科目名 | : | 地域医療薬学Ⅰ |
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英文名 | : | Pharmaceutical Health Care and Sciences in Community Pharmacy PracticeⅠ |
科目概要 | : | 薬・創薬, 3年, 後期, 必修・選択, 1単位 A, B, C, D, S, 金曜日4時限, 2202大講義室 |
科目責任者 | : | 根岸 健一 (地域医療薬学・教授) |
担当者 | : | 根岸 健一※(地域医療薬学・教授)、川上 美好※(地域医療薬学・准教授)、婦川 貴博※(医療安全管理学・助教)、森 大輝※(地域医療薬学・助教) |
備考 | : | 健康食品管理士養成講座対応科目 NR・サプリメントアドバイザー養成講座対応科目 漢方医薬学履修プログラム対応科目 実務経験のある教員による授業科目(担当者に付されている※印は実務経験のある教員を表す) 〔科目ナンバリング:PP301-CP03, PL301-CP03〕 |
適切な薬物治療及び地域での保健・医療・福祉に貢献できるようになるために、保険調剤、在宅医療、地域保健、福祉、プライマリケア、セルフメディケーションに関する基本的知識を修得する。
科目の位置付け:臨床薬学系専門科目
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の薬学科③④、生命創薬科学科①に関連する。
5年次の薬局実習に向けて、地域の保険薬剤師として活躍するために必要な知識を講義する。
【A:地域の保健・医療】
地域の保健・医療の現状と課題、良質な医療を確保するための枠組み、地域における薬局機能と薬剤師の役割について理解し、未病・予防、治療、予後管理・看取りまでの地域の保健・医療へのニーズに対応する能力を身に付ける。
【B:地域住民の疾病予防・健康維持・増進の推進、介護・福祉への貢献】
「社会と薬学」で学ぶ社会制度や薬剤師に求められる社会貢献を見据え、疾病予防や健康管理の知識「医療薬学」で学ぶセルフケア、セルフメディケーションの知識、「衛生薬学」で学ぶ栄養や食品衛生等の知識を、実際の臨床や地域社会で活用することで、住民自らの疾病予防や健康維持・増進につながる行動を薬剤師として支援し、プライマリケアを実践するとともに、多職種と連携しながら、地域包括ケアの担い手として積極的に参画する能力を身に付ける。
【C:患者情報】
「薬剤師の責務」を踏まえ、患者から発生する情報やその情報をやりとりする媒体や手段、更にはその進歩を理解し、最適な薬物治療を提供するために必要な患者情報を評価する能力を身に付ける。
【D:多職種連携】
多様な専門職の職能や自他尊重のコミュニケーションについて理解し、良好な相互理解に基づく多職種連携を通じて、患者・生活者に質の高い医療、保健、介護、福祉を提供する能力を身に付ける。
【E:医療・介護・福祉の制度】
社会における国民のためのセーフティネットの制度と枠組み、薬剤師の任務、社会保障改革の動向について理解し、社会保障制度の下で適切な役割を実践し、質の高い医療、介護、福祉を提供する能力を身に付ける。
【F:多職種連携への参画・薬剤師の職能発揮】
「社会と薬学」で学ぶ薬剤師及び多職種の職能の理解と自他尊重のコミュニケーション力を基に、多職種連携の中で薬剤師の専門性を積極的かつ柔軟に発揮する能力や多職種と信頼関係を築きチーム形成を促す能力を身に付ける。医療、保健、介護、福祉の全体を捉えて薬剤師に求められる役割を考え、患者・生活者中心の質の高い医療、保健、介護、福祉に携わる心構えを持つ。
【G:セルフケア、セルフメディケーション】
代表的な症状と見逃してはいけない状況を適切に判断し、症状や病態に合わせて医療機関への受診勧奨、セルフケア、セルフメディケーションのいずれかに振り分けるための根拠を学ぶ。要指導医薬品や一般用医薬品を提案する際に、それらを適切に選択するために必要な基本的事項を把握し、患者の生活状況を配慮することの重要性を学ぶ。要指導医薬品や一般用医薬品と医療用医薬品、食品等との間の相互作用を学ぶ。
