科目名 | : | 衛生化学実習 |
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英文名 | : | Practice of Hygienic Chemistry |
科目概要 | : | 薬・創薬, 3年, 後期, 必修, 1単位 A, B, C, D, S, 集中3・4・5限 |
科目責任者 | : | 今井 浩孝 (衛生化学・教授) |
担当者 | : | 今井 浩孝(衛生化学・教授)、長谷川 純矢(生物系共有機器室・講師)、幸村 知子(衛生化学・助教)、松岡 正城(衛生化学・助教)、安田 柊(衛生化学・助教) |
備考 | : | 健康食品管理士養成講座対応科目 〔科目ナンバリング:PP304-hs03, PL304-hs03〕 |
健康維持に必要な栄養を科学的に理解するために、衛生試験法の食品成分試験法、食品添加物試験法、食品汚染物試験法に対応して、各栄養素や食品添加物の同定法、食品の変質・変敗の指標となる物質等の測定原理を理解し、実際に測定して、結果を評価する技術を身につける。また食品の農薬の適正使用方法や残留農薬の違反例を自ら調べ、リスクコニュニケーションについて討議すると共に、農薬の一斉分析法の原理を理解し、解析技術を身につける。
科目の位置付け:衛生薬学系専門科目
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の薬学科④⑤、生命創薬科学科①③に関連する。
食品中に含まれる成分(脂質、ビタミン)、食品添加物、残留農薬を分析できるようになる。また食品の変質、変敗、腐敗について実験をとおして理解を含め、試験法を修得する。米の品種を遺伝子解析により同定し、遺伝子組み換え食品の分析法、品種同定法を理解する。これらの実習をふまえ、食品の安全性を守る試験法を理解し、食品の安全性についてリスクコミュニケーションできる能力を修得する。
A:脂質の変質試験、ヨウ素価、過酸化物価、カルボニル価等の測定原理を理解し、脂質の変質を評価し、その防止策についての知識、技能を修得する。
B:ビタミンB1、B2の定性試験を実施するとともに、ビタミンの定性原理を説明できる。
C:食品の褐変、腐敗の原理と測定系を理解し実施でき、食品の安全管理対策を理解する。
D:食品添加物の合成着色料の分離を行うとともに、食品添加物の定量法について理解し説明できる。
E:米のゲノムPCRによる品種同定法の原理を理解し、遺伝子組換え食品の検出法の原理を理解する。
F:農薬の一斉分析法を理解し、化学物質の適正使用と食品の安全性についてリスクコミュニケーションができる。
講義と実験からなる。得られた結果をレポートにまとめ提出する。提出されたレポートは添削して返却するので復習・理解に役立てる。食品の変質、腐敗、また残留農薬等の知識を修得し、食品の安全性についてリスクコミュニケーションをできる能力を身につける。
対面実習とオンデマンド型遠隔実習を組み合わせて受講する。
No. | 実習項目 | 担当者 | 授業内容・方法 |
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1 | <オンデマンド実習講義説明> 事前に必ず試聴すること 1)各実習項目の解説 2)実習項目外の衛生試験法等 <オンデマンド実習(食品衛生 腐敗)> 食品の安全性に関するリスクコミュニケーション | 今井 浩孝 幸村 知子 松岡 正城 安田 柊 長谷川 純矢 | 実習項目で行う項目の背景、原理、測定法を理解する。食品のビタミンの測定、脂質の変質、食品の変敗、無機、有機化学物質、残留農薬、食品添加物、品種同定法などの試験法を学ぶ。牛乳の腐敗(酸度、細菌数)の検出を学ぶ。<予習>実習前に必ず受講すること、実習の全体像をつかむ、食品の腐敗に関する試験法を学ぶ<復習>アドバンス実習に関してのレポート提出により食品の安全性について考察する。 <到達目標>Cに関連する。 |
