科目名 | : | 薬学卒業特別実習 |
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英文名 | : | Special Research Work in Pharmaceutical Sciences |
科目概要 | : | 薬, 6年・5年, 前期・通年, 必修, 10単位 |
科目責任者 | : | 各教室教員 |
担当者 | : | 各教室教員、創薬物理化学教室、医薬品化学教室、薬品製造化学教室、分析化学教室、生命薬化学教室、公衆衛生学教室、薬剤学教室、放射性同位元素研究室、微生物学教室、薬理学教室、分子薬理学教室、生化学教室、生物分子設計学教室、微生物薬品製造学教室、生薬学教室、衛生化学教室、薬用植物園、臨床統計学教室、医薬開発学教室、生体制御学、地域医療薬学、薬物治療学Ⅰ、薬物治療学Ⅲ、薬物治療学Ⅳ、臨床薬学教育部門、薬物動態学、社会薬学部門、医療心理学部門、漢方臨床研究室、学習支援室 |
備考 | : | 〔科目ナンバリング:PP504-is05〕 |
配属研究室において与えられた研究テーマについて実験あるいは調査等を行い、その成果を卒業論文としてまとめ、発表する。その過程において、研究を遂行する上で必要な知識・技能などを身に付けるとともに、学術論文を読解する能力、論理的・批判的思考能力、課題発見能力、問題解決能力、プレゼンテーション能力などを修得する。
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の薬学科①②④⑤⑥に関連する。
研究テーマの背景・目的や問題解決のための研究手法を説明し指導する。そのために必要な学術論文の読み方、研究結果のまとめ方・発表方法を指導する。
A: 研究倫理、法規・制度を遵守し、高い規範意識をもって、適切な判断と行動ができる。
B: 他者との協働において、相手の意見を尊重し、自分の状況や考えを論理的に分かりやすく伝え、建設的なコミュニケーションができる。
C: 基礎薬学・衛生薬学・医療薬学の知識・技能を修得し、医療現場や地域社会でそれらがどのように活用されるかを理解している。
D: 自ら身につけた専門知識・技能を活用して、特定の問題を解決するための戦略(道筋)を提案し、研究計画を立案できる。
E: 計画に従って研究を遂行し、得られた研究結果を正確に解析・考察した上で、研究の結論を導くことができる。
F: 多様な人と協働しながら、研究を主体的に行う姿勢を備えている。
G: 自身の考えや伝えたい内容を、科学的に正確に表現し、多様な人々に対して分かりやすく論理的にプレゼンテーションすることができる。
H: 生涯にわたり学び続ける意義や必要性を理解し、自己研鑽を継続する意欲と態度を備えている。
・4年次1月から開始し、6年次7月末まで履修する。
・6年次7月初旬にポスター発表を行い、卒業論文を提出する。
・5年次は病院実習、保険薬局実習があるが、この期間以外は各人の配属教室の指導の下、特別実習を履修することとなる。
なお、各人は、配属教室で与えられた研究テーマについて、各教室においてそれぞれの教員の指導を受けながら実験や調査などを行う。対面授業として実施する。
No. | 実習項目 | 担当者 | 授業内容・方法 |
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1 | 創薬物理化学 | 創薬物理化学教室 | X線結晶構造解析とIn silico創薬技術を相補的に駆使して、医薬品のリード化合物の探索・創製を行う。医薬品開発の初期過程で生ずる様々な問題を物理・化学的に解決する方法を学ぶ。 【到達目標】A、B、C、D、E、F、G、Hに関連する。 |
2 | 医薬品化学 | 医薬品化学教室 | 現代における医薬品合成法の問題点を調査し、その解決法につながる新反応の開発や分子触媒の創製を行う。 【到達目標】A、B、C、D、E、F、G、Hに関連する。 |
3 | 薬品製造化学 | 薬品製造化学教室 | 有用な生物活性を有する天然有機化合物の全合成研究を行う。立案した標的化合物の合成計画に従い、実験を進め、適宜得られたデータを解析し、問題点を抽出し、その解決法を考察する。 【到達目標】A、B、C、D、E、F、G、Hに関連する。 |
4 | 分析化学 | 分析化学教室 | 医薬品や新奇生体分子の解析に関する研究について、背景となる文献内容を理解し、自らの研究テーマに関わる実験内容を理解したうえで、実行し、得られた結果についてディスカッションを通して考察する。 【到達目標】A、B、C、D、E、F、G、Hに関連する。 |
5 | 生命薬化学 | 生命薬化学教室 | 創薬化学研究においては、与えられた標的に作用する化合物の設計・合成を行う。新規反応の開発においては、現行法の問題点を理解し、その解決法を考察する。いずれの場合も、研究の背景を十分に理解し、計画的に実験を進め、得られたデータを解析し、問題点を抽出し、その解決法を考察する。 【到達目標】A、B、C、D、E、F、G、Hに関連する。 |