【H:医薬品情報の情報源と収集】
「情報・科学技術の活用」での学びを振り返り、医薬品情報の情報源の特性を理解し、適切な情報源を選択し、適切に使用し、評価に足る情報を入手する能力を身に付ける。
パワーポイントと配布資料を用いた講義形式ですすめる。
課題の模範解答は当該講義内で公開、もしくは次回の講義までにホームページにアップロードする。
対面授業にて実施する。
No. | 講義項目 | 担当者 | 開講日 | 授業内容・方法 |
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1 | 地域医療薬学総論 | 根岸 健一 | 9月5日④ | 地域における薬剤師の役割とファーマシューティカルケアについて説明する。 地域における薬局の機能と業務について説明する。 薬局における薬剤師業務全体の流れを概説する。 【予習】シラバスに目を通しておくこと。 【復習】地域における薬剤師の役割と薬局の機能について、配布資料と講義内容を復習し、まとめること。 【到達目標】A、Bに関連する。 |
2 | セルフメディケーション概論 | 根岸 健一 | 9月12日④ | 地域における疾病予防、健康維持増進、セルフメディケーションのために薬局や薬剤師が果たす役割を概説する。 現在の医療システムの中でのプライマリケア、セルフメディケーションの重要性について概説する。 【予習】シラバスに目を通しておくこと。 【復習】セルフメディケーションにおける薬局・薬剤師が果たす役割について、配布資料と講義内容を復習し、まとめること。 【到達目標】Gに関連する。 |
3 | 患者情報と服薬指導① | 川上 美好 | 9月19日④ | 薬物治療に必要な患者基本情報を挙げられる。 患者情報源の種類を挙げ、それぞれの違いを学ぶ。 問題志向型システム(POS)を学ぶ。 SOAP 形式などの患者情報の記録方法について学ぶ。 薬歴の基本的な記載事項とその意義・重要性について学ぶ。 【予習】シラバスに目を通しておくこと。 【復習】POSと患者情報の記録方法について、配布資料と講義内容を復習し、まとめること。 【到達目標】Cに関連する。 |
4 | 患者情報と服薬指導② | 婦川 貴博 | 9月26日④ | 薬物治療に必要な患者情報(症状、心理状態、既往歴、生活習慣、アレルギー歴、薬歴、副作用歴)について学ぶ。 薬歴や薬剤情報提供文書、お薬手帳などを利用した服薬指導について学ぶ。 種々の情報源(薬歴、お薬手帳、持参薬等)からの薬物治療に必要な情報の収集について学ぶ。 主な医薬品の効能・効果、用法・用量、警告・禁忌、副作用、相互作用、保管方法等について適切に学ぶ。 【予習】シラバスに目を通しておくこと。 【復習】薬物治療に必要な患者情報とその情報を活用した服薬指導について、配布資料と講義内容を復習し、まとめること。 【到達目標】Cに関連する。 |
5 | 地域包括ケアと在宅医療・介護 | 森 大輝 | 10月3日④ | 地域包括ケアの理念について学ぶ。 在宅医療及び居宅介護における薬局と薬剤師の役割について学ぶ。 在宅医療・介護の目的、仕組み、支援の内容を学ぶ。 在宅医療・介護を受ける患者の特色と背景を学ぶ。 【予習】シラバスに目を通しておくこと。 【復習】地域包括ケア、在宅医療・介護について、配布資料と講義内容を復習し、まとめること。 【到達目標】D、E、Fに関連する。 |
6 | 地域保健 | 根岸 健一 | 10月10日④ | 学校薬剤師の役割について学ぶ。 地域保健における薬剤師の役割と代表的な活動(薬物乱用防止、自殺防止、感染予防、アンチドーピング活動等について学ぶ。 災害時の薬局の役割について学ぶ。 災害時医療について概説できる。 【予習】シラバスに目を通しておくこと。 【復習】地域保健における薬剤師の役割について、配布資料と講義内容を復習し、まとめること。 【到達目標】A、B、D、Eに関連する。 |
