科目名 | : | 微生物学実習Ⅰ |
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英文名 | : | Practice in Pharmaceutical Microbiology Ⅰ |
科目概要 | : | 薬・創薬, 3年, 前期, 必修, 1単位 A, B, C, D, S, 集中3・4・5限 |
科目責任者 | : | 金 倫基 (微生物学・教授) |
担当者 | : | 金 倫基(微生物学・教授)、三木 剛志(微生物学・准教授)、羽田 健(微生物学・講師)、伊藤 雅洋(微生物学・助教) |
備考 | : | 〔科目ナンバリング:PP304-BI03, PL304-BI03〕 |
微生物学実習Iでは、病原微生物を安全に取扱うための知識と技術を身につけ、無菌操作を実施できるようにする。代表的な病原微生物の培養、形態観察、定量を行うことにより、微生物学Ⅰ・Ⅱ及び免疫学の講義で学んだ知識を深める。
科目の位置付け:生物・生理系専門科目
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の薬学科④⑤、生命創薬科学科①③に関連する。
微生物を取扱う上で必要な知識・技術を身につけ、ウイルス、細菌及び真菌の培養や形態観察を実施する。本実習では、微生物を取扱うために必要な無菌操作の基本技術を身につけ、代表的な細菌のグラム染色、病原細菌の分離同定、真菌の形態観察、ウイルスの増殖・定量を行う。さらに、生体防御反応としての補体による殺菌作用を確認する。
A:滅菌と消毒の概念を説明し、代表的な病原体に対して、適切な滅菌法や消毒法を実施できる。
B:無菌操作により細菌を純培養できる。
C:グラム染色を行い、グラム陽性菌と陰性菌を鑑別できる。
D:代表的な病原細菌の分離・同定法を説明し、細菌の分離培養と同定を実施できる。
E:代表的な真菌の培養法を理解し、形態観察により真菌の特徴的な構造を説明できる。
F:代表的なウイルスの培養法及び定量法を理解し、インフルエンザウイルスを培養し、定量できる。
G:微生物を用いた一般試験法について説明できる。
H:補体の活性化経路及び機能を理解し、補体による殺菌作用を測定できる。
パワーポイントと配付資料を用いて方法を説明したのち、実技をデモンストレーションにより見学する。その後、各自が実技を行う。実習結果はレポートとしてまとめ提出する。レポートは、添削し実習終了後に返却する。原則として対面授業にて実施し、一部オンデマンド型遠隔授業として実施する。
No. | 実習項目 | 担当者 | 授業内容・方法 |
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1 | 基本操作及び滅菌法 | 金 倫基 三木 剛志 羽田 健 伊藤 雅洋 | 1)滅菌と消毒、殺菌と静菌の概念を学ぶ。2)主な滅菌法や消毒法を適切に実施できる。 【予習】微生物学I、微生物学II及び免疫学の関連項目について、配布資料を利用して理解しておく。 【復習】配布資料を見直し、重要なポイントをまとめる。 【到達目標】Aに関連する。 |
2 | グラム染色 | 金 倫基 三木 剛志 羽田 健 伊藤 雅洋 | グラム染色法の原理を理解し、グラム染色により陽性菌と陰性菌を鑑別できる。 【予習】微生物学I、微生物学II及び免疫学の関連項目について、配布資料に目を通しておく。 【復習】配布資料を見直し、重要なポイントをまとめる。 【到達目標】B、Cに関連する。 |
3 | 腸内細菌科細菌の分離培養 | 金 倫基 三木 剛志 羽田 健 伊藤 雅洋 | 1)無菌操作の手技を学び、実施する。2)代表的な腸管系病原細菌の分離培養と純培養の手技、手順を学び、実施する。 【予習】微生物学I、微生物学II及び免疫学の関連項目について、配布資料を利用して理解しておく。 【復習】配布資料を見直し、重要なポイントをまとめる。 【到達目標】B、Dに関連する。 |
