科目名 | : | 医療コミュニケーション論 |
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英文名 | : | Medical Communication |
科目概要 | : | 薬・創薬, 2年, 後期, 必修・選択, 1単位 A, B, C, D, S, 金曜日1時限, 2201大講義室 |
科目責任者 | : | 有田 悦子 (医療心理学部門・教授) |
担当者 | : | 有田 悦子※(医療心理学部門・教授)、竹平 理恵子※(医療心理学部門・准教授)、正村 優子※(医療心理学部門・助教)、内田 尚宏(北里大学健康管理センター) |
備考 | : | 〔科目ナンバリング:PP301-HU02, PL301-HU02〕 実務経験のある教員による授業科目(担当者に付されている※印は実務経験のある教員を表す) |
薬学生として将来人の命に携わる医療人となる自覚を持ち、信頼される態度や行動を身につけていくことは、知識や技術の研鑽とともに重要である。本講義では、医療者と患者・家族間、及び医療者間のより良いコミュニケーション関係の構築のために、自分を知り、相手を理解するための臨床心理学やコミュニケーション、行動科学の知識、技能、態度の基礎を習得することを目的とする。科目の位置付け:ヒューマニズム系専門科目
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の薬学科⑥、生命創薬科学科④に関連する。
第1、2回では、薬学生がコミュニケーションを学ぶ意義やコミュニケーションの基礎について講義する。3~6回では、自己理解・他者理解や交流分析理論に基づいたコミュニケーションについて講義する。第7回では、患者と信頼関係を構築する上で必要なコミュニケーションスキルについて、グループワーク等で習得する。第8、9回では、生涯発達段階や医療人としての役割等を理解するために必要な臨床心理の知識について講義する。第10回では、医療現場におけるコミュニケーションエラーについて講義する。
A:薬剤師がコミュニケーション力を身に付けることの重要性について理解できるようになる。
B:コミュニケーションの基本的な要素や種類について理解できるようになる。
C:自己評価の質や自己イメージ、対人関係に影響を及ぼす心理的要因について理解できるようになる。
D:自分自身の性格や心理的特徴、対人コミュニケーションの特徴について理解できるようになる。
E:相手の話を聴き自分の考えや感情を伝えるための適切なコミュニケーション(傾聴、受容、共感、アサーティブコミュニケーション等)について理解できるようになる。
F:ライフサイクル特有の課題や薬剤師としてのプロフェッショナリズムについて理解できるようになる。
G:医療に関するリスクマネジメントにおける薬剤師の責任を把握しリスクコミュニケーションについて理解できるようになる。
H:個々の患者・生活者を全人的・総合的に理解した上で薬剤師としての専門性を発揮するナラティブコミュニケーションについて理解できるようになる。
配布資料と教科書を用いて、講義形式にて基本事項等を説明する。
視聴メディア(DVD)等の視聴やロールプレイ等のグループワークの後に、討議(ディスカッション)、プレゼンテーションを行う。
次回の講義で、課題の中の特徴的な見解や誤解についてコメントする。
※原則として対面授業にて実施し、一部ライブ型遠隔授業を実施する。
No. | 講義項目 | 担当者 | 開講日 | 授業内容・方法 |
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1 | 薬剤師に必要なコミュニケーション力 | 有田 悦子 | 9月12日① | 薬剤師がコミュニケーション力を身に付けることの重要性について学ぶ。 【予習】 事前にシラバスを熟読し理解しておく 【復習】 講義内容の復習とまとめ 【到達目標】Aに関連する。 |
2 | コミュニケーションの基礎 | 有田 悦子 | 9月19日① | コミュニケーションの基本的な要素や種類について学ぶ。 【予習】 事前にシラバスと教科書の該当部分に目を通しておく 【復習】 講義内容の復習とまとめ 【到達目標】Bに関連する。 |
3 | 対人認知 | 有田 悦子 | 9月26日① | 自己評価の質を理解し、自己イメージ、対人関係に影響を及ぼす心理的要因について学ぶ。 【予習】 事前にシラバスと教科書の該当部分に目を通しておく 【復習】 講義内容の復習とまとめ 【到達目標】Cに関連する。 |
