| 科目名 | : | 生薬学Ⅱ |
|---|---|---|
| 英文名 | : | Pharmacognosy Ⅱ |
| 科目概要 | : | 薬・創薬, ２年, 後期, 必修, 1単位 A, B, C, D, S, 金曜日３時限, 2201大講義室 |
| 科目責任者 | : | 小林 義典 (生薬学・教授) |
| 担当者 | : | 小林 義典※（生薬学・教授）、白畑 辰弥（生薬学・准教授）、黄 雪丹（生薬学・助教）、緒方 千秋※（漢方鍼灸治療センター）、室生 真千子※（漢方鍼灸治療センター）、三澤 心※（漢方鍼灸治療センター）、水崎 晴奈※（漢方鍼灸治療センター）、小泉 洋太※（漢方鍼灸治療センター）、片山 真理子※（漢方鍼灸治療センター） |
| 備考 | : | 漢方医薬学履修プログラム対応科目 実務経験のある教員による授業科目（担当者に付されている※印は実務経験のある教員を表す） 〔科目ナンバリング：PP301-CH02, PL301-CH02〕 |
生薬学Ⅰに引き続き、生薬の基本的性質を理解するために、それらの基原、性状、含有成分、品質評価、生産と流通、歴史的背景などについての基本的知識を修得する。さらに、現代医療で使用される生薬・漢方薬について理解するために、生薬製剤、漢方エキス製剤などに利用される生薬及びこれらの適用、代表的な漢方処方の構成生薬、漢方医学の特徴、代表的な漢方処方、生薬の品質管理と修治などに関する基本的な知識を修得する。
科目の位置付け: 化学系専門科目
この科目は学位授与方針（ディプロマ・ポリシー）の薬学科④、生命創薬科学科①に関連する。
現代医療で使用される生薬・漢方薬を活用するために必要な生薬の基原、性状、含有成分、生合成、品質評価、生産と流通、歴史的背景、及び、生薬製剤、漢方エキス製剤などに利用される生薬及びこれらの適用、代表的な漢方処方の構成生薬、漢方医学の特徴、代表的な漢方処方、生薬の品質管理と修治について理解し、現代医療において生薬を活用するための基礎的能力を習得する。
A 漢方とは何か、また、食品・サプリメント、民間薬、伝承薬との違いを概説できる。
B 漢方独自の概念（陰陽、虚実、寒熱、気血水の異常）について、概説できる。
C 代表的な生薬を鑑別し、確認試験を実施できる。
D 原料生薬の生産や流通、品質、保管について説明できる。
E 漢方薬の分類とその主要な配合生薬について、概説できる。
F 漢方医療における薬剤師の役割について概説できる。
G 医療用漢処方の特徴、現代医療における使用実態について概説できる。
H 漢方薬の副作用と使用上の基本的注意、併用に注意を要する漢方薬について概説できる。
講義形式、およびスモールグループでの漢方調剤薬局調剤体験・東洋医学資料室見学。
適宜、予習・復習のための課題を与え、次回、課題の中の特徴的な見解や誤解に対してコメントする。
対面授業にて実施し、一部オンデマンド型遠隔授業として実施。
| No. | 講義項目 | 担当者 | 開講日 | 授業内容・方法 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 生薬の臨床応用 | 緒方 千秋 | 9月5日③ | 漢方医療とは何かを学ぶ。また、漢方の歴史、調剤について学ぶ。 予習：配布資料及び「薬学生・薬剤師のための漢方医薬学」の第1章、2章を読んでおく。(1時間）。 復習：講義で学習した漢方処方と生薬について「薬学生・薬剤師のための漢方医薬学」および「現代医療における漢方薬」で調べ、まとめておく（1時間）。 【到達目標】A、B、Cに関連する。 |
| 2 | 漢方薬の調剤 | 室生 真千子 | 9月12日③ | 医療用漢方製剤の調剤と服薬指導について、手順とポイントを学ぶ。 予習：配布資料及び「薬学生・薬剤師のための漢方医薬学」の第5章の関連部分を読んでおく。(1時間）。 復習：講義で学習した漢方処方と生薬について「薬学生・薬剤師のための漢方医薬学」および「現代医療における漢方薬」で調べ、「生薬学実習書」や「現代医療における漢方薬」のワークシートに まとめておく（2時間）。 【到達目標】E、F、G、Hに関連する。 |
