科目名 | : | 医療心理学 |
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英文名 | : | Medical Psychology |
科目概要 | : | 薬・創薬, 3年, 前期, 必修・選択, 1単位 A, B, C, D, S, 金曜日1時限, 2202大講義室 |
科目責任者 | : | 有田 悦子 (医療心理学部門・教授) |
担当者 | : | 有田 悦子※(医療心理学部門・教授)、竹平 理恵子※(医療心理学部門・准教授)、正村 優子※(医療心理学部門・助教)、岩滿 優美(医療系研究科) |
備考 | : | NR・サプリメントアドバイザー養成講座対応科目 実務経験のある教員による授業科目(担当者に付されている※印は実務経験のある教員を表す) 〔科目ナンバリング:PP301-HU03, PL301-HU03〕 |
これからの医療人には、疾患(disease)のみでなく患者自身が感じている病気(illness)全体を診る視点が求められている。本講義では、患者主体の医療を提供できるようになるために、病気が患者に及ぼす心理的な影響を理解し、患者やその家族の心理面や価値観に配慮した応対において必要となるコミュニケーションスキルを修得することを目的とする。科目の位置付け:ヒューマニズム系専門科目
この科目は、ディプロマ・ポリシーの薬学科①②③⑥、生命創薬科学科②④に関連する。
第1回目では、既習の「医療コミュニケーション論」の知識と患者心理との関連について導入講義等をする。第2~6回では、患者心理を理解するために必要となる理論を、第7~9回では、患者心理へ配慮したコミュニケーションに関する理論について講義する。また、第10回では、医療従事者のストレスやコーピングについて講義し、対人業務における薬剤師の働き方について説明する。
A:患者心理に配慮した対応について理解できるようになる。
B:病気が患者に及ぼす心理的影響について理解できるようになる。
C:患者が病人である自分を受け入れていくプロセスについて理解できるようになる。
D:患者の価値観が多様であることを理解できるようになる。
E:がん患者の心理や心理的援助について理解できるようになる。
F:慢性疾患患者の心理や行動変容を促す対応につい理解できるようになる。
G:患者・家族の医療や服薬に対する心理に配慮したリスクコミュニケーションについて理解できるようになる。
H:医療者自身のメンタルヘルスやストレスコーピングについて理解できるようになる。
配布資料と教科書を用いて、講義形式にて医療心理学の基本事項等を説明する。
視聴メディア(DVD)等の閲覧やケースに合わせたロールプレイ等のグループワーク後に、討議(ディスカッション)を行う。
次回の講義で、課題の中の特徴的な見解や誤解についてコメントする。
※原則として対面授業にて実施し、一部ライブ型遠隔授業にて受講する。
No. | 講義項目 | 担当者 | 開講日 | 授業内容・方法 |
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1 | 患者心理とその対応①(基礎) | 有田 悦子 | 4月11日① | 患者心理に配慮した対応について学ぶ。 【予習】 事前にシラバスを熟読し理解しておく 【復習】 講義内容の復習とまとめ 【到達目標】Aに関連する。 |
2 | 患者心理の基礎 | 有田 悦子 | 4月18日① | 病気が患者に及ぼす心理的影響について学ぶ。 【予習】 事前にシラバスと教科書の該当部分に目を通しておく 【復習】 講義内容の復習とまとめ 【到達目標】Bに関連する。 |
3 | 病気受容のプロセス | 有田 悦子 | 4月25日① | 患者が病人である自分を受け入れていくプロセスについて学ぶ。 【予習】 事前にシラバスと教科書の該当部分に目を通しておく 【復習】 講義内容の復習とまとめ 【到達目標】Cに関連する。 |
4 | 患者の物語(ナラティブ) ※ライブ | 有田 悦子 竹平 理恵子 正村 優子 | 5月9日① | 患者の価値観が多様であることを学ぶ。グループワークを行う。 【予習】 事前にシラバスと教科書の該当部分に目を通しておく 【復習】 講義内容の復習とまとめ 【到達目標】Dに関連する。 |
5 | がん患者の心理とその対応 | 岩滿 優美 | 5月16日① | がん患者の心理や心理的援助について学ぶ。 【予習】 事前にシラバスと教科書の該当部分に目を通しておく 【復習】 講義内容の復習とまとめ 【到達目標】Eに関連する。 |
