科目名 | : | 放射薬品学実習 |
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英文名 | : | Practice in Radiopharmaceutical Chemistry |
科目概要 | : | 薬・創薬, 3年, 前期, 選択, 1単位 A, B, C, D, S, 集中1・2・3・4・5限 |
科目責任者 | : | 坂本 光 (放射性同位元素研究室・講師) |
担当者 | : | 坂本 光(放射性同位元素研究室・講師) |
備考 | : | 〔科目ナンバリング:PP304-PC03, PL304-PC03〕 |
薬剤師または薬学研究者として、放射性医薬品及び放射性化合物を安全に取り扱えるようになるために、放射能・電離放射線の測定、標識法についての基本的な知識と取扱手技を修得する。
科目の位置付け:物理系専門科目
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の薬学科①④、生命創薬科学科①に関連する。
実習では、密封されていない放射性物質を取り扱う。放射性同位元素(RI)の利用は法律で厳密に規制されており、使用者は使用を開始する前に、放射性同位元素等を取り扱う際に遵守すべきことや法律に関する講義(教育訓練)を受けなければならない。実習では、先ず、教育訓練を実施したのち、実習内容の概要を説明する。次いで、学生は実際に放射性物質を取り扱い、その放射能を測定して、放射性物質の安全取り扱い方法やRIを用いた実験手法を経験する。
A:放射性物質の安全取扱に係る事項や関連法令について理解する。
B:放射線(β線、γ線、X線)の物理的性質について理解する。
C:放射線(β線、γ線、X線)の検出方法及び測定方法について理解し、習得する。
D:放射性物質による汚染の検査法について理解し、習得する。
E:タンパク質の放射性同位元素による標識法について理解し、習得する。
F:検査用放射性医薬品に用いられるラジオイムノアッセイ法について理解し、習得する。
教育訓練は、パワーポイントと視聴覚メディア(DVD)を用いて講義形式で行う。
実習では、パワーポイント、実習書及び配布資料を用いて方法や注意事項を説明したのち、実技を行う。
対面授業にて実施する。
提出されたレポートは、必要に応じてコメントを付記し返却する。
No. | 実習項目 | 担当者 | 授業内容・方法 |
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1 | 実習講義・教育訓練 | 坂本 光 | 放射薬品学実習の目的と放射性物質を取り扱う際の注意事項、放射性物質の利用に関して遵守すべき事について学ぶ。 【予習】事前に実習書の該当項目(項目1)を読み、わからない部分を整理しておく。 【復習】講義後、内容を理解するために整理し、疑問点があれば担当教員に質問する。 【到達目標】Aに関連する。 |
2 | GM 計数管 | 坂本 光 | GM 計数管の特性、最適な測定条件の設定方法を学ぶ。天然に存在する放射性核種を検出し、測定値から含量を推定する方法を学ぶ。 【予習】事前に実習書の当該ページ、参考書の該当項目及び関連項目(p185〜199)を読み、実験の概要を把握しておく。 【復習】実験後、結果を整理してレポートを作成する。 【到達目標】B、Cに関連する。 |
3 | 液体シンチレーションカウンター | 坂本 光 | β線測定装置の特性、β線放出核種を最適な条件で測定する方法を学ぶ。 【予習】事前に実習書の当該ページ、参考書の該当項目及び関連項目(p203〜212、p216、p243)を読み、実験の概要を把握しておく。 【復習】実験後、結果を整理してレポートを作成する。 【到達目標】B、C、Dに関連する。 |
4 | ウェル型シンチレーションカウンター | 坂本 光 | γ線検出器の特性、γ線放出核種を最適な条件で測定する方法を学ぶ。 【予習】事前に実習書の当該ページ、参考書の該当項目及び関連項目(p203〜207、p212〜215)を読み、実験の概要を把握しておく。 【復習】実験後、結果を整理してレポートを作成する。 【到達目標】B、C、Dに関連する。 |
5 | Ge(HPGe)検出器 | 坂本 光 | γ線のエネルギースペクトル、γ線と物質との相互作用について学ぶ。 【予習】事前に実習書の当該ページ、参考書の該当項目及び関連項目(p199〜203、p220〜221)を読み、実験の概要を把握しておく。 【復習】実験後、結果を整理してレポートを作成する。 【到達目標】B、Cに関連する。 |
6 | 距離及び遮蔽 | 坂本 光 | 放射線量の低減方法、放射線被曝の防御方法について学ぶ。 【予習】事前に実習書の当該ページ、参考書の該当項目及び関連項目(p115~117、p135~136、p212〜215、p317〜321、p330〜333)を読み、実験の概要を把握しておく。 【復習】実験後、結果を整理してレポートを作成する。 【到達目標】B、Cに関連する。 |
7 | 放射平衡とミルキング | 坂本 光 | 放射性核種の減衰、半減期及びジェネレーターを用いた放射性核種の調製方法について学ぶ。 【予習】事前に実習書の当該ページ、参考書の該当項目及び関連項目(p57〜62)を読み、実験の概要を把握しておく。 【復習】実験後、結果を整理してレポートを作成する。 【到達目標】Bに関連する。 |
8 | タンパク質のヨウ素標識 | 坂本 光 | 放射性ヨウ素を用いてタンパク質を標識し、標識タンパク質から放射性無機ヨウ素を分離する方法について学ぶ。 【予習】事前に実習書の当該ページ、参考書の該当項目及び関連項目(p311〜313)を読み、実験の概要を把握しておく。 【復習】実験後、結果を整理してレポートを作成する。 【到達目標】Eに関連する。 |
9 | ラジオアッセイ | 坂本 光 | ラジオイムノアッセイを用いた物質(抗原)の定量法について学ぶ。 【予習】事前に実習書の当該ページ、参考書の該当項目及び関連項目(p307〜310)を読み、実験の概要を把握しておく。 【復習】実験後、結果を整理してレポートを作成する。 【到達目標】Fに関連する。 |
10 | 試験 | 坂本 光 | 放射薬品学実習に関する問題を解き、理解度を確認する。 【予習】事前に本実習で行った事項について総ざらいしてみる。 【復習】解けなかった問題があれば、試験後、参考書等を用いて調べ考える。 【到達目標】A、B、C、D、E、Fに関連する。 |
定期試験 | |
授業 | |
その他 | 実習態度(40%)、レポート(30%)及び実習試験(30%)にて評価する。 |
実習ではβ線、γ・X線放出核種を用いるが、被ばく線量は人体に殆ど影響がないレベルである。実習による被ばく(外部被ばく)の殆どは皮膚の被ばくであり、防護することができる。放射線に晒される機会はあるかも知れないが、能動的に放射性物質を取り扱う機会は少ないと思う。講義では理解し難かったことが、実習で放射性物質を取り扱うことにより理解できるかも知れない。実習は管理された下で放射性物質を取り扱う数少ない機会のひとつであると思うので、興味があったら履修することを考えて欲しい。
1 | 【授業時間外に必要な学習の時間:30時間】 |
2 | 放射薬品学講義の内容を復習して実習に臨むこと。 |
3 | 実習終了後、内容や手法について振り返り、分からないことがあれば質問に来ること。 |
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 放射薬品学実習書 | 放射性同位元素研究室 編 | 北里大学薬学部 |
参考書 | 薬学放射化学 第2版 -生体と放射化学、放射性医薬品- | 坂本 光 | 京都廣川書店 |