科目名 | : | 化学療法学Ⅰ |
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英文名 | : | Chemotherapy Ⅰ |
科目概要 | : | 薬・創薬, 2年, 後期, 必修, 1単位 A, B, C, D, S, 火曜日1時限, 2201大講義室 |
科目責任者 | : | 大城 太一 (微生物薬品製造学・教授) |
担当者 | : | 大城 太一(微生物薬品製造学・教授)、小林 啓介(微生物薬品製造学・講師)、大手 聡(微生物薬品製造学・講師) |
備考 | : | 〔科目ナンバリング:PP301-BI02, PL301-BI02〕 |
細菌感染症における薬物治療の重要性を理解し、化学療法薬(抗生物質と合成化学療法薬)の基本化学構造、作用機序、副作用及び相互作用について科学的に関連づけて考えることにより、感染症の予防・治療に関する基本的知識を修得する。
科目の位置付け:生物・生理系専門科目
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の薬学科④、生命創薬科学科①に関連する。
微生物を含む天然資源から発見されてきた医薬品や合成医薬品について講義する。化学療法学Iでは、抗細菌薬(β-ラクタム薬、マクロライド、テトラサイクリン、アミノ配糖体、ペプチド系、サルファ薬、キノロン薬、抗MRSA薬、抗ヘリコバクター・ピロリ薬、β-ラクタマーゼ阻害薬やその他の抗菌薬)を中心に説明する。
A:化学療法薬(抗生物質と合成化学療法薬)の発見と開発の歴史、現状および将来について説明できる。
B:細菌の生体内代謝経路 (細胞壁合成、タンパク質合成、核酸合成など) と化学療法薬の作用メカニズムを関連づけて理解している。
C:化学療法薬(抗生物質と合成化学療法薬)の基本化学構造、作用機序、副作用および相互作用について、科学的に理解している。
パワーポイントと配布資料を用いて講義を進める。適宜課題を与え(指定された日時までに提出)、提出日後の講義で解説を配布するとともに、課題の中の特徴的な見解や誤解について解説を行なう。対面授業にて実施する。
No. | 講義項目 | 担当者 | 開講日 | 授業内容・方法 |
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1 | 化学療法薬の発展の歩み ※2限目に実施 | 大城 太一 | 9月2日② | 化学療法薬の歴史的な流れと感染症において化学療法薬が果たしてきた役割を学ぶ。 [予習] 事前に教科書の関連する章を読んでおく。 [復習] 講義で使用した配布資料を整理する。 [到達目標] Aに関連する。 |
2 | 作用機序(細胞壁合成阻害) ※2限目に実施 | 小林 啓介 | 9月9日② | 細胞壁合成を阻害する化学療法薬の作用機序を学ぶ。 [予習] 事前に教科書の関連する章を読んでおく。 [復習] 講義で使用した配布資料を整理する。 [到達目標] Bに関連する。 |
3 | 作用機序(タンパク質合成阻害) | 小林 啓介 | 9月16日① | タンパク質合成を阻害する化学療法薬の作用機序を学ぶ。 [予習] 事前に教科書の関連する章を読んでおく。 [復習] 講義で使用した配布資料を整理する。 [到達目標] Bに関連する。 |
4 | 作用機序(DNA、RNA 合成阻害) | 大手 聡 | 9月30日① | DNA、RNA 合成を阻害する化学療法薬の作用機序を学ぶ。 [予習] 事前に教科書の関連する章を読んでおく。 [復習] 講義で使用した配布資料を整理する。 [到達目標] Bに関連する。 |
5 | 抗細菌薬各論(β - ラクタム薬) | 大城 太一 | 10月7日① | β - ラクタム系抗菌薬を基本骨格に基づく分類を学ぶ。 代表的なβ - ラクタム系抗菌薬を抗菌スペクトルに基づいて分類し、有効な感染症を学ぶ。 β - ラクタム系抗菌薬の副作用と相互作用を学ぶ。 [予習] 事前に教科書の関連する章を読んでおく。 [復習] 講義で使用した配布資料を整理する。 [到達目標] Cに関連する。 |
