| 科目名 | : | 医薬品構造学Ⅱ |
|---|---|---|
| 英文名 | : | Medicinal StructureⅡ |
| 科目概要 | : | 薬・創薬, ３年, 後期, 選択, 1単位 A, B, C, D, S, 金曜日５時限, 2202大講義室 |
| 科目責任者 | : | 牧野 一石 (医薬品化学・教授) |
| 担当者 | : | 牧野 一石（医薬品化学・教授）、山本 大介（医薬品化学・講師） |
| 備考 | : | 〔科目ナンバリング：PP301-CH03, PL301-CH03〕 |
医薬品の薬理作用を化学構造と関連づけて理解するために、医薬品に含まれる代表的な構造（骨格、官能基）とその性質に関する知識を修得する。併せて臨床上重要な医薬品の発見と開発に関する経緯を学び、医薬品の化学的合成法の基礎や定性試験法について修得する。
科目の位置づけ：化学系専門科目
この科目は学位記授与方針（ディプロマ・ポリシー）の薬学科④⑤、生命創薬科学科①③に関連する。
本講義では医薬品の作用を理解する上で必須の知識となる代表的な医薬品として、神経系や代謝系に作用する薬物、抗菌薬や抗ウイルス薬、抗がん剤を取り上げ、化学構造と薬理作用を関連づけて理解できるようになるために、医薬品に含まれる代表的な構造（骨格、官能基）とその性質に関する知識を学ぶ。また、臨床上重要な医薬品の発見と開発に関する経緯を学び、医薬品の化学的合成法の基礎や定性試験法について修得する。
A:医薬品が標的分子にどのように作用するかを分子レベルで理解できる。
B:官能基の構造から物理化学的性質及び化学的性質や分子間相互作用を理解できる。
C:体内動態や副作用・毒性等の特性をもたらす物理的及び化学的根拠を、医薬品の特徴的な構造の基づいて理解できる。
パワーポイントと配布資料を活用しながら講義形式（対面講義）ですすめる。
授業終了時に課した課題については、次回の授業前日までに回収し、模範解答・解説の配布または動画にて解説を行う。
質問については常時受け付ける（メール対応可）。
| No. | 講義項目 | 担当者 | 開講日 | 授業内容・方法 |
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| 1 | アセチルコリン受容体に作用する薬物① | 牧野 一石 | 9月5日⑤ | 神経伝達物質であるアセチルコリンの生合成経路及び代謝経路について学ぶ。 アセチルコリン受容体アゴニスト及びアンタゴニストとして作用する医薬品の化学構造を列挙し、その構造的な特徴について学ぶ。 【予習】事前にシラバスと講義資料に目を通しておく。 【復習】課題を行ない、アセチルコリン受容体アゴニスト及びアゴニストとして作用する医薬品の化学構造について理解を深める。 【到達目標】A、B、Cに関連する。 |
| 2 | アセチルコリン受容体に作用する薬物② | 牧野 一石 | 9月12日⑤ | 中枢神経系に作用する医薬品として、GABA受容体に関連する医薬品の化学構造を列挙し、その構造的な特徴、合成経路、及び作用機序について学ぶ。 【予習】事前にシラバスと講義資料に目を通しておく。 【復習】課題を行ない、代表的なGABA受容体に関連する医薬品の化学構造と合成経路、並びに作用機序について理解を深める。 【到達目標】A、B、Cに関連する。 |
| 3 | 抗がん剤① | 牧野 一石 | 9月19日⑤ | 抗がん剤を医薬品に化学構造に基づき、アルキル化剤、白金製剤、インターカレター、DNAトポイソメラーゼ阻害剤に分類し、それらの作用機序を分子レベルで学ぶ。 【予習】事前にシラバスと講義資料に目を通しておく。 【復習】課題を行ない、抗がん剤の化学構造と作用機序について理解を深める。 【到達目標】A、B、Cに関連する。 |
| 4 | 抗がん剤② | 牧野 一石 | 9月26日⑤ | 抗がん剤を医薬品に化学構造に基づき、DNAを切断する薬物、代謝拮抗薬に分類し、それらの作用機序を分子レベルで学ぶ。 【予習】事前にシラバスと講義資料に目を通しておく。 【復習】課題を行ない、抗がん剤の化学構造と作用機序について理解を深める。 【到達目標】A、B、Cに関連する。 |
| 5 | 抗がん剤③ | 牧野 一石 | 10月3日⑤ | 抗がん剤を医薬品に化学構造に基づき、分子標的薬、抗体医薬品（抗体薬物複合体）、ホルモン療法薬に分類し、それらの作用機序を分子レベルで学ぶ。 【予習】事前にシラバスと講義資料に目を通しておく。 【復習】課題を行ない、抗がん剤の化学構造と作用機序について理解を深める。 【到達目標】A、B、Cに関連する。 |
| 6 | 中枢神経系に作用する薬物① | 山本 大介 | 10月10日⑤ | 中枢神経系に作用する医薬品として、GABA受容体に関連する医薬品の化学構造を列挙し、その構造的な特徴、合成経路、及び作用機序について学ぶ。 【予習】事前にシラバスと講義資料に目を通しておく。 【復習】課題を行ない、代表的なGABA受容体に関連する医薬品の化学構造と合成経路、並びに作用機序について理解を深める。 【到達目標】A、B、Cに関連する |
