Web Syllabus(講義概要)
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科目名:理論分子設計学
英文名:Introduction to Theoretical Molecular Design
科目概要:創薬, 3年, 後期, 選択, 1単位
S, 水曜日1時限, 1203講義室
科目責任者:田中 信忠 (創薬物理化学・教授)
担当者:田中 信忠(創薬物理化学・教授)山乙 教之(創薬物理化学・准教授)吉田 智喜(創薬物理化学・助教)
備考:〔科目ナンバリング:PL301-PC03〕

授業の目的(科目のねらい)

新規医薬品開発の初期段階において、分子設計をコンピュータを活用して理論的かつ効率的に行うために必要な知識と技術を修得する。
科目の位置付け:物理系専門科目
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の生命創薬科学科①③に関連する。

教育内容

理論的な分子設計に必要な物理化学の基礎について講義する。
分子設計を行うのに必要な計算をコンピュータを用いて実行する。

学習の到達目標

A: コンピュータを利用した創薬研究の概略を理解できる。
B: コンピュータを用いて、分子を線型表現できる。
C: コンピュータを用いて、タンパク質-リガンド間の相互作用を観察できる。
D: コンピュータを用いて、デザインした化合物とタンパク質との複合体構造を予測できる。
E: コンピュータを用いて、医薬分子設計を理論的に行うために必要な量子化学計算が実施できる。

教育方法

講義は、パワーポイント、講義プリントを活用しながら講義形式ですすめる。
コンピュータ演習は、ノートパソコンを用いて、操作方法を説明しながら、実技を行う。
実技課題に対する質問とその対応は、コンピュータ演習内で行う。
対面授業(収録動画等配信なし)にて実施する。

