科目名 | : | 微生物学Ⅰ |
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英文名 | : | Microbiology Ⅰ |
科目概要 | : | 薬・創薬, 2年, 前期, 必修, 1単位 A, B, C, D, S, 水曜日2時限, 2201大講義室 |
科目責任者 | : | 金 倫基 (微生物学・教授) |
担当者 | : | 金 倫基(微生物学・教授)、三木 剛志(微生物学・准教授)、羽田 健(微生物学・講師)、伊藤 雅洋(微生物学・助教)、明田 幸宏(特別講師) |
備考 | : | 健康食品管理士養成講座対応科目 〔科目ナンバリング:PP301-BI02, PL301-BI02〕 |
細菌の基本的な構造、増殖様式及び遺伝子の伝達機構を学び、ウイルス、真菌、寄生虫(原虫と蠕虫)との生物学的な共通性や特殊性を理解する。さらに、ヒトと微生物との関わりにおいて、感染症の発症機構とその予防及び診断・治療法を学ぶための基礎的な能力を身につける。
科目の位置付け:生物・生理系専門科目
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の薬学科④、生命創薬科学科①に関連する。
細菌の特徴を理解するために、細菌の分類、染色法、構造、増殖様式、遺伝子伝達機構について説明し、さらに、細菌との共通性や相違点を理解するために、ウイルス、真菌及び寄生虫(原虫と蠕虫)の分類、増殖様式、形態及び生活環について説明する。
A:細菌の系統分類及びグラム染色性による分類を理解して、代表的な細菌をグラム染色性により分類できる。
B:細菌の基本構造と増殖機構を理解し、細菌感染症の予防・治療の理解に応用できる。
C:ウイルス粒子の構造と複製過程を理解し、ウイルス感染症の予防・治療の理解に応用できる。
D:真菌の基本構造と増殖様式を理解し、真菌感染症の予防・治療の理解に応用できる。
E:原虫と蠕虫の基本構造と生活環を理解し、寄生虫感染症の予防・治療の理解に応用できる。
F:細菌の遺伝子伝達機構(接合伝達、形質転換、形質導入)を学修し、薬剤耐性機構や病原因子の伝播様式の理解に応用できる。
G:細菌を利用した試験法の原理、目的及び実施方法を理解し、試験結果を正しく評価できる。
パワーポイントと配付資料を活用しながら講義形式ですすめる。課題に対しては、提出後、解説を掲示する。定期試験は、試験後、解答・解説を掲示する。対面授業にて実施する。
No. | 講義項目 | 担当者 | 開講日 | 授業内容・方法 |
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1 | 微生物の形態・分類及び命名法 | 金 倫基 | 4月9日② | 1)細菌の系統的分類について学ぶ。 2)細菌の大きさと形態について、その特徴を学ぶ。 3)代表的な細菌の染色法について、その原理と方法を学ぶ。 【予習】事前に配布資料を読んで、講義の概要を理解する。 【復習】講義内容を踏まえ、細菌の形態、分類、染色法についてまとめ、理解を深める。 【到達目標】Aに関連する。 |
2 | 細菌の増殖と培養、ヒトとの関わり合い | 伊藤 雅洋 | 4月16日② | 1)細菌の増殖様式及び増殖に必要な因子を学ぶ。 2)細菌の培養方法及び代表的な培地の種類を学ぶ。 3)人の健康に関わる微生物や生体の正常細菌叢の役割を学ぶ。 【予習】事前に配布資料を読んで、講義の概要を理解する。 【復習】講義内容を踏まえ、細菌の増殖、培養法及び正常細菌叢の特徴についてまとめ、理解を深める。 【到達目標】Bに関連する。 |
3 | 細菌の菌体成分と構造体 | 三木 剛志 | 4月23日② | 細菌の特徴的な構造体について、その構成成分と機能について学ぶ。 【予習】事前に配布資料を読んで、講義の概要を理解する。 【復習】講義内容を踏まえ、細菌特有の構造体についてまとめ、理解を深める。 【到達目標】Bに関連する。 |
