科目名 | : | 放射薬品学 |
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英文名 | : | Radiopharmaceutical Chemistry |
科目概要 | : | 薬・創薬, 3年, 前期, 必修, 1単位 A, B, C, D, S, 金曜日3時限, 2202大講義室 |
科目責任者 | : | 坂本 光 (放射性同位元素研究室・講師) |
担当者 | : | 坂本 光(放射性同位元素研究室・講師) |
備考 | : | 〔科目ナンバリング:PP301-PC03, PL301-PC03〕 |
物質を電離する能力を持つ放射線や放射性物質は薬学や医療分野において欠くことの出来ない重要な要素の一つであり、基礎研究や臨床診断・治療に広く利用されている。
本講義では、放射性医薬品、放射線を用いた診断・治療について科学的に理解するために、電離放射線の性質、生体への利用、人体に及ぼす影響及びその防御に関して理解し、習得する。
科目の位置付け:物理系専門科目
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の薬学科④、生命創薬科学科①に関連する。
これまでに学習した物理・化学・生物の知識を基礎にして、放射線・放射性物質に係る物理・化学・生物へと発展させ、放射線により起こる反応の機構を論理的に理解し、放射線及び放射性物質の有用性と有益性、並びにその利用に伴う問題点について理解し、習得する。
A:原子から放射線が放出される原理と放出前後の原子変化について理解する。
B:放射線の一般的性質と放射線の種類ごとに特有な性質について理解する。
C:放射線と物質との相互作用について、作用機序と相互作用を回避する方法について理解する。
D:放射線及び放射性同位元素が細胞、臓器、組織及び個体に与える影響について理解する。
E:放射線の検出及び測定原理について理解する。
F:放射性医薬品の種類、用途及びその品質管理に関して理解する。
G:放射線による障害を防御する方法及び関係法令について理解する。
パワーポイントを用いて、教科書の項目に沿って講義形式ですすめる。
講義は、対面授業にて実施する。
適宜、提出期限を設けた課題を課す。課題答案を回収した後、模範解答と必要に応じて解法を配布する。
No. | 講義項目 | 担当者 | 開講日 | 授業内容・方法 |
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1 | 原子核と放射線 | 坂本 光 | 4月11日③ | 原子核の安定性と放射性壊変により放出される放射線について学ぶ。 【予習】事前に教科書の該当部分(1章、2章 2-1)を読み、わからない部分を整理しておく。 【復習】講義後、内容を理解するためにノートに纏めるなどして整理し、疑問点があれば担当教員に質問する。 【到達目標】Aに関連する。 |
2 | 放射性壊変と放射平衡 | 坂本 光 | 4月18日③ | 放射性壊変の種類を列挙し、壊変の原理と放射される放射線の特徴について学ぶ。 放射性核種の放射能、半減期及び放射平衡について学ぶ。 代表的な放射性核種とその物理的特徴について学ぶ。 【予習】事前に教科書の該当項目(2章)を読み、わからない部分を整理しておく。 【復習】講義後、内容を理解するためにノートに纏めるなどして整理し、疑問点があれば担当教員に質問する。 【到達目標】A、Bに関連する。 |
3 | 核反応と放射性核種 | 坂本 光 | 4月25日③ | 原子核反応及び核分裂について学ぶ。放射性核種の製造方法及びそれぞれの特徴について学ぶ。 【予習】事前に教科書の該当項目(3章)を読み、わからない部分を整理しておく。 【復習】講義後、内容を理解するためにノートに纏めるなどして整理し、疑問点があれば担当教員に質問する。 【到達目標】A、Bに関連する。 |
4 | 放射線と物質との相互作用 | 坂本 光 | 5月9日③ | 放射性壊変で放射される電離放射線と物質との相互作用について学ぶ。 【予習】事前に教科書の該当項目(4章)を読み、わからない部分を整理しておく。 【復習】講義後、内容を理解するためにノートに纏めるなどして整理し、疑問点があれば担当教員に質問する。 【到達目標】B、Cに関連する。 |
