副作用と対策を説明できる。抗癌剤に特徴的な副作用と対策、細胞毒性を有する医薬品の取り扱い方、二次性発癌について説明できる。 【予習】事前に配布資料、参考書に目を通しておく 【復習】講義内容を踏まえて注意すべき薬物群の副作用について理解を深める | |
9 | 救急医療と医薬品の安全性 | 近藤 留美子 | 11月17日② | 救急医療体制及び救急医療で用いられる医薬品の種類、適応、安全な使い方について説明できる。救急医療におけるその他の薬剤師の役割について説明できる。 【予習】事前に配布資料、参考書に目を通しておく 【復習】講義内容を踏まえて救急医療と医薬品の安全性について理解を深める | |
10 | 急性中毒の標準治療・解毒薬拮抗薬 | 熊谷 剛 | 11月24日② | 中毒の標準治療(消化管除染、血液浄化法、強制利尿)について説明できる。代表的な解毒薬・拮抗薬の種類、作用機序、使用方法、入手方法について説明できる。 【予習】事前に配布資料、参考書に目を通しておく 【復習】講義内容を踏まえて救急性中毒の標準治療・解毒薬拮抗薬について理解を深める | |
11 | 薬物乱用と依存性薬物 | 熊谷 剛 | 12月1日② | 薬物乱用の現状やその防止のための規制や対策、指定薬物制度、包括指定について説明できる。向精神薬・麻薬・覚醒剤、大麻、幻覚剤、合成麻薬、有機溶剤、危険ドラッグなどの代表的な依存性薬物の毒性、症状、鑑別法について説明できる。 【予習】事前に配布資料、参考書に目を通しておく 【復習】講義内容を踏まえて薬物乱用と依存性薬物について理解を深める |
A | 1 | 3 | 6 | 代表的な薬害の例(サリドマイド、スモン、非加熱血液製剤、ソリブジン等)について、その原因と社会的背景及びその後の対応を説明できる。 |
E1 | 4 | 0 | 1 | 薬物の主作用と副作用、毒性との関連について説明できる。 |
E1 | 4 | 0 | 3 | 以下の障害を呈する代表的な副作用疾患について、推定される原因医薬品、身体所見、検査所見および対処方法を説明できる。 血液障害・電解質異常、肝障害、腎障害、消化器障害、循環器障害、精神障害、皮膚障害、呼吸器障害、薬物アレルギー(ショックを含む)、代謝障害、筋障害 |
E1 | 4 | 0 | 4 | 代表的薬害、薬物乱用について、健康リスクの観点から討議する。 |
E3 | 3 | 1 | 1 | 薬物の主作用および副作用に影響する代表的な遺伝的素因について、例を挙げて説明できる。 |
E3 | 3 | 2 | 1 | 低出生体重児、新生児、乳児、幼児、小児における薬物動態と、薬物治療で注意すべき点を説明できる。 |
C7 | 1 | 14 | 1 | 血液・造血器系について概説できる。 |
E1 | 2 | 2 | 2 | 血液検査、血液凝固機能検査および脳脊髄液検査の検査項目を列挙し、目的と異常所見を説明できる。 |
E1 | 4 | 0 | 3 | 以下の障害を呈する代表的な副作用疾患について、推定される原因医薬品、身体所見、検査所見および対処方法を説明できる。 血液障害・電解質異常、肝障害、腎障害、消化器障害、循環器障害、精神障害、皮膚障害、呼吸器障害、薬物アレルギー(ショックを含む)、代謝障害、筋障害 |
E1 | 2 | 2 | 5 | 動脈血ガス分析の検査項目を列挙し、目的と異常所見を説明できる。 |
E1 | 4 | 0 | 3 | 以下の障害を呈する代表的な副作用疾患について、推定される原因医薬品、身体所見、検査所見および対処方法を説明できる。 血液障害・電解質異常、肝障害、腎障害、消化器障害、循環器障害、精神障害、皮膚障害、呼吸器障害、薬物アレルギー(ショックを含む)、代謝障害、筋障害 |