6 | 抗細菌薬各論(マクロライド) | 大城 太一 | 10月14日① | マクロライド系抗菌薬の基本構造を学ぶ。 マクロライド系抗菌薬の抗菌スペクトルと有効な感染症を学ぶ。 マクロライド系抗菌薬の主な副作用と相互作用を学ぶ。 [予習] 事前に教科書の関連する章を読んでおく。 [復習] 講義で使用した配布資料を整理する。 [到達目標] Cに関連する。 |
7 | 抗細菌薬各論(テトラサイクリン、アミノ配糖体) | 大城 太一 | 10月21日① | テトラサイクリン系抗菌薬とアミノ配糖体系抗菌薬の基本構造を学ぶ。 テトラサイクリン系抗菌薬とアミノ配糖体系抗菌薬を抗菌スペクトルに基づいて分類し、有効な感染症を学ぶ。 テトラサイクリン系抗菌薬とアミノ配糖体系抗菌薬の副作用と相互作用を学ぶ。 [予習] 事前に教科書の関連する章を読んでおく。 [復習] 講義で使用した配布資料を整理する。 [到達目標] Cに関連する。 |
8 | 抗細菌薬各論(ペプチド系、その他の抗生物質) | 大城 太一 | 10月28日① | ペプチド系抗菌薬の抗菌スペクトルと有効な感染症を学ぶ。 上記に分類されない抗菌抗生物質の抗菌スペクトルと有効な感染症を学ぶ。 [予習] 事前に教科書の関連する章を読んでおく。 [復習] 講義で使用した配布資料を整理する。 [到達目標] Cに関連する。 |
9 | 抗細菌薬各論(サルファ薬、キノロン薬、抗結核薬) | 大手 聡 | 11月4日① | サルファ薬の基本構造と有効な感染症、主な副作用を学ぶ。 キノロン薬の基本構造を学ぶ。 キノロン薬の抗菌スペクトルと有効な感染症を学ぶ。 キノロン薬の主な副作用と相互作用を学ぶ。 抗結核薬を列挙し、基本構造、作用機序、生物活性、主な副作用について学ぶ。 [予習] 事前に教科書の関連する章を読んでおく。 [復習] 講義で使用した配布資料を整理する。 [到達目標] Cに関連する。 |
10 | 抗細菌薬各論(抗MRSA薬、抗ヘリコバクター・ピロリ薬、β-ラクタマーゼ阻害薬) と新たな抗細菌薬の開発と現状 | 大城 太一 | 11月11日① | 代表的な抗MRSA薬、抗ヘリコバクター・ピロリ薬、β-ラクタマーゼを列挙し、基本構造、作用機序、生物活性、主な副作用について学ぶ。 新しい抗細菌薬開発の問題点、現状と将来について学ぶ。 [予習] 事前に教科書の関連する章を読んでおく。 [復習] 講義で使用した配布資料を整理する。 [到達目標] A、Cに関連する。 |
11 | 予備日 | 11月18日① |
定期試験 | 定期試験結果(100%)により評価する。 |
授業 | |
その他 |
化学療法学Iでは、細菌感染症に対する薬物療法について下記の教科書や配布プリントを用いて解説する。化学療法薬(抗生物質と合成化学療法薬)を基本化学構造によって分類し、生物活性、作用機序や副作用などについて理解してほしい。
1 | 【授業時間外に必要な学習の時間:30時間】 |
2 | 予習:事前にシラバスを読んで講義内容を把握するとともに、各講義項目ごとに対応する教科書の範囲を必ず熟読しておく。 復習:配布されたプリントの内容を教科書と照らしあわせ、さらに理解を深める。授業ごとに指示された他の科目(生化学、細胞生物学、微生物学や生薬学など)との関連を確認し、理解を深める。 |
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 化学療法学改訂第2版―病原微生物・がんと戦う | 大村 智 監修 供田 洋・黒田照夫 編集 | 南江堂 |
参考書 | パートナー薬理学(改定第4版) | 栗原順一、田中芳夫、坂本謙司 編集 | 南江堂 |
参考書 | 化学系薬学Ⅲ. 自然が生み出す薬物 | 日本薬学会 編 | 東京化学同人 |
参考書 | 第18改正 日本薬局方解説書 | 廣川書店 |