科目名 | : | 物理薬剤学実習 |
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英文名 | : | Practice of Physical Pharmacy |
科目概要 | : | 薬・創薬, 3年, 前期, 必修, 1単位 A, B, C, D, S, 集中3・4・5限 |
科目責任者 | : | 田中 信忠 (創薬物理化学・教授) |
担当者 | : | 田中 信忠(創薬物理化学・教授)、山乙 教之(創薬物理化学・准教授)、中込 泉(創薬物理化学・助教)、小澤 新一郎(創薬物理化学・助教)、吉田 智喜(創薬物理化学・助教) |
備考 | : | 〔科目ナンバリング:PP304-PK03, PL304-PK03〕 |
代表的な製剤材料の種類(固形材料、半固形材料、液状材料、分散系材料)と物性に関する基本的理論、ならびに薬物の安定性(反応速度、複合反応等)に対する影響因子と、安定化のための製剤技術を理解することで、薬物治療において患者に適切な製剤を提供するための基本的知識を修得する。
日本薬局方製剤総則に示された製剤の種類と特性、投与(適用)方法、保存方法等を理解し、適切な調剤、医療従事者への情報提供、患者への服薬指導を通して最適な薬物治療を提供する能力を修得する。
薬物の製剤化に必要な代表的な医薬品添加物、製剤機械及び製造工程や、製剤の品質確保のための製剤試験法、更に医薬品の容器、包装の種類や特徴を理解することで、新たな製剤の開発につなげるとともに、異なる製剤間あるいは同種の製剤間での生物学的同等性の保証について説明する能力を修得する。
科目の位置付け:薬剤系専門科目
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の薬学科④⑤、生命創薬科学科①③に関連する。
薬物の製剤化に必要な物理薬剤学とその基礎となる物理化学の知識を講義する。
軟膏関連製剤の調製を例として、剤形・添加剤の選択に関する知識を講義し、軟膏関連製剤の調製を行う。
錠剤に対する一般試験法を例として、試験法についての内容とその操作法について講義し、錠剤に対する一般試験法を行う。
A: 固形製剤、半固形製剤、液状製剤など、様々な製剤を作成するために必要な製剤材料の種類と物性と関連する基本的理論について理解できる。
B: 製剤の調製に際して、薬物及び医薬品の安定性等を保証するための適切な方策を実施できる。
C: 製剤の種類と特性、及び製剤の投与(適用)方法、保存方法等を理解するとともに、適切な調剤方法を実施でき、患者に説明すべき事項を説明できる。
D: 製剤化で利用する医薬品添加物や、製剤の品質確保のための製剤試験法、生物学的同等性について理解できる。
講義・演習では、パワーポイント、実習書、配布プリントを活用しながら、講義形式ですすめる。
実習では、実習器具の操作法を説明したのち、実技を行う。
実習課題に対する質問とその対応は実習時に行う。実習試験の解説は、実習試験の解説日に行う。
対面授業にて実施する。
詳細は実習予定表で事前に通知して周知する。
No. | 実習項目 | 担当者 | 授業内容・方法 |
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1 | 講義・演習(分散系及び界面現象の科学) | 田中 信忠 | 物理薬剤学実習の目的・内容を理解し、意義と概略について学ぶ。 実習における注意事項を列挙し、その理由について学ぶ。 物理薬剤学実習に必要な物理薬剤学の知識について学ぶ。 さらに、その基礎となる物理化学について学ぶ。 【予習】シラバスを良く読み、この科目でどの様な内容について学ぶのか確認すること。 【復習】配布された物理薬剤学実習書の「分散系及び界面現象の科学」の章と、講義スライドを再度参照し、薬物の製剤化に必要な物理薬剤学とその基礎となる物理化学の知識について把握すること。 【到達目標】A、B、C、Dに関連する。 |
2 | 講義・演習(軟膏関連製剤・一般試験法) 実習準備 | 山乙 教之 吉田 智喜 中込 泉 小澤 新一郎 | 軟膏関連製剤・一般試験法について学び、実習の準備を行う。 【予習】物理薬剤学実習書の「軟膏関連製剤・一般試験法」の章を良く読み、どの様な試薬・器具を用いるのか確認すること。 【復習】物理薬剤学実習書と講義スライドを再度参照し、用いる試薬・器具について把握すること。 【到達目標】A、B、C、Dに関連する。 |