| 7 | 中枢神経系に作用する薬物② | 山本 大介 | 10月17日⑤ | 中枢神経系に作用する医薬品として、オピオイド受容体に関連する医薬品の化学構造を列挙し、その構造的な特徴、合成経路、及び作用機序について学ぶ。 【予習】事前にシラバスと講義資料に目を通しておく。 【復習】課題を行ない、代表的なオピオイド受容体に関連する医薬品の化学構造と合成経路、並びに作用機序について理解を深める。 【到達目標】A、B、Cに関連する。 |
| 8 | 糖尿病治療薬 | 山本 大介 | 11月7日⑤ | 代謝系に作用する医薬品として、糖尿病治療薬の化学構造を列挙し、その構造的な特徴、合成経路、及び作用機序について学ぶ。また、化合物の変化などについて、NMR（核磁気共鳴）スペクトルを利用して理解する。 【予習】事前にシラバスと講義資料に目を通しておく。 【復習】課題を行ない、代表的な糖尿病治療薬の化学構造と合成経路、並びに作用機序について理解を深める。 【到達目標】A、B、Cに関連する。 |
| 9 | 骨粗しょう症治療薬・痛風治療薬 | 山本 大介 | 11月14日⑤ | 代謝系に作用する医薬品として、骨粗しょう症治療薬，痛風治療薬の化学構造を列挙し、その構造的な特徴、合成経路、及び作用機序について学ぶ。 【予習】事前にシラバスと講義資料に目を通しておく。 【復習】課題を行ない、代表的な骨粗しょう症治療薬，痛風治療薬の化学構造と合成経路、並びに作用機序について理解を深める。 【到達目標】A、B、Cに関連する。 |
| 10 | 抗菌薬・抗ウイルス薬 | 山本 大介 | 11月21日⑤ | 生体高分子を構成する糖やシアル酸などから創製された代表的な薬剤を列挙し、その構造的な特徴、及び合成経路について学ぶ。また、化合物の変化などについて、NMR（核磁気共鳴）スペクトルを利用して理解する。 遷移状態アナログが競合阻害薬となることについて学ぶ。 【予習】事前にシラバスと講義資料に目を通しておく。 【復習】課題を行ない、糖やシアル酸などから創製された薬剤の化学構造と合成経路、並びに作用機序について理解を深める。 【到達目標】A、B、Cに関連する。 |
| 定期試験 | 牧野担当範囲50％ 山本担当範囲50％ として評価します。 課題が未提出の場合は減点します。 |
| 授業 | |
| その他 | さらに深く学びたい人は、参考書として挙げた書籍を通読することを薦める。 |
生体分子の代謝や医薬品の作用を化学構造式で理解したり、作用発現機構を有機電子論や分子間相互作用によって理解することをめざします。有機化学が苦手な学生にもわかるように、丁寧に説明するように心掛けて講義します。
| 1 | 【授業時間外に必要な学習の時間：30時間】 |
| 2 | シラバスおよび講義資料を熟読した上で、講義に出席すること。講義内容の復習や発展事項に関して、課題を課すので提出すること。復習として教科書として用いる「化学構造と薬理作用 医薬品を化学的に読む 第2版」を読んでおくこと。 学習者は講義を聴講するだけではなく、実際に手を動かして構造式を書き出し、その化学的・生物学的・物理化学的な意味を理解した上で、知識を身に着けることが大切となります。医薬品の作用発現機構を「有機化学」に基づき説明しますので、分子間相互作用や電子の流れを表す「曲がった矢印」については復習しておいてください。 |
| 種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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| 教科書 | 化学構造と薬理作用 医薬品を化学的に読む 第2版 | 柴崎正勝、赤池昭紀、橋田 充 監修 | 廣川書店 |
| 教科書 | 配布資料 | ||
| 参考書 | 化学系薬学Ⅱ. 生体分子・医薬品の化学による理解 | 日本薬学会 編 | 東京化学同人 |
| 参考書 | 現場で役に立つ！臨床医薬品化学 | 臨床医薬品化学研究会 編 | 化学同人 |
| 参考書 | ベーシック薬学教科書シリーズ６創薬科学・医薬化学 | 橘高敦史 編 | 化学同人 |
| 参考書 | 新編 医薬化学 | 日比野 俐、石倉 稔、北川幸己、須本國弘、波多江 典之 編 | 廣川書店 |
| 参考書 | 薬学有機化学と無機化学の基本 | 牧野一石 | 京都廣川書店 |
| 参考書 | 薬がわかる構造式集 | 林 良雄、青柳 裕、飯島 洋 編 | 廣川書店 |
| 参考書 | 創薬化学 有機合成からのアプローチ | 北 泰行、平岡哲夫 編 | 東京化学同人 |
| 参考書 | 創薬科学 | 長 秀連 | 南山堂 |
| 参考書 | 有機医薬品分子論 | 周東 智 | 京都廣川書店 |