科目名 | : | 臨床統計学 |
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英文名 | : | Advanced Biostatistics |
科目概要 | : | 薬・創薬, 6年・5年・4年, 前期, 選択, 1単位 A, B, C, D, S, 月曜日3時限, 3302講義室 |
科目責任者 | : | 道前 洋史 (臨床統計学・講師) |
担当者 | : | 道前 洋史(臨床統計学・講師)、牛渡 愛(臨床統計学・助教) |
備考 | : | 〔科目ナンバリング:PP301-IM05, PL301-IM04〕 |
授業の目的は、1)統計学の基礎知識と実践的な活用方法を修得し、薬学・医療分野における研究計画の立案ができるようになること、2)医療分野に関する具体的な研究事例を通して様々なデータの特徴を理解し、その特徴に応じた適切な統計的推測方法(点推定・区間推定・仮説検定)を修得・活用できるようになることである。記述統計学及び推測統計学の実用例の紹介や適宜演習問題を実施することで統計学の理解を深める。
科目の位置付け:数理・情報系専門科目
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の薬学科④⑤、生命創薬科学科①④に関連する。
データを整理・要約するために必要な記述統計学の知識とその活用方法、統計学の基礎となる確率論や確率分布、そして基礎的な推測統計学の活用方法を講義する。離散型データと連続型データにおけるパラメトリック検定に加え、順位データに基づくノンパラメトリック検定も講義する。また、医療分野で使用頻度の高い線形回帰モデル、ロジステック回帰モデル、Cox比例ハザードモデルについても講義する。
A:記述統計を理解し、度数分布やヒストグラム、さらに平均や分散などの要約統計量を活用することで視覚的・数値的に捉える。
B:統計学の基礎となる確率論や確率分布(離散型・連続型)や統計的推測の3手法(点推定、区間推定、仮説検定)を理解できる。
C:2標本t検定の理論的背景を理解し、仮説検定を実施できる。
D:分散分析の理論的背景を理解し、仮説検定を実施できる。また、分散分析後の多重比較における問題点を理解し、Bonferroniのt検定やHolmのt検定などの多重比較法ができる。
E:パラメトリック検定とノンパラメトリック検定の適用条件の違いを理解し、適切な検定方法の選択ができる。
F:回帰と相関の違いを理解し、適切な検定方法の選択ができる。また、線形単(重)回帰モデルにおける回帰係数の推定方法(最小二乗法)を理解できる。
G:分割表やFisherの正確検定を用いた率や割合の推測の理論的背景を理解し、適切な結果の解釈ができる。
H:2値データの回帰モデルであるロジステック回帰、生存時間解析におけるカプランマイヤー法、ログランク検定、Cox比例ハザードモデルの適用例を理解できる。
・パワーポイントと配布資料を用いて講義形式ですすめる。
・適宜練習問題を実施し、授業の中で解答を検討する。
・対面授業で実施する。(収録動画の配信なし)
No. | 講義項目 | 担当者 | 開講日 | 授業内容・方法 |
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1 | データの表示と数字による要約尺度 | 道前 洋史 | 4月7日③ | 度数分布表やヒストグラムを学ぶ。平均や分散など要約尺度を学ぶ。 予習は教科書を熟読の上、教科書の問題を解く。 復習は講義資料を熟読の上、講義資料の問題を解く。 【到達目標】Aに関連する。 |
2 | 確率 ※教室変更:3114セミナー室 | 道前 洋史 | 4月14日③ | 集合と場合の数を学ぶ。事象と確率の関係を学ぶ。条件付き確率と乗法の定理及びベイズの定理と反復試行の確率を学ぶ。 予習は教科書を熟読の上、教科書の問題を解く。 復習は講義資料を熟読の上、講義資料の問題を解く。 【到達目標】Bに関連する。 |