| 3 | 漢方医療と薬剤師 | 水崎 晴奈 | 9月19日③ | 漢方医療における薬剤師の役割について学ぶ。代表的な疾患別に服薬指導のポイントを学ぶ。 予習：配布資料及び「薬学生・薬剤師のための漢方医薬学」の第3章の関連部分を読んでおく。(1時間）。 復習：講義で学習した漢方処方と生薬について「薬学生・薬剤師のための漢方医薬学」および「現代医療における漢方薬」で調べ、「生薬学実習書」や「現代医療における漢方薬」のワークシートに まとめておく（2時間）。 【到達目標】F、G、Hに関連する |
| 4 | 生薬成分の局方試験法 | 白畑 辰弥 | 9月26日③ | 代表的な生薬を鑑別し、確認試験を学ぶ。 （生薬学実習書を必ず持参すること） 予習：実習書をよく読んでおくこと。(2時間） 復習：講義で用いたプリントをよく読むこと。(1時間） 【到達目標】Cに関連する。 |
| 5 | 重要な漢方処方 | 黄 雪丹 | 10月3日③ | 漢方薬の分類とその主要な配合生薬について学ぶ。（桂枝湯類、麻黄湯類、柴胡剤、瀉心湯類・芩連剤、大黄剤・承気湯類、苓朮剤、附子剤、人参剤、地黄剤、石膏剤、駆瘀血薬関連剤の代表的な処方とその主な適用を学ぶ。 「現代医療における漢方薬」第4章及び「生薬学実習書」５．漢方薬の配合と適用（テキストを必ず持参すること） 予習：実習書をよく読んでおくこと。 復習：講義で用いたプリントをよく読むこと。 【到達目標】Eに関連する。 |
| 6 | 医療用漢方処方 | 三澤 心 | 10月10日③ | 医療用漢処方配合理論と特徴、現代医療における使用実態について列記し、説明できる。また、漢方製剤の種類を列挙し、その特徴を学ぶ。 予習：配布資料及び「薬学生・薬剤師のための漢方医薬学」の第3章、5章の関連部分を読んでおく。(1時間）。 復習：講義で学習した漢方処方と生薬について「薬学生・薬剤師のための漢方医薬学」および「現代医療における漢方薬」で調べ、「生薬学実習書」や「現代医療における漢方薬」のワークシートに まとめておく（2時間）。 【到達目標】E、F、G、Hに関連する。 |
| 7 | 生薬の生産と流通 | 小泉 洋太 | 10月17日③ | 原料生薬の生産や流通、品質、保管について学ぶ。また、食品・サプリメント、民間薬、伝承薬との違いを学ぶ。 予習：配布資料及び「薬学生・薬剤師のための漢方医薬学」の第2章の関連部分を読んでおく。(1時間）。 復習：講義で学習した生薬について「パートナー生薬学」で調べ、 まとめておく（1時間）。 【到達目標】A、Dに関連する。 |
| 8 | 漢方医学の基礎（提出課題あり） | 小林 義典 | 11月7日③ | 陰陽、虚実、寒熱、気血水の異常について理解を深め、代表的な利用生薬・方剤について学ぶ。 予習：配布資料及び「現代医療における漢方薬」の第2章の関連部分を読んでおく。提出課題（予習）：気血水スコアの入力。(1時間）。 復習：講義で学習した内容について「薬学生・薬剤師のための漢方医薬学」および「現代医療における漢方薬」で調べ、「生薬学実習書」や「現代医療における漢方薬」のワークシートに まとめておく（2時間）。 【到達目標】B、Eに関連する。 |
| 9 | 漢方薬の副作用、漢方薬の新しい使われ方（提出課題あり） | 小林 義典 | 11月14日③ | 漢方薬の副作用と使用上の基本的注意、併用に注意を要する漢方薬と西洋薬、漢方薬の新しい使われ方について、その代表例を学ぶ。 「現代医療における漢方薬」 第5章、第6章 （テキストを必ず持参すること） 予習：配布資料及び「現代医療における漢方薬、の第5章、6章の関連部分を読んでおく。。 復習：講義で学習した内容について「薬学生・薬剤師のための漢方医薬学」および「現代医療における漢方薬」で調べ、「生薬学実習書」や「現代医療における漢方薬」のワークシートに まとめておく（2時間）。 【到達目標】E、F、G、Hに関連する。 |
| 10 | 漢方薬の服薬指導 | 小林 義典 | 11月21日③ | 漢方薬の服薬指導について、臨床例や練習問題を通じて理解し、そのポイントを学ぶ。 「現代医療における漢方薬」 第7章 （テキストを必ず持参すること） 提出課題の解説も行う。 提出課題（予習）：「現代医療における漢方薬」 第7章の練習問題 (1)～(7) および (10) を解き、問題文に記された患者情報から、体質の虚実に係わる部分、気血水の以上に係わる部分をそれぞれ抜き出し、体質の虚実（例：体力虚弱）、気血水の異常（例：血虚および気虚）を判定しなさい。（2時間） 提出課題（復習）：気血水スコアの結果、これまで講義で学んだ内容を省みて、自身の気血水の異常や体質を評価し、直すべき生活習慣をリストアップしなさい。（30分） 【到達目標】E、F、G、Hに関連する。 |