講義内容

No.講義項目担当者開講日授業内容・方法
1イン・シリコ創薬概説(Ligand-Based Drug Designの基礎、Structure-Based Drug Designの基礎、3次元定量的構造活性相関解析の基礎)
田中 信忠
山乙 教之
吉田 智喜
9月3日①コンピュータを利用した創薬研究の概略について学ぶ。
【予習】シラバスを良く読み、この科目でどの様な内容について学ぶのか確認すること。
【復習】講義スライドを再度参照し、医薬品開発においてどの様な目的でコンピュータが用いられているのか把握すること。
【到達目標】Aに関連する。
2分子の線型表現山乙 教之
吉田 智喜
9月10日①化合物のデータベース検索において用いられる分子の線型表現について学ぶ。
【予習】有機化合物のIUPAC命名法について、有機化学の教科書を読み、おさらいしておくこと。
【復習】第2回レポート課題として、いくつかの有機化合物について、講義プリントを参照しながら、SMILES/SMARTS記法を用いて、線形表現すること。
【到達目標】A、Bに関連する。
3分子の線型表現についてのコンピュータ演習山乙 教之
吉田 智喜
9月17日①分子の線型表現を扱うために必要なコンピュータ操作について学ぶ。
【予習】第2回講義プリントを読み、有機化合物の線形表現についておさらいをしておくこと。
【復習】第2回レポート課題をコンピュータを用いて自己採点し、誤っていたものについては、コンピュータを用いて修正し、第3回レポートとして提出すること。
その際、自分の解答のどこが誤っていたのか、第2回講義プリントを参照しながら確認すること。
【到達目標】A、Bに関連する。
4分子力場/分子力学法についてのコンピュータ演習吉田 智喜
山乙 教之
9月24日①タンパク質-リガンド間相互作用を理解するための基礎となる分子力場/分子力学法について学ぶ。
【予習】分子内の結合伸縮運動・変角運動・ねじれ角運動、分子間の静電相互作用・van der Waals相互作用・水素結合について、物理化学・分析化学・生化学などの教科書を読み、おさらいしておくこと。
【復習】第4回レポート課題として、いくつかの有機化合物について、講義プリントを参照しながら、コンピュータを用いて分子力学計算を行うこと。
【到達目標】A、Cに関連する。
5タンパク質-リガンド間相互作用についてのコンピュータ演習山乙 教之
吉田 智喜
10月1日①タンパク質-リガンド間の相互作用を観察するために必要なコンピュータ操作について学ぶ。
【予習】タンパク質を構成する20種のアミノ酸に関して、親/疎水性、酸/塩基性、水素結合性について、生化学の教科書を読み、おさらいしておくこと。
【復習】第6回の準備として、講義プリントを参照しながら、コンピュータを用いて、タンパク質とリガンドそれぞれの調整を行うこと。
また、コンピュータを用いて、課題のタンパク質-リガンド複合体X線構造中に、どのアミノ酸残基がリガンドと、どんな種類の相互作用(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用)をしているのか確認すること。
【到達目標】A、Cに関連する。
6リガンドドッキングについてのコンピュータ演習山乙 教之
吉田 智喜
10月8日①デザインした化合物とタンパク質との複合体構造を予測するために必要なコンピュータ操作について学ぶ。
【予習】課題のタンパク質-リガンド複合体X線構造(正答)中のタンパク質-リガンド間相互作用について、相手残基と相互作用の種類を再確認すること。
【復習】第6回レポート課題として、講義プリントを参照しながら、コンピュータを用いて、リガンドをタンパク質にドッキングすること。
そして、コンピュータが計算したドッキング構造が、正答であるタンパク質-リガンド複合体X線構造をどの程度再現していたのか考察すること。
【到達目標】A、C、Dに関連する。
7分子動力学法についてのコンピュータ演習
吉田 智喜
山乙 教之
10月15日①タンパク質-リガンド複合体の動的挙動や安定性を評価するための分子動力学法について学ぶ。
【予習】分子動力学法の基礎となる分子力場/分子力学法について、第4回講義プリントを読み、おさらいしておくこと。
【復習】第7回レポート課題として、講義プリントを参照しながら、コンピュータを用いて分子動力学計算を行うこと。
【到達目標】A、C、Dに関連する。
8結合親和性の評価についてのコンピュータ演習
吉田 智喜
山乙 教之
10月22日①タンパク質-リガンド間の結合親和性を予測するために必要なコンピュータ操作について学ぶ。
【予習】第5,6回で課題としたタンパク質-リガンド複合体中のタンパク質-リガンド間相互作用について、相手残基と相互作用の種類を再確認すること。
【復習】第8回レポート課題として、講義プリントを参照しながら、コンピュータを用いて、タンパク質-リガンド複合体構造の結合親和性評価を行うこと。
【到達目標】A、C、Dに関連する。
9量子化学計算入門とコンピュータ演習(1)
吉田 智喜
山乙 教之
10月29日①医薬分子設計を理論的に行うために必要な量子化学計算をするためのコンピュータ操作について学ぶ。
【予習】事前配布する講義プリントを読み、量子化学計算についてあらかじめ概要を知っておくこと。
【復習】第9回レポート課題として、いくつかの分子について、講義プリントを参照しながら、コンピュータを用いて量子化学計算を行うこと。
【到達目標】A、Eに関連する。
10量子化学計算入門とコンピュータ演習(2)吉田 智喜
山乙 教之
11月12日①医薬分子設計を理論的に行うために必要な量子化学計算をするためのコンピュータ操作について学ぶ。
【予習】反応速度、活性化エネルギーについて、物理化学・有機化学などの教科書を読み、おさらいしておくこと。
【復習】第10回レポート課題として、いくつかの分子について、講義プリントを参照しながら、コンピュータを用いて量子化学計算を行うこと。
【到達目標】A、Eに関連する。
No. 1
講義項目
イン・シリコ創薬概説(Ligand-Based Drug Designの基礎、Structure-Based Drug Designの基礎、3次元定量的構造活性相関解析の基礎)
担当者
田中 信忠
山乙 教之
吉田 智喜
開講日
2025-09-03
授業内容・方法
コンピュータを利用した創薬研究の概略について学ぶ。
【予習】シラバスを良く読み、この科目でどの様な内容について学ぶのか確認すること。
【復習】講義スライドを再度参照し、医薬品開発においてどの様な目的でコンピュータが用いられているのか把握すること。
【到達目標】Aに関連する。
No. 2
講義項目
分子の線型表現
担当者
山乙 教之
吉田 智喜
開講日
2025-09-10
授業内容・方法
化合物のデータベース検索において用いられる分子の線型表現について学ぶ。
【予習】有機化合物のIUPAC命名法について、有機化学の教科書を読み、おさらいしておくこと。
【復習】第2回レポート課題として、いくつかの有機化合物について、講義プリントを参照しながら、SMILES/SMARTS記法を用いて、線形表現すること。
【到達目標】A、Bに関連する。
No. 3
講義項目
分子の線型表現についてのコンピュータ演習
担当者
山乙 教之
吉田 智喜
開講日
2025-09-17
授業内容・方法
分子の線型表現を扱うために必要なコンピュータ操作について学ぶ。
【予習】第2回講義プリントを読み、有機化合物の線形表現についておさらいをしておくこと。
【復習】第2回レポート課題をコンピュータを用いて自己採点し、誤っていたものについては、コンピュータを用いて修正し、第3回レポートとして提出すること。
その際、自分の解答のどこが誤っていたのか、第2回講義プリントを参照しながら確認すること。
【到達目標】A、Bに関連する。
No. 4
講義項目
分子力場/分子力学法についてのコンピュータ演習
担当者
吉田 智喜
山乙 教之
開講日
2025-09-24
授業内容・方法
タンパク質-リガンド間相互作用を理解するための基礎となる分子力場/分子力学法について学ぶ。
【予習】分子内の結合伸縮運動・変角運動・ねじれ角運動、分子間の静電相互作用・van der Waals相互作用・水素結合について、物理化学・分析化学・生化学などの教科書を読み、おさらいしておくこと。
【復習】第4回レポート課題として、いくつかの有機化合物について、講義プリントを参照しながら、コンピュータを用いて分子力学計算を行うこと。
【到達目標】A、Cに関連する。
No. 5
講義項目
タンパク質-リガンド間相互作用についてのコンピュータ演習
担当者
山乙 教之
吉田 智喜
開講日
2025-10-01
授業内容・方法
タンパク質-リガンド間の相互作用を観察するために必要なコンピュータ操作について学ぶ。
【予習】タンパク質を構成する20種のアミノ酸に関して、親/疎水性、酸/塩基性、水素結合性について、生化学の教科書を読み、おさらいしておくこと。
【復習】第6回の準備として、講義プリントを参照しながら、コンピュータを用いて、タンパク質とリガンドそれぞれの調整を行うこと。
また、コンピュータを用いて、課題のタンパク質-リガンド複合体X線構造中に、どのアミノ酸残基がリガンドと、どんな種類の相互作用(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用)をしているのか確認すること。
【到達目標】A、Cに関連する。
No. 6
講義項目
リガンドドッキングについてのコンピュータ演習
担当者
山乙 教之
吉田 智喜
開講日
2025-10-08
授業内容・方法
デザインした化合物とタンパク質との複合体構造を予測するために必要なコンピュータ操作について学ぶ。
【予習】課題のタンパク質-リガンド複合体X線構造(正答)中のタンパク質-リガンド間相互作用について、相手残基と相互作用の種類を再確認すること。
【復習】第6回レポート課題として、講義プリントを参照しながら、コンピュータを用いて、リガンドをタンパク質にドッキングすること。
そして、コンピュータが計算したドッキング構造が、正答であるタンパク質-リガンド複合体X線構造をどの程度再現していたのか考察すること。
【到達目標】A、C、Dに関連する。
No. 7
講義項目
分子動力学法についてのコンピュータ演習
担当者
吉田 智喜
山乙 教之
開講日
2025-10-15
授業内容・方法
タンパク質-リガンド複合体の動的挙動や安定性を評価するための分子動力学法について学ぶ。
【予習】分子動力学法の基礎となる分子力場/分子力学法について、第4回講義プリントを読み、おさらいしておくこと。
【復習】第7回レポート課題として、講義プリントを参照しながら、コンピュータを用いて分子動力学計算を行うこと。
【到達目標】A、C、Dに関連する。
No. 8
講義項目
結合親和性の評価についてのコンピュータ演習
担当者
吉田 智喜
山乙 教之
開講日
2025-10-22
授業内容・方法
タンパク質-リガンド間の結合親和性を予測するために必要なコンピュータ操作について学ぶ。
【予習】第5,6回で課題としたタンパク質-リガンド複合体中のタンパク質-リガンド間相互作用について、相手残基と相互作用の種類を再確認すること。
【復習】第8回レポート課題として、講義プリントを参照しながら、コンピュータを用いて、タンパク質-リガンド複合体構造の結合親和性評価を行うこと。
【到達目標】A、C、Dに関連する。
No. 9
講義項目
量子化学計算入門とコンピュータ演習(1)
担当者
吉田 智喜
山乙 教之
開講日
2025-10-29
授業内容・方法
医薬分子設計を理論的に行うために必要な量子化学計算をするためのコンピュータ操作について学ぶ。
【予習】事前配布する講義プリントを読み、量子化学計算についてあらかじめ概要を知っておくこと。
【復習】第9回レポート課題として、いくつかの分子について、講義プリントを参照しながら、コンピュータを用いて量子化学計算を行うこと。
【到達目標】A、Eに関連する。
No. 10
講義項目
量子化学計算入門とコンピュータ演習(2)
担当者
吉田 智喜
山乙 教之
開講日
2025-11-12
授業内容・方法
医薬分子設計を理論的に行うために必要な量子化学計算をするためのコンピュータ操作について学ぶ。
【予習】反応速度、活性化エネルギーについて、物理化学・有機化学などの教科書を読み、おさらいしておくこと。
【復習】第10回レポート課題として、いくつかの分子について、講義プリントを参照しながら、コンピュータを用いて量子化学計算を行うこと。
【到達目標】A、Eに関連する。