4 | 自己理解 ※ライブ | 有田 悦子 竹平 理恵子 正村 優子 | 10月3日① | 自分自身の性格や心理的特徴について学ぶ。グループワーク等を行う。 【予習】 事前にシラバスと教科書の該当部分に目を通しておく 【復習】 講義内容の復習とまとめ 【到達目標】Dに関連する。 |
5 | 人との関わり | 有田 悦子 | 10月10日① | 自分自身の対人コミュニケーションの特徴について学ぶ。 【予習】 事前にシラバスと教科書の該当部分に目を通しておく 【復習】 講義内容の復習とまとめ 【到達目標】Dに関連する。 |
6 | 自他尊重のコミュニケーション | 有田 悦子 | 10月17日① | 相手の話を聴き、自分の考えや感情を伝えるための適切なコミュニケーションの手段について学ぶ。 【予習】 事前にシラバスと教科書の該当部分に目を通しておく 【復習】 講義内容の復習とまとめ 【到達目標】Eに関連する。 |
7 | コミュニケーション体験 ※ライブ | 有田 悦子 竹平 理恵子 正村 優子 | 11月7日① | 傾聴、受容、共感を体験し、One Way Communication , Two Way Communicationの違い、非言語的コミュニケーションの重要性について学ぶ。 グループワーク等を行う。 【予習】 事前にシラバスと教科書の該当部分に目を通しておく 【復習】 講義内容の復習とまとめ 【到達目標】E、Hに関連する。 |
8 | 生涯発達と自己 | 内田 尚宏 | 11月14日① | ライフサイクルの各段階におけるこころの発達の特徴および発達課題について学ぶ。 【予習】 事前にシラバスと教科書の該当部分に目を通しておく 【復習】 講義内容の復習とまとめ 【到達目標】Fに関連する。 |
9 | 医療人としての自己 | 内田 尚宏 | 11月21日① | 医療のプロフェッショナルとしての役割を学び、自分の考えを述べる。 【予習】 事前にシラバスと教科書の該当部分に目を通しておく 【復習】 講義内容の復習とまとめ 【到達目標】Fに関連する。 |
10 | コミュニケーションエラーと医療事故 | 有田 悦子 | 11月28日① | コミュニケーションエラーが医療事故に結びつくリスクについて学ぶ。 【予習】 事前にシラバスと教科書の該当部分に目を通しておく 【復習】 講義内容の復習とまとめ 【到達目標】G、Hに関連する。 |
定期試験 | 講義範囲から出題する。記述方式およびマークシート方式にて試験する。持ち込みは禁止。 |
授業 | 各回講義後に課題を提示し、提出内容および提出状況にて評価する。 |
その他 | 評価は、授業への参加姿勢・課題の提出内容および提出状況(50%)、定期試験(50%)にて評価する。なお、欠席・遅刻は減点する。 |
本授業は、医療人として患者と信頼関係を構築するために必要なコミュニケーションについて学びます。実際に活用するためには、知識の丸暗記ではなく、周囲とディスカッションしたり体験してみることが重要です。授業内で考えたり議論したりする機会を設けますので、積極的に参加するよう心がけてください。
1 | 【授業時間外に必要な学習の時間:30時間】 |
2 | <予習>教科書の該当箇所を読んでおくこと。 <復習>毎回の講義で配布される資料、教科書、参考書をよく読み、わからない点は積極的に質問に来るなどして解消しておくこと。 |
3 | 【実務経験のある教員による授業】(※印が付された担当者) 病院における患者対応の経験を踏まえて、患者とのコミュニケーションについて解説する。 |
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | ファーマシューティカルコミュニケーション | 日本ファーマシューティカルコミュニケーション学会監修 有田悦子、井手口直子編 | 南山堂 |
参考書 | 薬学コミュニケーション ―自分を知り、相手を知る。基礎と実践的演習を通じて、より高いレベルの医療を目指す― | 有田悦子、竹平理恵子 | 京都廣川書店 |
参考書 | 新スタンダード薬学シリーズ 2社会と薬学 | 日本薬学会編 | 東京化学同人 |
参考書 | 薬学生・薬剤師のためのヒューマニズム 改訂版 | 日本ファーマシューティカルコミュニケーション学会監修 有田悦子、井手口直子、後藤惠子編 | 羊土社 |
参考書 | 新自分さがしの心理学-自己理解ワークブック- | 川瀬正裕、松本真理子編 | ナカニシヤ出版 |