科目名 | : | 生化学実習 |
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英文名 | : | Practice in Biochemistry and Molecular Biology |
科目概要 | : | 薬・創薬, 2年, 後期, 必修, 1単位 A, B, C, D, S, 集中3・4・5限 |
科目責任者 | : | 奥脇 暢 (生化学・教授) |
担当者 | : | 奥脇 暢※(生化学・教授)、片根 真澄(医薬研究施設・准教授)、飯田 直幸(生化学・講師)、柴垣 芳夫(生化学・講師)、齋藤 祥子(生化学・助教) |
備考 | : | 実務経験のある教員による授業科目(担当者に付されている※印は実務経験のある教員を表す) 〔科目ナンバリング:PP304-BI02, PL304-BI02〕 |
提示された実験項目について、生化学の講義で学んだ知識を用いて実験の原理を理解し、基本的な生化学的、分子生物学的手法を確実に実施できるよう修得する。
科目の位置付け:生物・生理系専門科目
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の薬学科④⑤、生命創薬科学科①③に関連する。
生化学における基本的な実験手法について解説する。酵素反応の基本と、遺伝子工学の基礎的な実験手法を学ぶ。
A.遺伝子組換え生物の取り扱いを理解する。
B.タンパク質の構成成分と構造を理解し、細胞の生命活動の維持・発現に必須であることを理解する。
C.酵素反応の特性、酵素活性の調節機構を理解する。
D.遺伝子工学技術の基本となる、DNA、RNA、タンパク質の検出法、解析法を理解する。
E.遺伝子の多型とヒトの体質・性格などとの相関を理解する。
F.生命の最小単位である細胞の構造と、細胞内の機能に依存したタンパク質の局在の違いを理解する。
生化学反応や実験の手法を解説し、実際に実験を行う。実験結果を解釈し、考察とともにレポートにまとめる。
実習中や実技試験において、適宜、個人個人に対して実験操作の改善点を指導する。実習時間内に受けた質問は、必要に応じて全体で共有する。実習終了時に、グループごとに実習内容についての質疑応答を行い実習内容の理解を進める。
原則として対面授業にて実施し、一部オンデマンド型遠隔授業として実施する。
No. | 実習項目 | 担当者 | 授業内容・方法 |
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1 | 概論説明と基礎技術 | 奥脇 暢 柴垣 芳夫 飯田 直幸 齋藤 祥子 片根 真澄 | 生化学実習に必要な理論を理解し、基礎技術を学ぶ。 【予習】事前に実習書と参考書の該当箇所に目を通しておく。 【復習】実習内容を振り返り、実習の全体像を把握し、基礎技術について理解する。 【学習の到達目標】A、B、C、D、E、F |
2 | 酸素反応の基礎 | 奥脇 暢 柴垣 芳夫 飯田 直幸 齋藤 祥子 片根 真澄 | β - ガラクトシターゼの Km、 Vmax の値を自分の出した測定結果から導く方法を学ぶ。 β - ガラクトシターゼに対する競合阻害剤の Ki 値を計算方法を学ぶ。 【予習】事前に実習書と参考書の該当箇所に目を通しておく。 【復習】実習内容を振り返り、実習の結果からKm、 Vmax の値、競合阻害剤の Ki 値を計算する。 【学習の到達目標】A、B、C |
3 | 酸素の発現誘導−1 | 奥脇 暢 柴垣 芳夫 飯田 直幸 齋藤 祥子 片根 真澄 | 様々な炭素源を培地中に添加することにより発現誘導されたβ - ガラクトシターゼの比活性を正確に求める方法を学ぶ。 【予習】事前に実習書と参考書の該当箇所に目を通しておく。 【復習】実習内容を振り返り、実習の結果から各サンプルのβ - ガラクトシターゼの比活性を計算する。 【学習の到達目標】A、B、C |
4 | 酸素の発現誘導−2 | 奥脇 暢 柴垣 芳夫 飯田 直幸 齋藤 祥子 片根 真澄 | 様々な炭素源を培地中に添加することにより大腸菌におけるβ - ガラクトシターゼを誘導し発現メカニズムを学ぶ。 【予習】事前に実習書と参考書の該当箇所に目を通しておく。 【復習】実習内容を振り返り、実習の結果から各サンプルのβ - ガラクトシターゼの比活性を計算する。 【学習の到達目標】A、B、C、D |