4 | 腸内細菌科細菌の同定 | 金 倫基 三木 剛志 羽田 健 伊藤 雅洋 | 細菌の生化学性状試験法、血清学的同定法及び分子遺伝学的診断法の原理、手技について学び、代表的な腸管系病原細菌を同定する。 【予習】微生物学I、微生物学II及び免疫学の関連項目について、配布資料を利用して理解しておく。 【復習】配布資料を見直し、重要なポイントをまとめる。 【到達目標】B、Dに関連する。 |
5 | グラム陽性細菌の分離培養 | 金 倫基 三木 剛志 羽田 健 伊藤 雅洋 | 代表的なグラム陽性細菌の分離培養の手技を学び、実施する。 【予習】微生物学I、微生物学II及び免疫学の関連項目について、配布資料を利用して理解しておく。 【復習】配布資料を見直し、重要なポイントをまとめる。 【到達目標】B、C、Dに関連する。 |
6 | グラム陽性細菌の同定 | 金 倫基 羽田 健 三木 剛志 伊藤 雅洋 | グラム陽性菌の同定法の手技を学び、代表的なブドウ球菌とレンサ球菌を同定する。 【予習】微生物学I、微生物学II及び免疫学の関連項目について、配布資料を利用して理解しておく。 【復習】配布資料を見直し、重要なポイントをまとめる。 【到達目標】B、C、Dに関連する。 |
7 | 真菌の培養と形態観察 | 金 倫基 三木 剛志 羽田 健 伊藤 雅洋 | 代表的な真菌の分離培養法を学び、培養後の真菌を形態観察する。 【予習】微生物学I、微生物学II及び免疫学の関連項目について、配布資料を利用して理解しておく。 【復習】配布資料を見直し、重要なポイントをまとめる。 【到達目標】Eに関連する。 |
8 | ウイルスの増殖と定量 | 金 倫基 三木 剛志 羽田 健 伊藤 雅洋 | 1)代表的なウイルスの培養法について学ぶ。発育鶏卵を用いてインフルエンザウイルスの培養を行う。 2)代表的なウイルスの定量法について学ぶ。赤血球凝集試験によるインフルエンザウイルスの定量を行う。 【予習】微生物学I、微生物学II及び免疫学の関連項目について、配布資料を利用して理解しておく。 【復習】配布資料を見直し、重要なポイントをまとめる。 【到達目標】B、Fに関連する。 |
9 | 細菌を用いた一般試験法 | 金 倫基 羽田 健 三木 剛志 伊藤 雅洋 | 1)微生物を用いた一般試験法について学ぶ。2)細菌を用いた変異原性試験法について、原理、方法及び評価について学ぶ。 【予習】微生物学I、微生物学II及び免疫学の関連項目について、配布資料を利用して理解しておく。 【復習】配布資料を見直し、重要なポイントをまとめる。 【到達目標】B、Gに関連する。 |
10 | 補体反応 | 金 倫基 三木 剛志 羽田 健 伊藤 雅洋 | 補体の活性経路と機能を学ぶ。補体による殺菌作用について定量的に測定する。 【予習】微生物学I、微生物学II及び免疫学の関連項目について、配布資料を利用して理解しておく。 【復習】配布資料を見直し、重要なポイントをまとめる。 【到達目標】Hに関連する。 |
定期試験 | |
授業 | |
その他 | 実技評価(30%)、レポート(40%)及び記述試験(30%) |
微生物学実習では、目で見ることができない微生物を対象として取り扱います。したがって、微生物学実習Ⅰ では、これまで学んできた知識を基に、微生物の取扱い方法を学び、さらに微生物の汚染・拡散を防止できるように無菌操作の技術を修得します。細菌や真菌を顕微鏡下で観察することで、新しい微生物の世界を感じることができると思います。さらに、免疫学からは補体の殺菌能について観察します。免疫の巧妙なシステムについて実感してください。
1 | 【授業時間外に必要な学習の時間:30時間】 |
2 | 微生物学Ⅰ、微生物学Ⅱ及び免疫学などの関連科目をよく復習し、実習に臨むこと。実習後は、実習プリントを見直し、重要なポイントをまとめておく。また、期限内に実習レポートを作成し提出する。不明な点があれば、担当教員に質問すること。 |
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | |||
参考書 | 標準微生物学 第14版 | 神谷茂、錫谷達男、松本哲哉 編 | 医学書院 |
参考書 | 第18改正 日本薬局方解説書 | 日本薬局方解説書編集委員会 編 | 廣川書店 |
参考書 | 衛生試験法・注解 | 日本薬学会 編 | 金原出版株式会社 |