6 | 公衆衛生学 | 公衆衛生学教室 | メチル水銀をはじめとする有害金属のヒト・動物・植物に対する毒性または環境浄化に関して調査し、問題点を解明するための実験計画を立案、遂行する。実験終了後、得られたデータを解析し、考察する。 【到達目標】A、B、C、D、E、F、G、Hに関連する。 |
7 | 薬剤学 | 薬剤学教室 | 生物薬剤学・薬物動態学、特にトランスポーターを介した薬物の吸収/分布/排泄または薬物代謝に関する研究計画を立案・遂行し、得られた結果を正確に解析・考察する。この過程を通して、薬剤学に関する研究を遂行する技能を修得し、論理的な思考方法を学ぶとともに、研究倫理を遵守する態度を身に付ける。 【到達目標】A、B、C、D、E、F、G、Hに関連する。 |
8 | 放射性同位元素研究室 | 放射性同位元素研究室 | 紫外線の生体影響と生体応答に関する問題点を調査し、その解明のための実験計画を立案して遂行する。得られたデータを解析し、考察する。 【到達目標】A、B、C、D、E、F、G、Hに関連する。 |
9 | 微生物学 | 微生物学教室 | 細菌の感染機構あるいは腸内細菌の有用作用に関して調査し、課題を抽出後、問題を解明するための実験計画を立案、遂行する。実験終了後、得られたデータを解析し、考察する。 【到達目標】A、B、C、D、E、F、G、Hに関連する。 |
10 | 薬理学 | 薬理学教室 学習支援室 | 行動薬理学的手法、分子生物学的手法、電気生理学的手法などを修得し、中枢神経系疾患の病態解明研究や治療薬候補の作用機序解明研究を立案して遂行する。得られたデータを解析し考察する。また、関連領域の文献を読み、最先端の知識を得て、自身の研究テーマに活かす。 【到達目標】A、B、C、D、E、F、G、Hに関連する。 |
11 | 分子薬理学 | 分子薬理学教室 | 眼疾患の病態解明及び新規治療薬につながる研究を行う。得られたデータを解析し、考察する。 【到達目標】A、B、C、D、E、F、G、Hに関連する。 |
12 | 生化学 | 生化学教室 | 遺伝子発現制御、細胞内シグナル伝達系及び抗ウイルス薬に関する研究を行う。得られたデータを解析し、考察する。 【到達目標】A、B、C、D、E、F、G、Hに関連する。 |
13 | 生物分子設計学 | 生物分子設計学教室 | 生命現象の理解及び創薬への応用を目指して、コンピュータを用いたタンパク質構造情報にもとづく創薬情報科学研究を実施する。得られたデータを解析することにより、問題点を抽出し、解決策を考察する。 【到達目標】A、B、C、D、E、F、G、Hに関連する。 |
14 | 生薬学 | 生薬学教室 | 生薬の含有成分を、単離精製、構造決定し、その生物活性を評価する。これらのデータを統合・解析して生薬の品質管理について考察する。また、漢方薬の薬効評価及び活性化合物の同定や、得られた活性化合物をリード化合物とした創薬研究を行う。自身の研究に関連する文献資料などの調査を十分に行って、研究手法の立案や、研究結果の解析を行う。これらの研究を通じて、物事を客観的に解析し、問題を発見し、解決策を見出し、新たなものを創造する方法を学ぶ。 【到達目標】A、B、C、D、E、F、G、Hに関連する。 |
15 | 微生物薬品製造学 | 微生物薬品製造学教室 | 微生物資源から有用な生物活性物質を検索し、単離精製、構造決定、生物活性、作用機序、生合成遺伝子解析、in vivoレベルでの有用性などの研究を実施する。これらの研究を通じて、問題解決方法、論理的な思考方法、プレゼンテーション方法を学ぶ。 【到達目標】A、B、C、D、E、F、G、Hに関連する。 |
16 | 薬用植物園 | 薬用植物園 | 基原植物の生育習性や施肥への応答性の解明、含有成分の定量分析による品質評価、形態観察や遺伝子型解析による分類学調査により、高品質な生薬の国内生産に寄与できる栽培技術の確立を目指す。これらの研究活動を通じて課題の発掘・解決力と論理的思考力を身につける方法を学ぶ。 【到達目標】A、B、C、D、E、F、G、Hに関連する。 |
17 | 衛生化学 | 衛生化学教室 | 新規細胞死やその疾患モデルマウスを用い、脂質、蛋白質、遺伝子の基本的な解析技術を学び、自ら、実験計画を立てると共に、実験を実施し、得られたデータを解析することにより、問題点を抽出し、改善点を考察する。 【到達目標】A、B、C、D、E、F、G、Hに関連する。 |
18 | 臨床統計学 | 臨床統計学教室 | 新たな統計学的手法の提案、臨床試験データの適切な解析を目指した研究を行う。具体的には、統計理論の構築、コンピュータと統計ソフトを用いたシミュレーションやデータ解析等を実施する。 【到達目標】A、B、C、D、E、F、G、Hに関連する。 |
19 | 医薬開発学 | 医薬開発学教室 | 医薬品開発(主として臨床開発や市販後安全対策)に関する問題点を抽出し、それに対する改善策の提案を目指した研究を行う。 【到達目標】A、B、C、D、E、F、G、Hに関連する。 |