E3 | 1 | 7 | 2 | 医薬品情報にもとづいて、代表的な同種同効薬の有効性や安全性について比較・評価できる。 |
C7 | 1 | 4 | 1 | 中枢神経系について概説できる。 |
C7 | 1 | 5 | 1 | 骨、筋肉について概説できる。 |
E1 | 2 | 2 | 6 | 代表的な生理機能検査(心機能、腎機能、肝機能、呼吸機能等)、病理組織検査および画像検査の検査項目を列挙し、目的と異常所見を説明できる。 |
E1 | 4 | 0 | 3 | 以下の障害を呈する代表的な副作用疾患について、推定される原因医薬品、身体所見、検査所見および対処方法を説明できる。 血液障害・電解質異常、肝障害、腎障害、消化器障害、循環器障害、精神障害、皮膚障害、呼吸器障害、薬物アレルギー(ショックを含む)、代謝障害、筋障害 |
E3 | 3 | 5 | 1 | 個別の患者情報(遺伝的素因、年齢的要因、臓器機能など)と医薬品情報をもとに、薬物治療を計画・立案できる。 |
C7 | 1 | 13 | 1 | 感覚器系について概説できる。 |
E1 | 4 | 0 | 3 | 以下の障害を呈する代表的な副作用疾患について、推定される原因医薬品、身体所見、検査所見および対処方法を説明できる。 血液障害・電解質異常、肝障害、腎障害、消化器障害、循環器障害、精神障害、皮膚障害、呼吸器障害、薬物アレルギー(ショックを含む)、代謝障害、筋障害 |
E2 | 2 | 2 | 4 | 以下の薬物アレルギーについて、原因薬物、病態(病態生理、症状等)および対処法を説明できる。 Stevens-Johnson(スティーブンス-ジョンソン)症候群、中毒性表皮壊死症(重複)、薬剤性過敏症症候群、薬疹 |
E3 | 3 | 5 | 1 | 個別の患者情報(遺伝的素因、年齢的要因、臓器機能など)と医薬品情報をもとに、薬物治療を計画・立案できる。 |
D2 | 1 | 1 | 2 | 肝臓、腎臓、神経などに特異的に毒性を示す代表的な化学物質を列挙できる。 |
E1 | 2 | 2 | 6 | 代表的な生理機能検査(心機能、腎機能、肝機能、呼吸機能等)、病理組織検査および画像検査の検査項目を列挙し、目的と異常所見を説明できる。 |
E1 | 4 | 0 | 3 | 以下の障害を呈する代表的な副作用疾患について、推定される原因医薬品、身体所見、検査所見および対処方法を説明できる。 血液障害・電解質異常、肝障害、腎障害、消化器障害、循環器障害、精神障害、皮膚障害、呼吸器障害、薬物アレルギー(ショックを含む)、代謝障害、筋障害 |
E2 | 11 | 1 | 2 | 過剰量の医薬品による副作用への対応(解毒薬を含む)を討議する。 |
E3 | 3 | 3 | 1 | 腎疾患・腎機能低下時における薬物動態と、薬物治療・投与設計において注意すべき点を説明できる。 |
E3 | 3 | 3 | 2 | 肝疾患・肝機能低下時における薬物動態と、薬物治療・投与設計において注意すべき点を説明できる。 |
D2 | 1 | 1 | 6 | 代表的な中毒原因物質の解毒処置法を説明できる。 |
F | 5 | 2 | 1 | 前)地域保健における薬剤師の役割と代表的な活動(薬物乱用防止、自殺防止、感染予防、アンチドーピング活動等)について説明できる。 |
F | 5 | 3 | 7 | 来局者に対して、病状に合わせた適切な対応(医師への受診勧奨、救急対応、要指導医薬品・一般用医薬品および検査薬などの推奨、生活指導等)を選択できる。 |