3 | 実習 軟膏関連製剤(軟膏剤) | 山乙 教之 吉田 智喜 | 油脂性軟膏剤と水溶性軟膏剤を調製について学ぶ。 油脂性基剤と水溶性基剤の特徴について学ぶ。 【予習】物理薬剤学実習書の「軟膏関連製剤(軟膏剤)」の項を良く読み、調製する軟膏剤の処方から基剤・有効成分・適用症を確認すること。 【復習】物理薬剤学実習書を再度参照し、どの基剤を用いてどの軟膏剤を調製したのか把握すること。 【到達目標】A、B、C、Dに関連する。 |
4 | 実習 軟膏関連製剤(クリーム剤) | 吉田 智喜 山乙 教之 | クリーム剤を調製について学ぶ。 乳剤性基剤の特徴について学ぶ。 乳剤性基剤の乳化型の判別について学ぶ。 【予習】物理薬剤学実習書の「軟膏関連製剤(クリーム剤)」の項を良く読み、調製するクリーム剤の処方から基剤・乳化剤・有効成分・適用症を確認すること。 【復習】物理薬剤学実習書を再度参照し、どの基剤・乳化剤を用いてどのクリーム剤を調製したのか把握すること。 【到達目標】A、B、C、Dに関連する。 |
5 | 実習 一般試験法(崩壊試験、製剤均一性試験) | 中込 泉 小澤 新一郎 | 質量偏差試験の具体的な手順について学ぶ。 内用固形製剤の崩壊試験の具体的な手順について学ぶ。 【予習】物理薬剤学実習書の「一般試験法(崩壊試験、製剤均一性試験)」の項を良く読み、それぞれの試験法の目的と実験方法を確認すること。 【復習】物理薬剤学実習書を再度参照し、それぞれの試験法をどんな剤形に適用するのか把握すること。 【到達目標】A、B、C、Dに関連する。 |
6 | 実習 一般試験法(溶出試験) | 小澤 新一郎 中込 泉 | 内用固形製剤の溶出試験の具体的な手順について学ぶ。 【予習】物理薬剤学実習書の「一般試験法(溶出試験)」の項を良く読み、試験法の目的と実験方法を確認すること。 【復習】物理薬剤学実習書を再度参照し、溶出試験法の第1~3法の装置とそれぞれどんな剤形に適用するのか把握すること。 【到達目標】A、B、C、Dに関連する。 |
7 | 実習試験 | 山乙 教之 中込 泉 小澤 新一郎 吉田 智喜 | 物理薬剤学実習に関する基本的な問題の解法について学ぶ。 さらに、応用問題の解法について学ぶ。 【予習】実習で行った内容を思い出しながら、物理薬剤学実習書を良く読み、実習書の「実習試験過去問」および「EXERCISES」を解くこと。 【復習】物理薬剤学実習書を参照しながら、自己採点を行うこと。 【到達目標】A、B、C、Dに関連する。 |
8 | 講義・演習(実習試験解説) 実習片付け | 山乙 教之 中込 泉 小澤 新一郎 吉田 智喜 | 実習試験の正答・解説について学ぶ。 実習の片付けを行う。 【予習】物理薬剤学実習書を良く読み、実習試験を再度解くこと。 【復習】示された実習試験の正答・解説を参照しながら、自己採点を行うこと。 【到達目標】A、B、C、Dに関連する。 |
9 | 実習追再試験 | 山乙 教之 中込 泉 小澤 新一郎 吉田 智喜 | 物理薬剤学実習に関する基本的な問題の解法について学ぶ。 さらに、応用問題の解法について学ぶ。 【予習】実習試験で誤ったところを確認しながら、物理薬剤学実習書をもう一度良く読むこと。 【復習】物理薬剤学実習書を参照しながら、自己採点を行うこと。 【到達目標】A、B、C、Dに関連する。 |
定期試験 | |
授業 | 講義・演習3回+実習4回+実習試験2回。 |
その他 | 実習試験の結果(80%)及び実習態度(20%)に基づいて評価する。 |
使用する実習器具の操作法は、各実習の最初に説明します。
1 | 【授業時間外に必要な学習の時間:30時間】 |
2 | 事前に、「物理薬剤学実習書」の該当実習・演習項目を予習した上で実習に臨むこと。 |
3 | 一般試験法の実習・演習の日は、関数電卓を持ってくること。 |
4 | 復習として、使用もしくは常備している軟膏剤やクリーム剤の基剤、界面活性剤について、添付文書等を調べ確認すること。 |
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 物理薬剤学実習書 | 創薬物理化学教室 | 北里大学薬学部 |
参考書 | 実践 製剤学 〔第3版〕 | 飯村菜穂子・荻原琢男(編著) | 京都廣川書店 |
参考書 | 作ってみよう薬局製剤 | 日本薬剤師会(編) | 薬事日報社 |
参考書 | 続・作ってみよう薬局製剤 | 日本薬剤師会(編) | 薬事日報社 |
参考書 | HANDY INTELLIGENCE 日本薬局方・18局準拠 | 平野裕之、市川秀喜 | 京都廣川書店 |
参考書 | 第十八改正日本薬局方・解説書 | 日本薬局方解説書編集委員会(編) | 廣川書店 |
参考書 | 第十八改正日本薬局方 | 厚生労働省 | |
参考書 | 第十八改正日本薬局方第一追補 | 厚生労働省 | |
参考書 | 第十八改正日本薬局方第二追補 | 厚生労働省 |