科目名 | : | 細胞生物学 |
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英文名 | : | Cell Biology |
科目概要 | : | 薬・創薬, 2年, 後期, 選択・必修, 1単位 A, B, C, D, S, 木曜日1時限, 2201大講義室 |
科目責任者 | : | 奥脇 暢 (生化学・教授) |
担当者 | : | 奥脇 暢※(生化学・教授)、今井 浩孝(衛生化学・教授)、柴垣 芳夫(生化学・講師)、飯田 直幸(生化学・講師)、大手 聡(微生物薬品製造学・講師)、小林 啓介(微生物薬品製造学・講師)、齋藤 祥子(生化学・助教) |
備考 | : | 実務経験のある教員による授業科目(担当者に付されている※印は実務経験のある教員を表す) 〔科目ナンバリング:PP301-BI02, PL301-BI02〕 |
細胞は生命体の基本単位であり、細胞内で起こる生体反応は、真核細胞においては膜によって区画化された細胞小器官で起こる。また、細胞はプログラムされた分化によって組織、器官、さらに個体を形成する。細胞の基本的な成り立ちや生体反応の全体を学ぶことで、細胞内で起こる生体反応の異常が疾患につながることを理解し、種々の疾患に利用される薬物の作用機序を理解するための基盤を形成する。また、細胞生物学の最新の研究手法を学ぶことによって、最先端生命科学研究を進めるための基盤を形成する。
科目の位置付け:生物・生理系専門科目
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の薬学科④⑤、生命創薬科学科①に関連する。
ヒトを含めた真核細胞の構造とその働きについて講義する。細胞生物学研究に必要となる基本的な実験技術、遺伝子改変技術とその応用、生体成分の解析技術など、最先端の研究手法も含めて講義する。
A. 生命体の基本単位である細胞の構造と細胞内に形成される細胞小器官の機能を説明できる。
B. 生命科学研究に必要な研究手法を理解し、細胞機能解析に応用できる。
C. 細胞増殖、分化の仕組みを理解し、説明できる。
D. 個体を用いた遺伝子機能解析の手法を説明できる。
PowerPointと配布資料を用いて講義を進める。次回の講義で、課題の特徴的な見解や誤解についてコメントする。対面講義として実施する。
No. | 講義項目 | 担当者 | 開講日 | 授業内容・方法 |
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1 | 細胞の構造と機能 | 奥脇 暢 | 9月1日① | 真核細胞の構造と細胞小器官について理解し、その研究手法を含めて学ぶ。 <予習>事前にシラバスと参考書、生化学の資料を確認しておく <復習>講義を踏まえて細胞の絵を自身で書いて、細胞小器官の役割を説明してみる 【到達目標】A、Bに関連する。 |
2 | 細胞膜脂質と細胞機能 | 今井 浩孝 | 9月8日① | 細胞膜脂質の多様性とその意義、酸化障害と代謝機構について理解し、脂質研究手法を含めて学ぶ。 <予習>事前にシラバスと参考書、生化学の資料を確認しておく <復習>講義を踏まえて細胞膜脂質の例を挙げてその役割、代謝の仕組みを説明してみる 【到達目標】A、Bに関連する。 |
3 | 細胞周期と細胞死 | 今井 浩孝 | 9月22日① | 細胞増殖、細胞周期、細胞死のメカニズムについて理解し、その研究手法を含めて学ぶ。 <予習>事前にシラバスと参考書、生化学の資料を確認しておく <復習>講義を踏まえて細胞増殖や細胞死の仕組みを説明してみる 【到達目標】A、B、Cに関連する。 |
4 | プロテオミクス解析の手法と応用 | 柴垣 芳夫 | 9月29日① | プロテオミクスの手法とその意義、疾患研究への応用について学ぶ。 <予習>事前にシラバスと参考書、生化学の資料を確認しておく <復習>講義を踏まえてタンパク質研究手法を説明してみる 【到達目標】A、Bに関連する。 |
5 | 細胞内シグナル伝達 | 飯田 直幸 | 10月6日① | 細胞のさまざまな機能発現メカニズムが、分子レベルで明らかになりつつあることを理解し、その研究手法について学ぶ。 <予習>事前にシラバスと参考書、生化学の資料を確認しておく <復習>講義を踏まえて細胞シグナル伝達を例を挙げて説明してみる 【到達目標】A、B、Cに関連する。 |
6 | 細胞の分化と脱分化 | 齋藤 祥子 | 10月20日① | 細胞の分化と脱分化の仕組み、ES細胞やiPS細胞の作製と利用法について学ぶ。 <予習>事前にシラバスと参考書、生化学の資料を確認しておく <復習>講義を踏まえてES細胞、iPS細胞の作成方法を説明してみる 【到達目標】A、B、Cに関連する。 |
7 | 骨代謝における細胞生物学 | 大手 聡 | 11月10日① | 骨代謝制御に重要な細胞内シグナル伝達機構について理解し、その研究手法を含めて学ぶ。 <予習>事前にシラバスと参考書、生化学の資料を確認しておく <復習>講義を踏まえて骨の代謝について説明してみる 【到達目標】A、B、Cに関連する。 |
8 | 微生物の細胞生物学とケミカルバイオロジー | 小林 啓介 | 11月17日① | 微生物について細胞生物学的に理解し、その研究手法を含めて学ぶ。 <予習>事前にシラバスと参考書、生化学の資料を確認しておく <復習>講義を踏まえて微生物の応用について例を挙げて説明してみる 【到達目標】A、B、Cに関連する。 |
9 | 遺伝子発現制御技術、抗体の技術の細胞機能解析への応用 | 今井 浩孝 | 11月20日① | 細胞の遺伝子発現を制御する手法(ノックダウン、ゲノム編集)およびその機能解析、抗体を用いた解析とその応用について学ぶ。 <予習>事前にシラバスと参考書、生化学の資料を確認しておく <復習>講義を踏まえて分子生物学的な実験手法を例を挙げて説明してみる 【到達目標】B、Cに関連する。 |
10 | マウス個体の遺伝子変異技術と疾患解析への応用 | 今井 浩孝 | 12月1日① | ノックアウトマウス、トランスジェニック、ゲノム編集等のマウス個体での遺伝子改変技術とその疾患への応用について学ぶ。 <予習>事前にシラバスと参考書、生化学の資料を確認しておく <復習>講義を踏まえて遺伝子改変動物の作成方法を説明してみる 【到達目標】C、Dに関連する。 |
定期試験 | 講義範囲から出題する。記述式の試験を実施して評価する。 |
授業 | 授業回数10回+定期試験。 |
その他 | 定期試験(80%)と講義内の小テストや課題(20%)に基づいて評価する。 |
この講義を通して、自分たちのからだを構成する基本単位である細胞がどのような仕組みで機能するのかに興味を持ってほしい。研究の最前線についてわかりやすく説明する。学問や研究がどういうものかじかに触れることができる講義である。
1 | 【授業時間外に必要な学習の時間:30時間】 |
2 | 生化学ⅠⅡⅢの配布資料を参考に生化学の基礎を十分復習しておくこと。研究手法についても紹介するので、不明な点は積極的に質問し、理解すること。 |
3 | 【実務経験のある教員による授業】(※印の付された担当者) 国内外の研究機関における研究者としての経験を活かし、最先端研究手法を概説している。 |
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 配布資料 | ||
参考書 | 細胞の分子生物学(第6版) | (著)Bruce Alberts ら、(翻訳)中村 桂子ら | ニュートンプレス |
参考書 | Essential 細胞生物学(原書第4版) | (翻訳)中村桂子、松原謙一 | 南江堂 |