科目名 | : | 臨床検査学Ⅰ |
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英文名 | : | Medical TechnologyⅠ |
科目概要 | : | 薬, 3年, 前期, 必修, 1単位 A, B, C, D, 木曜日1時限, 2202大講義室 |
科目責任者 | : | 喜来 望 (学習支援室・講師) |
担当者 | : | 喜来 望(学習支援室・講師) |
備考 | : | 〔科目ナンバリング:PP301-CP03〕 |
診断・治療ガイドライン等に即して、患者個々人に対応する適切な治療計画を作り実践に寄与するために、疾患の発症メカニズムと病態、疾患の概念を理解すると共に、疾患や傷害によって現れるからだの変化を科学的に分析・評価する方法を学ぶ。また、検査結果を診断のみならず経過の把握に反映させるための考え方を学ぶ。
科目の位置付け:薬理・病態系
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の薬学科④⑤に関連する。
解剖学や生理学で学んだ、人体を構成する各器官系と器官系を構成する主要な器官(臓器)の構成や機能及び相互の連携の概要を復習する。また、体液の恒常性維持に関連して、呼吸器や泌尿器系などの連携について復習する。医療現場で実施される各種検査方法及び代表的な疾患について実施される検査とその意義について理解し、修得する。臨床的に重要な身体的変化と臨床検査値について、その症状及び異常値の発現メカニズムを身体の反応と結びつけて理解し、修得する。
A:医療現場で実施される各種検査方法及び代表的な疾患について実施される検査とその意義について理解し、説明できる。
B:人体を構成する器官系と主要な臓器の構造と機能を理解し、説明できる。
C:疾患の発症メカニズムを生体の恒常性と関連付けた上で、異常反応としての病態を理解し、説明できる。
D:体液組成とその恒常性維持機構(体液の酸・塩基平衡の調節機構)について理解し、説明できる。
E:臨床検査の異常値の発現メカニズムを、身体の正常反応と病的変化に結び付け、臨床的意義を説明するとともに、臨床検査値の測定メカニズムを理解し、説明できる。
F:治療や診断に用いられる医薬品の役割を説明できる。
パワーポイントと配布資料を用いながら講義形式で進める。
講義で生じた疑問点について速やかにコメントする。
定期試験後には解答を掲示する。
対面授業にて実施する。
No. | 講義項目 | 担当者 | 開講日 | 授業内容・方法 |
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1 | 心疾患の検査 | 喜来 望 | 4月10日① | 心臓の機能変化と病態の評価判断に必要な検査項目について学ぶ。また、各種検査の意義について学ぶ。 【予習】 ・1年次の解剖学や2年次の生理学Ⅱで学習した循環器、特に心臓について、教科書や配布資料に目を通す。 【復習】 ・講義内容を整理して復習する。 【到達目標】A、B、C、Eに関連する。 |
2 | 呼吸器疾患の検査 | 喜来 望 | 4月17日① | 呼吸器系の機能変化と病態の評価判断に必要な検査項目について学ぶ。また、各種検査の意義について学ぶ。 【予習】 ・1年次の解剖学や2年次の生理学Ⅱ、病態評価学で学習した呼吸器について、教科書や配布資料に目を通す。 【復習】 ・講義内容を整理して復習する。 【到達目標】A、B、C、Eに関連する。 |
3 | 酸塩基平衡 | 喜来 望 | 4月24日① | 酸塩基平衡を維持する機構について学ぶ。また、動脈血ガス分析の基準範囲を知り、酸塩基平衡の異常及び動脈血酸素分圧の意義について学ぶ。 【予習】 ・2年次の生理学Ⅱで学習した尿の生成やガス交換について、教科書や配布資料に目を通す。 【復習】 ・講義内容を整理して復習する。 【到達目標】A、C、D、Eに関連する。 |
4 | 消化管疾患の検査 | 喜来 望 | 5月8日① | 消化管の機能変化と病態の評価判断に必要な検査項目について学ぶ。また、各種検査の意義及び代表的な消化管疾患に対する治療ガイドラインについて学ぶ。 【予習】 ・1年次の解剖学や2年次の生理学Ⅱ、病態評価学で学習した消化器について、教科書や配布資料に目を通す。 【復習】 ・講義内容を整理して復習する。 【到達目標】A、B、C、Eに関連する。 |
5 | 肝・胆道系疾患の検査 | 喜来 望 | 5月15日① | 肝・胆道系疾患の病像・病態とその評価判断に必要な検査項目について学ぶ。また、生体色素のビリルビンを含む各種検査の意義及び代表的な肝・胆道系疾患に対する治療ガイドラインについて学ぶ。 【予習】 ・1年次の解剖学や2年次の生理学Ⅱで学習した肝・胆道系について、教科書や配布資料に目を通す。 【復習】 ・講義内容を整理して復習する。 【到達目標】A、B、C、E、Fに関連する。 |