7 | 一般用医薬品の分類と要指導医薬品 | 川上 美好 | 10月17日④ | 医薬品の分類、一般用医薬品と要指導医薬品、医療用医薬品の違いを概説する。 一般用医薬品のリスクの程度に応じた分類(第一類、第二類、第三類)、要指導医薬品について説明し、要指導医薬品、一般用医薬品の販売制度について学ぶ。 要指導医薬品、主な一般用医薬品を列挙し、その使用目的を学ぶ。 【予習】シラバスに目を通しておくこと。 【復習】一般用医薬品・要指導医薬品の分類、販売制度、使用目的について、配布資料と講義内容を復習し、まとめること。 【到達目標】A、Gに関連する。 |
8 | 一般用医薬品・要指導医薬品の添付文書 副作用・相互作用 | 婦川 貴博 | 11月7日④ | 一般用医薬品・要指導医薬品の添付文書の法的位置づけについて学ぶ。 一般用医薬品・要指導医薬品の添付文書の記載項目(警告、禁忌、効能・効果、用法・用量、使用上の注意など)を挙げ、それらの意味や記載すべき内容について学ぶ。 一般用医薬品、要指導医薬品と医療用医薬品、サプリメント、保健機能食品等との代表的な相互作用を学ぶ。 要指導医薬品、主な一般用医薬品の副作用、医療用医薬品の相互作用について学ぶ。 【予習】シラバスに目を通しておくこと。 【復習】一般用医薬品・要指導医薬品の添付文書、副作用、相互作用について、配布資料と講義内容を復習し、まとめること。 【到達目標】A、D、Hに関連する。 |
9 | 要指導医薬品、一般用医薬品の相談・販売・モニタリング① | 川上 美好 | 11月14日④ | 要指導医薬品、一般用医薬品の選択、受診勧奨の要否を判断するために必要な患者情報について学ぶ。 要指導医薬品、一般用医薬品の適正使用に必要な情報について学ぶ。 要指導医薬品、主な一般用医薬品の効能・効果、用法・用量、警告・禁忌、副作用、相互作用、保管方法等について適切に学ぶ。 販売後のモニタリングの実施と有害事象が発生した場合の対応について学ぶ。 【予習】シラバスに目を通しておくこと。 【復習】要指導医薬品・一般用医薬品の相談・販売・モニタリングについて、配布資料と講義内容を復習し、まとめること。 【到達目標】A、Gに関連する。 |
10 | 要指導医薬品、一般用医薬品の相談・販売・モニタリング② | 川上 美好 | 11月21日④ | 要指導医薬品、一般用医薬品の選択、受診勧奨の要否を判断するために必要な患者情報について学ぶ。 要指導医薬品、一般用医薬品の適正使用に必要な情報について学ぶ。 要指導医薬品、主な一般用医薬品の効能・効果、用法・用量、警告・禁忌、副作用、相互作用、保管方法等について適切に学ぶ。 販売後のモニタリングの実施と有害事象が発生した場合の対応について学ぶ。 【予習】シラバスに目を通しておくこと。 【復習】要指導医薬品・一般用医薬品の相談・販売・モニタリングについて、配布資料と講義内容を復習し、まとめること。 【到達目標】A、Gに関連する。 |
定期試験 | 試験の得点を評価する(80%)。 |
授業 | 授業回数10回+定期試験。 |
その他 | 受講態度(欠席、遅刻、早退及び課題の内容・提出状況など)を評価する(20%)。 ※尚、講義終了後1週間以内に正当な理由による欠席の申し出がなく、講義10回中7回(2/3)以上の出席が確認できない者には、原則、単位を与えない。 |
実務実習に向けて、必要な基本的知識を学ぶ科目です。実務実習で「実践的能力」をつけるための知識を蓄えましょう。積極的に講義に出席してください。
本科目は、健康食品管理士、NR・サプリメントアドバイザーの資格試験受験のための、必修科目である。
1 | 【授業時間外に必要な学習の時間:30時間】 |
2 | 事前にシラバスを読んで講義内容を把握し、講義に臨むこと。また、配布した資料をよく復習し、わからない点があったら積極的に質問に来ること。 |
3 | 【実務経験のある教員による授業】(※印の付された担当者) 保険薬剤師として保険薬局での実務経験を活かし、保険調剤、在宅医療、地域保健、福祉、プライマリケア、セルフメディケーションに関する基本的知識を講義する。 |
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | ・新ビジュアル薬剤師実務シリーズ(上)薬剤師業務の基本[知識・態度] ・配布プリント | 上村 直樹,平井 みどり | 羊土社 |
参考書 | 調剤学総論 | 堀岡 正義 | 南山堂 |