科目名 | : | 生化学Ⅰ |
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英文名 | : | Biochemistry Ⅰ |
科目概要 | : | 薬・創薬, 1年, 後期, 必修, 1単位 A, B, C, D, S, 金曜日2時限, 大村記念ホール |
科目責任者 | : | 柴垣 芳夫 (生化学・講師) |
担当者 | : | 柴垣 芳夫(生化学・講師) |
備考 | : | 健康食品管理士養成講座対応科目 〔科目ナンバリング:PP301-BI01, PL301-BI01〕 |
薬学を学んでいく上に重要となる生命科学の基礎を身に付けるために、生化学の基本的な知識を修得する。生化学Ⅰでは特に、生命体の構造単位である細胞の構造を理解し、生体を構成する成分の化学的性質について説明できるようにする。また生体高分子が示す特徴的な性質を理解し、生体内で行われる化学反応、特に酵素反応について分子レベルで考察できるようにする。科目の位置付け:生物・生理系専門科目
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の薬学科④、生命創薬科学科①に関連する。
生化学Iは生体の構成成分特に、アミノ酸、タンパク質、核酸の化学的、物理的な性質について講義する。また生体内で行われる触媒反応の中心的な役割を果たす酵素について反応機構及び制御機構について説明する。
A: 薬学を学んでいく上に重要となる基本的な生体成分アミノ酸、タンパク質、核酸の化学的、物理的な性質を理解できる。
B:薬物の作用機作を細胞レベルの代謝機構を踏まえて理解する基礎を身に着けられる。
C:薬物の作用機作をインターネット、文献読み解き、自分で調べることができる。
パワーポイントと配布資料を中心に、教科書であるレーニンジャーの新生化学の各章をまとめて講義を進める。講義中に教科書をすべて網羅することは難しいので各章でポイントとなる図を説明し、教科書の該当ページを示しながら、復習がしやすいように配慮する。講義中にクイズ形式のスライドをまじえて受講者が理解度を確認できるようにする。また、課題で問題のある場合は、次回の講義の際に指摘する。
対面講義として実施する。
No. | 講義項目 | 担当者 | 開講日 | 授業内容・方法 |
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1 | 生化学の基礎と生物の進化 | 柴垣 芳夫 | 9月12日② | 古典的な生化学の芽生えから現代の分子生物学までの流れについて学ぶ。 【予習】事前に教科書の該当箇所に目を通しておく。 【復習】講義で指摘した教科書の項目をよく読んでおく。 【到達目標】Cに関連する。 |
2 | 細胞の構造 | 柴垣 芳夫 | 9月19日② | 原核細胞と真核細胞における基本構造、オルガネラとその機能について学ぶ。 【予習】事前に教科書の該当箇所に目を通しておく。 【復習】講義で指摘した教科書の項目をよく読んでおく。 【到達目標】Bに関連する。 |
3 | 生化学における水の役割 | 柴垣 芳夫 | 9月26日② | 生体成分の化学構造、化学反応性、水溶液中における性質について学ぶ。 水溶液中でみられる4 つの弱い相互作用について学ぶ。 【予習】事前に教科書の該当箇所に目を通しておく。 【復習】講義で指摘した教科書の項目をよく読んでおく。 【到達目標】Aに関連する。 |
4 | アミノ酸とペプチド | 柴垣 芳夫 | 10月3日② | アミノ酸を化学的性質と構造から分類し、構造を学ぶ。 各アミノ酸の特徴を化学的性質を理解し、学ぶ。各アミノ酸の特徴をタンパク質の性質と関連づけて学ぶ。 ペプチド結合について学ぶ。 アミノ酸の滴定曲線の特徴をアミノ酸のイオンの構造から学ぶ。 【予習】事前に教科書の該当箇所に目を通しておく。 【復習】講義で指摘した教科書の項目をよく読んでおく。 【到達目標】Aに関連する。 |