5 | 放射線の生体への影響 | 坂本 光 | 5月16日③ | 電離放射線の生体分子への作用過程とその機構について学ぶ。 電離放射線による生体損傷について、被曝線量との関係を体内被曝と体外被曝に分けて学ぶ。電離放射線及び放射性核種の標的臓器、組織及びその感受性の差異について学ぶ。 非電離放射線の種類とその標的臓器と影響について学ぶ。 【予習】事前に教科書の該当項目(5章)を読み、わからない部分を整理しておく。 【復習】講義後、内容を理解するためにノートに纏めるなどして整理し、疑問点があれば担当教員に質問する。 【到達目標】B、C、Dに関連する。 |
6 | 放射線測定法 | 坂本 光 | 5月23日③ | 放射線検出、測定の原理と利用方法について学ぶ。 測定値の統計的取り扱いについて学ぶ。 【予習】事前に教科書の該当項目(6章)を読み、わからない部分を整理しておく。 【復習】講義後、内容を理解するためにノートに纏めるなどして整理し、疑問点があれば担当教員に質問する。 【到達目標】B、C、Eに関連する。 |
7 | 放射性物質の利用 | 坂本 光 | 5月30日③ | 放射性物質の分離方法、放射標識化合物及び放射性同位元素の利用分野及びその用途を学ぶ。 【予習】事前に教科書の該当項目(7章)を読み、わからない部分を整理しておく。 【復習】講義後、内容を理解するためにノートに纏めるなどして整理し、疑問点があれば担当教員に質問する。 【到達目標】B、C、D、Eに関連する。 |
8 | 放射性医薬品1 | 坂本 光 | 6月6日③ | 電離放射線の医療への応用について学ぶ。代表的な体内適用放射性診断薬の種類、用途及びその品質管理について学ぶ。 【予習】事前に教科書の該当項目(8章)を読み、わからない部分を整理しておく。 【復習】講義後、内容を理解するためにノートに纏めるなどして整理し、疑問点があれば担当教員に質問する。 【到達目標】B、C、D、E、Fに関連する。 |
9 | 放射性医薬品2 | 坂本 光 | 6月13日③ | 放射性治療薬の種類、用途及びその品質管理について学ぶ。体外診断用放射性医薬品を用いた検査の原理について学ぶ。 【予習】事前に教科書の該当項目(9章)を読み、わからない部分を整理しておく。 【復習】講義後、内容を理解するためにノートに纏めるなどして整理し、疑問点があれば担当教員に質問する。 【到達目標】B、D、Fに関連する。 |
10 | 放射線防護と管理 | 坂本 光 | 6月20日③ | 電離放射線による障害を防御する方法及び関係法令について学ぶ。 【予習】事前に教科書の該当項目(10章)を読み、わからない部分を整理しておく。 【復習】講義後、内容を理解するためにノートに纏めるなどして整理し、疑問点があれば担当教員に質問する。 【到達目標】Gに関連する。 |
定期試験 | 講義範囲から出題する。マークシート形式。 |
授業 | 授業回数10回+定期試験。 |
その他 | 課題(20%)及び定期試験(80%)にて評価する。 |
この科目では、放射線の物理学、化学、生物学的性質及び医薬品への応用について幅広く講義する。教科書の全内容が定期試験の範囲となるので、講義受講後はその都度復習をして、分からない点や疑問に思う点があれば解決しておいたほうが良い。
1 | 【授業時間外に必要な学習の時間:30時間】 |
2 | 教科書の該当箇所を事前に読み、分からないところをはっきりさせて講義に臨むことが望ましい。 |
3 | 講義後は、講義内容について教科書、配付資料等を利用して理解を深め、分からないことがあれば、積極的に質問に来ること。 |
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 薬学放射化学 第2版 -生体と放射化学、放射性医薬品- | 坂本 光 | 京都廣川書店 |
参考書 | 放射薬品学 | 坂本 光 他共著 | 南江堂 |
参考書 | 放射化学・放射性医薬品学 | 大久保恭仁、小島周二 編 | 朝倉書店 |
参考書 | 薬学における放射線・放射性物質の利用 | 加留部善晴 編 | 京都廣川書店 |