5 | 酵素の発現誘導−3 | 奥脇 暢 柴垣 芳夫 飯田 直幸 齋藤 祥子 片根 真澄 | β - ガラクトシターゼに競合阻害剤と非競合阻害剤を添加し、その阻害様式の違いを学ぶ。 【予習】事前に実習書と参考書の該当箇所に目を通しておく。 【復習】実習内容を振り返り、実習の結果から各サンプルのβ - ガラクトシターゼの比活性を計算しその阻害様式を理解する。 【学習の到達目標】A、B、C、D |
6 | 遺伝子工学の基礎技術−1 | 奥脇 暢 柴垣 芳夫 飯田 直幸 齋藤 祥子 片根 真澄 | 大腸菌からプラスミドDNA 抽出する方法を学ぶ。 制限酸素によって切断したプラスミド DNA をアガロースゲル電気泳動で解析し、制限酵素地図を作成する方法を学ぶ。 【予習】事前に実習書と参考書の該当箇所に目を通しておく。 【復習】実習内容を振り返り、大腸菌からのプラスミドDNA 抽出手技、制限酸素の取り扱い方法、アガロースゲル電気泳動の原理などを自分で調べ考える。 【学習の到達目標】A、B、C、D、E |
7 | 遺伝子工学の基礎技術−2 | 奥脇 暢 柴垣 芳夫 飯田 直幸 齋藤 祥子 片根 真澄 | 口腔内細胞からDNA の抽出方法を学ぶ。 PCR法の原理を理解して、PCRに必要な試薬、条件などを学ぶ。PCR 法によって特定のDNA 領域(ALDH2 遺伝子領域)を増幅させる方法を学ぶ。 【予習】事前に実習書と参考書の該当箇所に目を通しておく。 【復習】実習内容を振り返り、DNAの抽出方法、PCR法の原理や試薬の意味などについて自分で調べ考える。 |
8 | 遺伝子工学の基礎技術−3 | 奥脇 暢 柴垣 芳夫 飯田 直幸 齋藤 祥子 片根 真澄 | PCR 産物を制限酸素によって消化し、一塩基多型を検出するPCR-RFLP法を理解し、これを実施できる。遺伝子多型と酵素活性について学ぶ。 【予習】事前に実習書と参考書の該当箇所に目を通しておく。 【復習】実習内容を振り返り、一塩基多型を検出するPCR-RFLP法や遺伝子多型と酵素活性について自分で調べる。 【学習の到達目標】A、B、C、D、E |
9 | 遺伝子工学の基礎技術−4 | 奥脇 暢 柴垣 芳夫 飯田 直幸 齋藤 祥子 片根 真澄 | 無菌操作の方法を学ぶ。大腸菌をプラスミドDNA によって形質転換し,組換えタンパク質を誘導して発現させる方法を学ぶ。 【予習】事前に実習書と参考書の該当箇所に目を通しておく。 【復習】実習内容を振り返り、無菌操作の手技、大腸菌の形質転換、大腸菌における組換えタンパク質の発現誘導について自分で調べる。 【学習の到達目標】A、B、C、D、E |
10 | 遺伝子工学の基礎技術ー5 | 奥脇 暢 柴垣 芳夫 飯田 直幸 齋藤 祥子 片根 真澄 | 蛍光顕微鏡を用いた細胞内小器官およびタンパク質の観察方法を学ぶ。定量PCR法を理解し、その実際について学ぶ。 【予習】実習書や参考書を用いて、細胞内小器官の働き、蛍光顕微鏡と定量PCRの原理について目を通しておく。 【復習】実習を振り返り、顕微鏡の使い方、蛍光顕微鏡・定量PCRの原理を調べる。 【学習の到達目標】B、D、F |
定期試験 | |
授業 | |
その他 | 実験態度とレポート(80%)、実習試験(20%)により評価する。また、実習中に口答試問を行い理解度を評価する。 |
事前に実習マニュアルときちんと読んでおくこと。
1 | 【授業時間外に必要な学習の時間:30 時間】 |
2 | 生化学をよく学習し、予習をしっかりすることが実験成功の鍵となる。また、実験結果とその解釈を十分復習し、理解を深めること。 |
3 | 【実務経験のある教員による授業】(※印の付された担当者) 国内外の研究機関における研究者としての経験を活かし、最先端研究手法を概説している。 |
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 実習書を配布します。 | ||
参考書 | レーニンジャーの新生化学 (上、下) 第6版 | D.L.Nelson and M.M.Cox(川嵜敏祐 監修) | 廣川書店 |