20 | 生体制御学 | 生体制御学 | 培養細胞、患者検体、動物モデルを用いて病態解明及び薬物治療評価に関する研究を行う。 1.肺癌に関する研究 2.呼吸器・アレルギー疾患に関する研究 3.炎症性腸疾患に関する研究 【到達目標】A、B、C、D、E、F、G、Hに関連する。 |
21 | 地域医療薬学 | 地域医療薬学 | 地域医療薬学における問題点を的確にとらえ、その問題点を解決するための研究を行う。 【到達目標】A、B、C、D、E、F、G、Hに関連する。 |
22 | 薬物治療学Ⅰ | 薬物治療学Ⅰ | 医療現場での薬物療法に関わる様々な問題点を取り上げ、その問題を解決するための研究を行う。 【到達目標】A、B、C、D、E、F、G、Hに関連する。 |
23 | 薬物治療学Ⅲ | 薬物治療学Ⅲ | 医療の中での薬物療法に関連した問題点を抽出し、この問題点を研究テーマとし、薬学的見地から解決することにより、臨床にフィードバック可能な研究を行う。 【到達目標】A、B、C、D、E、F、G、Hに関連する。 |
24 | 薬物治療学Ⅳ | 薬物治療学Ⅳ | 薬剤師の視点で医療現場における様々な薬物療法に関わる問題点を抽出し、基礎薬学と医療薬学の両面よりその解決法を検討する。 【到達目標】A、B、C、D、E、F、G、Hに関連する。 |
25 | 薬物動態学 | 薬物動態学 | 薬物動態学を基盤として、データサイエンス、臨床研究、基礎研究、記述研究、橋渡し研究、理論的研究、システム開発など、医療需要に応じた研究を行う。 【到達目標】A、B、C、D、E、F、G、Hに関連する。 |
26 | 社会薬学 | 社会薬学部門 | 薬事関連法学領域の教授設計に関する研究及び薬事分野の法的・制度的・社会的な問題解決に関する研究を行う。 【到達目標】A、B、C、D、E、F、G、Hに関連する。 |
27 | 臨床薬学教育 | 臨床薬学教育部門 | 医療現場での薬物治療に関わる問題点や、薬学教育の学習成果の評価をはじめとする様々な問題点を抽出し、その問題を解決するための研究を行う。 【到達目標】A、B、C、D、E、F、G、Hに関連する。 |
28 | 医療心理学 | 医療心理学部門 | 適切な医療者―患者関係構築のために患者心理の理解を目的とする研究を行う。 1.医療者―患者間のコミュニケーションに関する研究 2.患者心理と治療態度・効果に関する研究 3.治療選択時(治験参加時)の意志決定に関する研究 4.医療人教育に関する研究 【到達目標】A、B、C、D、E、F、G、Hに関連する。 |
29 | 漢方薬理学 | 漢方臨床研究室 | 多種多様な成分の混合物である漢方薬の特性を理解し、臨床上の課題を解決するための研究テーマについて、病態モデルマウスを用いた薬理学的解析や分子機構の解明を行う。日頃から関連領域の学術論文を収集して読み、それらの文献を根拠として研究結果の考察を行い、次の研究につなげる。また、卒業論文の書き方やわかりやすいプレゼンテーションの方法を学ぶ。 【到達目標】A、B、C、D、E、F、G、Hに関連する。 |
定期試験 | |
授業 | |
その他 | 6年生 ポスター発表の内容と質疑応答(20%)、配属された研究室における実習態度、卒業論文の内容等(80%)で評価する。 ≪卒業論文の評価基準≫ ①臨床における問題点と研究課題との関連性が記載されていること。 ②問題意識が明確で、課題設定が適切に表現されていること。 ③先行研究が適切に検討・吟味されていること。 ④研究倫理に関する諸規定や実験実施上の諸規定を遵守していること。 ⑤実験データや調査結果等が得られていること。 ⑥研究結果についての整理と解析が行われていること。 ⑦結果に基づく仮説や結論の展開が論理的で分かりやすく行われていること。 ⑧研究成果の臨床的意義への考察が記載されていること。 5年生 卒業研究発表会評価(研究室外の評価担当教員による評価、20%)、卒業研究評価と卒業論文評価(指導教員による評価、80%)をルーブリックで評価する。 |
薬学卒業特別実習は、研究を遂行する上で必要な知識・技能などを身に付けるとともに、学術論文を読解する能力、論理的・批判的思考能力、問題発見能力、問題解決能力、プレゼンテーション能力などを修得することを目標とします。実習の成果は、6年次7月に行われる卒業研究発表会でポスター発表を行い、卒業論文として提出します。大学生活の集大成として、納得のいく卒業論文に仕上げられるよう、自分自身で良く考え積極的な態度で実習を行ってください。
1 | 【授業時間外に必要な学習時間:- 時間】 |
2 | (予習)関連する文献を読み、実験計画を作成する。 (復習)結果を様々な観点から解析し、他の研究者(指導教員を含む)とディスカッションを行い、今後の研究方針と計画を作成する。 詳細は、各研究室の指示に従うこと。 |
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | (なし) | ||
参考書 | (なし) |