| 11 | 漢方薬局基礎実習 ※オンデマンド | 室生 真千子 三澤 心 水崎 晴奈 小泉 洋太 片山 真理子 白畑 辰弥 小林 義典 | ③ | 北里研究所病院 漢方鍼灸治療センター（旧東洋医学総合研究所）における、薬剤部や東洋医学資料展示室をオンライン見学することによって、漢方薬・生薬の臨床や歴史に関する理解を深める。 予習・復習：本講義No.1,2,7の講義資料内容を予めよく読んでから、視聴すること。 【到達目標】Aに関連する |
| 定期試験 | 漢方薬局基礎実習を含めた講義範囲から出題する。マークシート方式。持ち込み禁止。 |
| 授業 | 講義回数10回＋漢方薬局基礎実習1回＋定期試験。 |
| その他 | 期末試験（90％）、レポート（10％）を総合的に評価する。 本講義では、毎回の課題提出を持って出席とします。出席率が60%未満の場合は、単位を取得できません（定期試験は0点となる）ので、必ず毎回の課題を提出して下さい。 |
漢方を使いこなすためには、まずはその構成要素である生薬を覚えておく必要があります。漢方薬局基礎実習、生薬学実習と連携した科目です。これらの科目を通じて、生薬への理解を深めてください。
| 1 | 【授業時間外に必要な学習の時間：30時間】 |
| 2 | 小林担当部分は、必ずテキスト「現代医療における漢方薬」 持参のこと。 |
| 3 | 教科書の該当箇所を事前に良く読んで理解しておくこと。 |
| 4 | 実習にあたって、充分に予習・復習を行うこと。 前学期までの関連科目（薬用植物学、生薬学１）の内容を良く復習しておくこと。 |
| 5 | 本講義は、生薬学実習内容に直接関連する部分が多い。 |
| 6 | 後期金曜日5限目に、北里研究所病院 漢方鍼灸治療センター(旧東洋医学総合研究所）でのフィールドワーク・グループワークとして、少人数制の漢方薬局基礎実習を実施する。 ※新型コロナウィルス感染症が蔓延あるいはその恐れがある場合はオンラインにて実施する。 各自必ず1回参加し、レポートを作成・提出すること。 班分け及び開催日時、集合場所については講義中に連絡する。移動に際しては、引率のTAやSAの指示に従うこと。 無断欠席は認めない。03-5791-6239、03-5791-6240 もしくは03-5791-6238に電話にて連絡すること。 調剤室に入室するため、全員必ず名札を着用し、清潔な白衣・服装、上履きを着用し、長い髪は束ね、手指も清潔にし、爪は短く切っておくこと。また、つけ爪（ネイルチップ）、ピアス、ネックレス、指輪などの貴金属の着用は認めない。 以上が守れないものは、調剤室への入室を認めない。 なお、調剤室内では、写真撮影は認めない。 |
| 7 | 【実務経験のある教員による授業】（※印の付された担当者） 協和醗酵工業筑波研究所における研究員としての機能性素材（食品を含む）の開発や、北里研究所病院 漢方鍼灸治療センターにおける薬剤師としての東洋医学の実践の経験を踏まえて、漢方の基礎と漢方薬の利活用について解説する。 |
| 種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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| 教科書 | 現代医療における漢方薬 | 日本生薬学会監修（小林義典等 編著） | 廣川書店 |
| 教科書 | 薬学生・薬剤師のための漢方医薬学 改訂第4版 | 山田陽城、花輪壽彦、金成俊、小林義典 編 | 南江堂 |
| 教科書 | 生薬学実習書 Experimental Pharmacognosy | 北里大学生薬学教室 | 北里大学生薬学教室 |
| 参考書 | 第18 改正日本薬局方 | 厚生労働省 | http://jpdb.nihs.go.jp/jp17/ |
| 参考書 | 第18 改正日本薬局方解説書 | 廣川書店 | |
| 参考書 | 天然医薬資源学 | 小林義典 等編著 | 廣川書店 |
| 参考書 | 改訂 一般用漢方処方の手引き | 日本漢方生薬製剤協会 | じほう |
| 参考書 | パートナー生薬学 | 竹谷孝一・木内文之・小松かつ子編（著、小林義典 他） | 南江堂 |