5 | タンパク質の精製法 | 柴垣 芳夫 | 10月10日② | タンパク質の分離・精製法について学ぶ。 タンパク質の一次構造の決定法について学ぶ。 【予習】事前に教科書の該当箇所に目を通しておく。 【復習】講義で指摘した教科書の項目をよく読んでおく。 【到達目標】Aに関連する。 |
6 | タンパク質の分析方法 | 柴垣 芳夫 | 10月17日② | タンパク質・ペプチドの定量法について学ぶ。 タンパク質の二次構造、三次構造、四次構造について学ぶ。 【予習】事前に教科書の該当箇所に目を通しておく。 【復習】講義で指摘した教科書の項目をよく読んでおく。 【到達目標】Aに関連する。 |
7 | タンパク質の三次元構造 | 柴垣 芳夫 | 11月7日② | タンパク質の折りたたみと変性について学ぶ。 タンパク質-リガンド相互作用について定量的な扱いができ、その意味について学ぶ。 【予習】事前に教科書の該当箇所に目を通しておく。 【復習】講義で指摘した教科書の項目をよく読んでおく。 【到達目標】Bに関連する。 |
8 | タンパク質の機能 | 柴垣 芳夫 | 11月14日② | アロステリック効果について例をあげて学ぶ。 ヘモグロビンを例に挙げて外的条件がタンパク質の機能にどのような影響を与えるのかについて学ぶ。 Kd の意味について学ぶ。 【予習】事前に教科書の該当箇所に目を通しておく。 【復習】講義で指摘した教科書の項目をよく読んでおく。 【到達目標】B及びCに関連する。 |
9 | 酵素反応と速度論 | 柴垣 芳夫 | 11月21日② | 酵素の一般的な性質について学ぶ。活性化エネルギーと結合エネルギー、酵素の基質特異性など酵素触媒の分子機構について学ぶ。 ミカエリス- メンテン式の意味について学ぶ。 【予習】事前に教科書の該当箇所に目を通しておく。 【復習】講義で指摘した教科書の項目をよく読んでおく。 【到達目標】A、B、Cについて関連する。 |
10 | 酵素の阻害反応と活性調節 | 柴垣 芳夫 | 11月28日② | 二重逆数プロットの式を導くことができ、式を使って酵素の動力学的定数の計算法について学ぶ。 【予習】事前に教科書の該当箇所に目を通しておく。 【復習】講義で指摘した教科書の項目をよく読んでおく。 【到達目標】B、Cについて関連する。 |
11 | ヌクレオチドと核酸 I | 柴垣 芳夫 | 12月5日② | ヌクレオチド、DNA, RNA の化学的性質と構造の特徴について学ぶ。 核酸の高次構造について説明できる。 核酸の変性について説明できる。 【予習】事前に教科書の該当箇所に目を通しておく。 【復習】講義で指摘した教科書の項目をよく読んでおく。 【到達目標】Aに関連する。 |
12 | ヌクレオチドと核酸 II | 柴垣 芳夫 | 12月12日② | 核酸に変異を与える物質について学ぶ。 DNA の塩基配列決定法について学ぶ。 簡単な遺伝子工学の方法論について学ぶ。 【予習】事前に教科書の該当箇所に目を通しておく。 【復習】講義で指摘した教科書の項目をよく読んでおく。 【到達目標】Aに関連する。 |
定期試験 | マークシート形式と記述問題を出題する。(100%) |
授業 | 授業において理解度のチェックを適宜クイズ形式で行う。 |
その他 |
生化学 I は、これから薬学を学ぶ上での基礎となる科目です。レーニンジャーの新生化学は教科書として膨大な量です。すべてを理解することは難しいですが、講義を通じて将来他の分野でわからないことがあったときにこの教科書を使いこなす力を養ってください。
1 | 【授業時間外に必要な学習の時間:30時間】 |
2 | 高校の生物を学んだ諸君は、もう一度教科書を見直すことを薦める。復習として、講義中に指摘した部分の教科書を必ず読むこと。 |
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | レーニンジャーの新生化学 (上) 第7版 | D. L. Nelson and M. M. Cox(山科郁男監修) | 廣川書店 |
参考書 | (なし) |