E1 | 4 | 0 | 3 | 以下の障害を呈する代表的な副作用疾患について、推定される原因医薬品、身体所見、検査所見および対処方法を説明できる。 血液障害・電解質異常、肝障害、腎障害、消化器障害、循環器障害、精神障害、皮膚障害、呼吸器障害、薬物アレルギー(ショックを含む)、代謝障害、筋障害 |
E2 | 11 | 1 | 2 | 過剰量の医薬品による副作用への対応(解毒薬を含む)を討議する。 |
E3 | 3 | 5 | 1 | 個別の患者情報(遺伝的素因、年齢的要因、臓器機能など)と医薬品情報をもとに、薬物治療を計画・立案できる。 |
F | 1 | 3 | 9 | 急性期医療(救急医療・集中治療・外傷治療等)や周術期医療における適切な薬学的管理について説明できる。 |
D2 | 1 | 1 | 6 | 代表的な中毒原因物質の解毒処置法を説明できる。 |
D2 | 1 | 1 | 7 | 代表的な中毒原因物質(乱用薬物を含む)の試験法を列挙し、概説できる。 |
E1 | 4 | 0 | 1 | 薬物の主作用と副作用、毒性との関連について説明できる。 |
E2 | 11 | 1 | 2 | 過剰量の医薬品による副作用への対応(解毒薬を含む)を討議する。 |
E3 | 3 | 5 | 1 | 個別の患者情報(遺伝的素因、年齢的要因、臓器機能など)と医薬品情報をもとに、薬物治療を計画・立案できる。 |
F | 1 | 3 | 9 | 急性期医療(救急医療・集中治療・外傷治療等)や周術期医療における適切な薬学的管理について説明できる。 |
A | 1 | 2 | 7 | 薬物乱用防止、自殺防止における薬剤師の役割について説明できる。 |
B | 2 | 3 | 2 | 覚醒剤、大麻、あへん、指定薬物等の乱用防止規制について概説できる。 |
D2 | 1 | 1 | 5 | 薬物の乱用による健康への影響について説明し、討議する。 |
D2 | 1 | 1 | 7 | 代表的な中毒原因物質(乱用薬物を含む)の試験法を列挙し、概説できる。 |
E1 | 1 | 1 | 9 | 薬物依存性、耐性について具体例を挙げて説明できる。 |
E1 | 4 | 0 | 4 | 代表的薬害、薬物乱用について、健康リスクの観点から討議する。 |
定期試験 | マークシート方式で行う。 |
授業 | 不定期に宿題を課すことがある。締め切り期限内に提出した提出物のみ評価の対象となる。 |
その他 | 評価は定期試験(80%)、平常点(授業態度、提出物、小テスト等、20%)で評価する。ただし、平常点でも6割以上を必要とする。 |
病気の治療に使用される医薬品を適正に使用するための安全性、毒性について理解を深めることを目標とします。講義の前後、試験前は十分予習復習をすること。また、学生が参加できる学外研修やセミナー、イベント等の情報も収集して、積極的に勉強すること。
1 | 【授業時間外に必要な学習の時間:30時間】 |
2 | ニュース、新聞、雑誌などで話題となった、医薬品による健康被害などの社会問題に関心を向けること。 講義内容やこの分野において不明な点は自ら調べた上で、なおわからない点が残る場合は、講義中もしくはオフィスアワーを使って質問に来ること。 講義ごとに紹介する参考資料・追加情報を次回の講義までに読んでおくこと。 講義後に、関連問題を解いておくこと。 |
3 | 【実務経験のある教員による授業】(※印の付された担当者) 病院薬剤師としての実務経験を踏まえ、薬物による障害性とその対策について講義します。 |
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | プリントを配布する。 | ||
参考書 | 医薬品の安全性学 | 吉田武美・竹内幸一編 | 廣川書店 |
参考書 | 医薬品トキシコロジー | 佐藤哲男 他 編 | 南江堂 |