4 | ウイルスの形態と生活環 | 金 倫基 | 5月7日② | 代表的なウイルスの分類及び基本的な構造を学ぶ。 代表的なウイルスの増殖様式を学ぶ。 【予習】事前に配布資料を読んで、講義の概要を理解する。 【復習】講義内容を踏まえ、ウイルスの分類、構造、増殖様式、抗ウイルス薬の作用基機序についてまとめ、理解を深める。 【到達目標】Cに関連する。 |
5 | 真菌の分類と形態 | 金 倫基 | 5月14日② | 真菌の分類及び基本的な構造を学ぶ。 【予習】事前に配布資料を読んで、講義の概要を理解する。 【復習】講義内容を踏まえ、真菌の分類、構造、生活環、抗真菌薬の作用機序についてまとめ、理解を深める。 【到達目標】Dに関連する。 |
6 | 原虫、寄生虫の分類と形態 | 金 倫基 | 5月21日② | 代表的な原虫及び寄生虫の基本的な構造及び生活環を学ぶ。 【予習】事前に配布資料を読んで、講義の概要を理解する。 【復習】講義内容を踏まえ、原虫及び蠕虫の分類、構造、増殖様式(生活環)についてまとめ、理解を深める。 【到達目標】Eに関連する。 |
7 | 微生物を用いた試験法 | 伊藤 雅洋 | 5月28日② | 微生物を用いた代表的な試験法を挙げ、原理、目的、評価法を学ぶ。 【予習】事前に配布資料を読んで、講義の概要を理解する。 【復習】講義内容を踏まえ、細菌を用いた試験法についてまとめ、理解を深める。 【到達目標】Gに関連する。 |
8 | 細菌の変異と形質、獲得 | 羽田 健 | 6月4日② | プラスミドの種類、複製及び役割について学ぶ。 形質転換、接合、形質導入による細菌の形質獲得について学ぶ。 【予習】事前に配布資料を読んで、講義の概要を理解する。 【復習】講義内容を踏まえ、プラスミドの特性と細菌の遺伝子導入法についてまとめ、理解を深める。 【到達目標】Fに関連する。 |
9 | 細菌毒素 | 明田 幸宏 | 6月11日② | 細菌の産生するエンドトキシン(内毒素)と代表的なタンパク質毒素の構造と機能を学ぶ。 【予習】事前に配布資料を読んで、講義の概要を理解する。 【復習】講義内容を踏まえ、毒素の作用機序についてまとめ、理解を深める。 【到達目標】A、B、Fに関連する。 |
10 | 微生物と感染 | 羽田 健 | 6月18日② | 微生物が宿主に感染する時に必要な因子を挙げ、その機能を学ぶ。 【予習】事前に配布資料を読んで、講義の概要を理解する。 【復習】講義内容を踏まえ、細菌の感染現象に必要な病原因子を説明についてまとめ、理解を深める。 【到達目標】A、B、Fに関連する。 |
定期試験 | 定期試験成績(80%) |
授業 | 学名テスト(10%)及び課題レポート(10%) |
その他 |
ヒトは古来より微生物と深く関わりを持ってきました。その中には、ヒトの身体に定着し互いに有益となる関係にあるもの、ヒトの飲食物(味噌、醤油、ワイン、パンなどの発酵食品)の製造の関わるものなど有用な微生物だけでなく、ヒトに病気を起こすような病原微生物も存在します。微生物学Ⅰでは、まず生物としての微生物の特徴について、さらに病原細菌による「感染現象」の基本的なメカニズムを学ぶことになります。ヒトと微生物の関係について一緒に考え、学んでいきたいと思います。
1 | 【授業時間外に必要な学習の時間:30時間】 |
2 | 講義前には、講義内容を配布資料で確認し、理解しておくこと。講義後は、講義内容について、配付資料、参考書等を利用して理解を深め、わからない点があれば積極的に質問に来ること。 |
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 講義配布資料 | ||
参考書 | 標準微生物学 第14版 | 神谷茂、錫谷達夫、松本哲哉 編 | 医学書院 |
参考書 | 戸田新細菌学 第34版 | 吉田眞一、柳雄介、吉開泰信 編 | 南山堂 |
参考書 | 生物系薬学Ⅲ. 生体防御と微生物 (スタンダード薬学シリーズⅡ–4) | 日本薬学会 編 | 東京化学同人 |