6 | 含窒素化合物の検査 | 喜来 望 | 5月22日① | 含窒素化合物である尿素窒素、尿酸、アンモニアについて検査の意義を学ぶ。また、検査値と疾患の関係について学ぶ。 【予習】 ・1年次の生理学Ⅰや2年次の生化学Ⅱ、病態評価学で学習したタンパク質や遺伝子などの代謝について、教科書や配布資料に目を通す。 【復習】 ・講義内容を整理して復習する。 【到達目標】A、C、Eに関連する。 |
7 | 腎尿路疾患の検査 | 喜来 望 | 5月29日① | 腎臓及び泌尿器系の機能変化と病態の評価判断に必要な検査項目について学ぶ。また、各種検査の意義及び代表的な腎機能疾患に対する治療ガイドラインについて学ぶ。 【予習】 ・1年次の解剖学や2年次の生理学Ⅱで学習した腎臓について、教科書や配布資料に目を通す。 【復習】 ・講義内容を整理して復習する。 【到達目標】A、B、C、Eに関連する。 |
8 | 一般検査(1) 尿検査① | 喜来 望 | 6月5日① | 一般検査は全ての専門検査に先駆けて実施される基本的な検査であり、スクリーニング的に用いられる。中でも重要な尿検査の項目として、尿潜血と血尿、尿比重、尿浸透圧、尿pHの検査法と検査の意義について学ぶ。また、検査値と疾患の関係について学ぶ。 【予習】 ・2年次の生理学Ⅱで学習した尿の生成について、教科書や配布資料に目を通す。 【復習】 ・講義内容を整理して復習する。 【到達目標】A、C、Eに関連する。 |
9 | 一般検査(2) 尿検査② | 喜来 望 | 6月12日① | 尿タンパク、尿糖、尿胆汁色素、尿亜硝酸塩と白血球反応の検査法と検査の意義について学ぶ。また、検査値と疾患の関係について学ぶ。 【予習】 ・2年次の生理学Ⅱや病態評価学で学習した尿糖などについて、教科書や配布資料に目を通す。 【復習】 ・講義内容を整理して復習する。 【到達目標】A、C、Eに関連する。 |
10 | 一般検査(3) 穿刺液・髄液検査と検査値の見方 | 喜来 望 | 6月19日① | ・漿液及び髄液検査の方法と目的、検査の意義について学ぶ。 ・検査試料の取り扱い及び臨床検査値の見方について学ぶ。また、臨床検査値に影響を与える要因について学ぶ。 【予習】 ・1年次の解剖学で学習した中枢神経の構造などについて、教科書や配布資料に目を通す。また、この講義の資料を見直し、検査法などについて学習しておく。 【復習】 ・講義内容を整理して復習する。 【到達目標】A、C、Eに関連する。 |
定期試験 | 講義範囲から出題する。マークシート方式。持ち込み禁止。 |
授業 | 授業回数10回+定期試験。 |
その他 | 成績評価における定期試験配点率を100%とする。 |
基礎解剖生理、病理学などを踏まえて、疾患と治療の合理的なあり方を求めるための重要な手段である「検査」に焦点を当てた科目です。実際には非常に範囲が広いので、この科目では基本的な内容に絞って講義を行います。基本を身に付けた後は、他の科目でさらに深く学習する機会もありますので、関連の科目でしっかり学習してください。
また、興味を持ったものについては、自ら関連する検査について深く学習し、将来的には患者さんの状態に合わせてよりよい治療を提案するための科学的なロードマップ構築ができるよう、一緒に学んでいきましょう。
1 | 【授業時間外に必要な学習の時間:30時間】 |
2 | 準備学習として、同時に進んでいる関係課目との関連付けを推奨します。 3年では、前期に実施される分析科学Ⅲ中の「物理的診断法の原理」、臨床医学概論Ⅰ、後期に実施される臨床医学概論Ⅱ、疾病解析学、臨床生理学Ⅰ(選択)、臨床生化学(選択)などがここで学習する内容の補てん、発展の機会となりますので、相互振り返りができるようにしてください。 |
3 | 予習:シラバスに記載されている臓器の機能形態について、事前に簡単な復習をしておくこと。 復習:上記講義科目に入る前に講義内容を復習しましょう。 |
4 | その他:学習状況により、項目や内容を変更する場合がある。その場合は事前に通知する。 |
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 講義資料配布 | ||
参考書 | 標準臨床検査学 臨床検査医学総論 | 矢冨 裕 | 医学書院 |
参考書 | 異常値の出るメカニズム 第7版 | 監修:河合 忠 編集:山田俊幸、本田孝行 | 医学書院 |
参考書 | 病態臨床検査学 | 大藏直樹 | 京都廣川書店 |
参考書 | 標準臨床検査学 臨床検査総論 | 伊藤機一、松尾収二 | 医学書院 |
参考書 | 標準臨床検査学 生理検査学・画像検査学 | 谷口信行 | 医学書院 |