3 | 理論的な確率分布 ※教室変更:3114セミナー室 | 道前 洋史 | 4月21日③ | 確率変数と確率分布の関係を学ぶ。離散型確率分布、特に二項分布やポアソン分布を学ぶ。連続型確率分布、特に正規分布を学ぶ。 予習は教科書を熟読の上、教科書の問題を解く。 復習は講義資料を熟読の上、講義資料の問題を解く。 【到達目標】Bに関連する。 |
4 | 平均値の標本分布 | 道前 洋史 | 5月12日③ | 母集団分布と標本分布の違いを学ぶ。中心極限定理を学ぶ。中心極限定理に基づき標本平均の分布の特性を学ぶ。 予習は教科書を熟読の上、教科書の問題を解く。 復習は講義資料を熟読の上、講義資料の問題を解く。 【到達目標】Bに関連する。 |
5 | 仮説検定 | 道前 洋史 | 5月19日③ | 帰無仮説と対立仮説、両側検定と片側検定、第一種の過誤と第二種の過誤について学ぶ。 予習は教科書を熟読の上、教科書の問題を解く。 復習は講義資料を熟読の上、講義資料の問題を解く。 【到達目標】Bに関連する。 |
6 | 2つの平均の比較 | 牛渡 愛 | 5月26日③ | 2つの母集団の平均の比較法を学ぶ。z検定とt検定について学ぶ。 予習は教科書を熟読の上、教科書の問題を解く。 復習は講義資料を熟読の上、講義資料の問題を解く。 【到達目標】B、Cに関連する。 |
7 | 分散分析とノンパラメトリック検定 | 牛渡 愛 | 6月2日③ | 分散分析における一元配置法と多重比較法を学ぶ。一標本と二標本のノンパラメトリック検定であるウィルコクソン符号順位検定とウィルコクソン順位和検定を学ぶ。 予習は教科書を熟読の上、教科書の問題を解く。 復習は講義資料を熟読の上、講義資料の問題を解く。 【到達目標】D、Eに関連する。 |
8 | 割合に関する推測と分割表 | 牛渡 愛 | 6月9日③ | 1つの母集団の割合に関する推測方法、2つの独立な母集団の割合に関する推測方法を学ぶ。 予習は教科書を熟読の上、教科書の問題を解く。 復習は講義資料を熟読の上、講義資料の問題を解く。 【到達目標】Gに関連する。 |
9 | 相関と回帰分析 ※教室変更:3114セミナー室 | 牛渡 愛 | 6月16日③ | 相関と回帰の類似点と相違点、相関係数と回帰係数の算出方法を学ぶ。重回帰分析を学ぶ。 予習は教科書を熟読の上、教科書の問題を解く。 復習は講義資料を熟読の上、講義資料の問題を解く。 【到達目標】Fに関連する。 |
10 | ロジスティック回帰分析と生存時間解析 | 牛渡 愛 | 6月23日③ | ロジステック関数、ロジステック回帰、リンク関数、線形回帰モデルとの違いを学ぶ。打切りデータ、生存曲線の推定、2つの生存曲線の比較(ログランク検定)を学ぶ。 予習は教科書を熟読の上、教科書の問題を解く。 復習は講義資料を熟読の上、講義資料の問題を解く。 【到達目標】Hに関連する。 |
定期試験 | ・レポート(100%) |
授業 | ・授業回数10回+レポート。 |
その他 | ・レポート(100%)に基づいて評価する。 |
医学・薬学研究におけるデータの見方やその解析結果を解釈出来るようになりましょう。
1 | 【授業時間外に必要な学習の時間:30時間】 |
2 | ・教科書の講義該当箇所をよく読んで予習すること。 ・講義で配布したプリントをしっかり復習すること。 ・分からない箇所は講義後、またはオフィスアワーなどを最大限利用して、必ず質問すること。 |
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 講義時配布資料 | ||
参考書 | 基礎から理解できる医学統計学 | Stanton A. Glantz(著) 足立堅一(監訳) | 篠原出版新社 |
参考書 | はじめての統計学 | 道家瑛幸・伊藤真吾・宮崎直・酒井祐貴子 共著 | コロナ社 |