評価方法と基準

定期試験 
授業講義2回+コンピュータ演習8回
その他レポート(計8回)の合計点に基づいて評価する(100%)。

学生へのメッセージ

ノートパソコンを使って実際に作業をします。
毎回、ノートパソコン本体、ACアダプター+電源ケーブル、USBハブ、マウスを忘れずに持って来てください。
(LANケーブはこちらで用意します。)
また、操作方法についての説明を聞きながら、全員揃ってPCを操作するため、遅刻は厳禁です。

準備学習(予習・復習)・その他

1【授業時間外に必要な学習の時間:30時間】
2予習として、アミノ酸残基の主鎖、側鎖、その化学構造式、また、アミノ酸残基が形成することができる水素結合、静電相互作用、疎水性相互作用について復習しておくこと。
3コンピュータ演習で説明した医薬分子設計用ソフトウェアの使い方を復習すること。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書講義プリント創薬物理化学教室北里大学薬学部
参考書タンパク質計算科学 基礎と創薬への応用神谷成敏・肥後順一・福西快文・中村春木共立出版
教科書
署名
講義プリント
著者・編者
創薬物理化学教室
発行所
北里大学薬学部
参考書
署名
タンパク質計算科学 基礎と創薬への応用
著者・編者
神谷成敏・肥後順一・福西快文・中村春木
発行所
共立出版