6 | 慢性疾患患者の心理とその対応 | 有田 悦子 | 5月23日① | 慢性疾患患者の心理や行動変容を促す対応について学ぶ。 【予習】 事前にシラバスと教科書の該当部分に目を通しておく 【復習】 講義内容の復習とまとめ 【到達目標】Fに関連する。 |
7 | 服薬の心理とコミュニケーション | 有田 悦子 | 5月30日① | 服薬に対する心理に配慮したコミュニケーションについて学ぶ。 【予習】 事前にシラバスと教科書の該当部分に目を通しておく 【復習】 講義内容の復習とまとめ 【到達目標】Gに関連する。 |
8 | 患者心理とその対応② ※ライブ | 有田 悦子 竹平 理恵子 正村 優子 | 6月6日① | 患者の心理に配慮した対応について学ぶ。グループワーク及びロールプレイングを行う。 【予習】 1回~5回の講義内容を確認しておく 【復習】 講義内容の復習とまとめ 【到達目標】A~Gに関連する。 |
9 | 患者・家族の心理とその対応(バッドニュースの伝え方) | 有田 悦子 | 6月13日① | 患者・家族の心理に配慮したリスクコミュニケーションについて学ぶ。 【予習】 事前にシラバスと教科書の該当部分に目を通しておく 【復習】 講義内容の復習とまとめ 【到達目標】A~Gに関連する。 |
10 | 医療従事者のメンタルヘルス | 有田 悦子 | 6月20日① | 医療者自身のメンタルヘルスやストレスコーピングについて学ぶ。 【予習】 事前にシラバスと教科書の該当部分に目を通しておく 【復習】 講義内容の復習とまとめ 【到達目標】Hに関連する。 |
定期試験 | 講義範囲から出題する。記述方式およびマークシート方式にて試験する。持ち込みは禁止。 |
授業 | 各回講義後に課題を提示し、提出内容および提出状況にて評価する。 |
その他 | 評価は、授業への参加姿勢・レポート(50%)、定期試験(50%)にて評価する。なお、欠席・遅刻は減点する。 |
本授業は、医療人として患者やその家族の心理を理解するために必要な事項を学びます。実際に活用するためには、知識の丸暗記ではなく、周囲とディスカッションしたり実際に体験してみることが重要です。授業内で考えたり議論したりする機会を設けますので、積極的に参加するよう心がけてください。
1 | 【授業時間外に必要な学習の時間:30時間】 |
2 | <予習>教科書「基礎から学ぶ!行動科学~理論とその技法」の該当箇所を読んでおくこと。 <復習>講義で配布された資料や参考書を良く読み、わからない点は積極的に質問に来るなどして解決しておくこと。 |
3 | 【実務経験のある教員による授業】(※印が付された担当者) 患者対応の経験を踏まえて、患者心理について解説する。 |
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | ともに学ぶ薬学の心理学 | 吉永真理、有田悦子 | ナカニシヤ出版 |
参考書 | ファーマシューティカルコミュニケーション | "日本ファーマシューティカルコミュニケーション学会監修 有田悦子、井手口直子編 | 南山堂 |
参考書 | 新スタンダード薬学シリーズ 2社会と薬学 | 日本薬学会編 | 東京化学同人 |
参考書 | 薬学生・薬剤師のためのヒューマニズム改訂版 | 日本ファーマシューティカルコミュニケーション学会編 | 羊土社 |
参考書 | ナラティブ・ベイスト・メディスンー臨床における物語と対話ー | 斎藤清二他監訳、トリシャ・グリーンハル他編 | 金剛出版 |
参考書 | 基礎から学ぶ!行動科学~理論とその技法~ | 日本ファーマシューティカルコミュニケーション学会 | 薬事日報社 |
参考書 | 臨床試験従事者のための医療心理学入門 | 有田悦子 | メディカルパブリケーションズ |
参考書 | スキルアップのための医療コミュニケーション | 保坂 隆、町田いづみ、有田悦子 | 南山堂 |
参考書 | スキルアップのための糖尿病の服薬指導 | 厚田幸一郎編 | 南山堂 |
参考書 | 医療心理学の新展開ーチーム医療に活かす心理学の最前線ー | 鈴木伸一編 | 北大路書房 |
参考書 | 医療コミュニケーション・スキル | 山内豊明監訳、マーガレット・ローイド/ロバート・ボア著 | 西村書店 |
参考書 | はじめての医療面接ーコミュニケーション技法とその学び方ー | 斎藤清二 | 医学書院 |
参考書 | 新自分探しの心理学ー自己理解ワークブックー | 川瀬正裕、松本真理子編 | ナカニシヤ出版 |