2 | 食品成分試験 脂質1 <対面実習> | 幸村 知子 長谷川 純矢 | 食品から粗脂肪を抽出し、粗脂肪の定量を学ぶ。<予習>実習プリントで実習内容を事前に把握する<復習>課題をレポートにまとめ理解する。 <到達目標>Aに関連する。 |
3 | 食品成分試験 脂質2 <対面実習> | 幸村 知子 長谷川 純矢 | 脂質の変質について理解し、過酸化物価、カルボニル価、ヨウ素価の測定を実施し、脂質の変質に検出法を学ぶ。<予習>実習プリントで実習内容を事前に把握する<復習>課題をレポートにまとめ理解する。 <到達目標>Aに関連する。 |
4 | 食品成分試験 ビタミン <対面実習> | 松岡 正城 | 食品中に含まれるビタミンB1、B2の定性試験を実施し、ビタミンの検出法を学ぶ。<予習>実習プリントで実習内容を事前に把握する。<復習>課題をレポートにまとめ理解する。 <到達目標>Bに関連する。 |
5 | 食品衛生 1)食品添加物 食品添加物試験 2)食品の褐変現象 <対面実習> | 安田 柊 | 食品より着色料を抽出し、着色料の定性試験をおこなう。食品の褐変現象を体験し、食品の変敗について学ぶ。<予習>実習プリントで実習内容を事前に把握する<復習>課題をレポートにまとめ理解する。 <到達目標>C,Dに関連する。 |
6 | 食品成分試験 米の品種同定 ゲノムPCR法 <オンデマンド実習> | 松岡 正城 | 米からのゲノムの抽出と定量をおこない、PCR 法による米の品種の同定法について理解する。もどし交配、ゲノム編集食品、遺伝子組換え食品の違いと検出についての違いを学ぶ。<予習>実習プリントで実習内容を事前に把握する。課題を事前に調査する<復習>オンデマンド実習課題を提出し、結果の見直しを行う。 <到達目標>Eに関連する。 |
7 | 食品汚染物試験 農薬の一成分析法 <オンデマンド実習> | 松岡 正城 | 現在使用されている農薬の構造、使用状況、問題点を調査し、適正使用についてリスクコミュニケーションを行う。農薬のGC-MSによる一斉分析法を学ぶ。<予習>実習プリントで実習内容を事前に把握する<復習>オンデマンド実習課題を提出し、結果の見直しを行う。 <到達目標>Fに関連する。 |
8 | 総合評価 <対面実習> | 今井 浩孝 幸村 知子 松岡 正城 安田 柊 長谷川 純矢 | 各実習項目について確認試験を行う。<予習>実習プリントおよびオンデマンド実習でこれまで行ってきた内容を復習し、理解すること<復習>理解できていない箇所について再度自ら学習する。 <到達目標>A,B,C,D,E,Fに関連する。 |
定期試験 | 実習の本質を理解しているのかの評価を行う確認試験を行う。 |
授業 | アドバンス講義の理解度は確認試験により行う。 |
その他 | レポート(10%)、試験(90%)により評価をする。なお、実習態度の不良は減点する。総合得点の60%以上を合格とする。 |
本実習は、食品を取り上げ、食品に含まれる,脂質、ビタミンの定性試験や、脂質の変敗の測定法、蛋白質の変質、ゲノムの解析を用いた品種同定、残留農薬の一斉分析、食品添加物の分離など身近な題材を用いた実習です。普段のニュース等で食品の安全に関わる事柄に常に注意し、衛生化学の講義および実習を実施し、食品の安全性の管理について自分なりに議論できるようにしましょう。
1 | 【授業時間外に必要な学習の時間:30時間】 |
2 | 現在問題になっている残留農薬の構造、使用法、なぜ問題になったのかについて、各自調査し、農薬の適正使用とリスクコミュニケーションについての討議の準備を行う。実習解説書及び必携・衛生試験法の関連事項について事前によく読み、試料の準備、実験方法について理解する。実習後に実習でできたこと、できなかった理由について考察する。 |
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 配布プリント | 衛生化学教室スタッフ | 北里大学薬学部衛生化学教室 |
参考書 | 必携・衛生試験法 第五版 | 日本薬学会 編 | 金原出版 |