Web Syllabus(講義概要)
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科目名:漢方薬理学特別講義
英文名:Special Lecture on Kampo Pharmacology
科目概要:博士後期_薬科専_薬科コ, 博士後期課程, 通年, 必修, 2単位

科目責任者:日向 須美子 (漢方臨床研究室・准教授)
担当者:日向 須美子(漢方臨床研究室・准教授)伊藤 直樹(漢方臨床研究室・講師)遠藤 真理(漢方臨床研究室・助教)
備考:

授業の目的

自らの研究テーマの背景を理解し、研究立案能力や将来指導的な役割を果たす能力を身につける。さらに、自らの研究結果をもとに作用メカニズムの解明へ発展させるために必要な基礎知識を修得し、研究へ反映させる。
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の薬科学専攻博士後期課程②③④⑥に関連する。

教育内容

漢方薬の効能効果の根源となる成書(古典)に関する知識から現代疾患への応用に関する知識までを講義し、多種多様な天然物医薬品である漢方薬や生薬の特性を考慮した研究手法についても解説する。

教育方法

パワーポイントを用いた対面で講義を行い、適宜練習問題を出して、その場で解説することで理解を深める。

講義内容

No.講義項目担当者開講日到達目標・学習方法・内容
1漢方薬の効能効果と成書(古典)                                                                                              日向 須美子
4月9日②漢方薬の効能効果は2000年以上の日本での使用経験をもとに承認されたが、その根拠となるのが成書(古典)である。本講義によって、成書の記載から漢方薬の効能効果を概説できるようになる。
2漢方薬のエビデンス日向 須美子
4月16日④漢方薬のエビデンスや漢方薬が掲載された様々なガイドラインから臨床上の課題を学ぶ。
3漢方薬とがんサポーティブケア日向 須美子
4月23日②③がん治療に伴う副作用を軽減するための漢方薬によるがん支持療法を学ぶ。
4がん転移や抗がん剤耐性に寄与する可能性がある漢方薬日向 須美子
5月7日②③④がん転移抑制効果が報告されている漢方薬や、がん治療薬に対する耐性からの回復に寄与する可能性が高い漢方薬や、その研究手法を学ぶ。
5漢方薬と疼痛緩和日向 須美子
5月14日②③④漢方薬による関節痛、筋肉痛、リウマチなどの疼痛緩和作用を学び、その作用機構を解明するための研究手法についても学ぶ。
6漢方薬とうつ伊藤 直樹
5月21日②③④うつに対して用いられる漢方薬や、その作用メカニズムを解明するための研究手法について学ぶ。
7漢方薬と老化伊藤 直樹
5月28日②③④老化関連疾患に用いられる漢方薬や、その作用メカニズムを解明するための研究手法について学ぶ。
8漢方薬と消化管疾患遠藤 真理
6月4日②③④消化管の運動機能や炎症などの不調に用いられる漢方薬やその研究方法について学ぶ。
9漢方薬と腸管免疫遠藤 真理
6月11日②③④漢方薬の腸管免疫系への作用やその研究方法について学ぶ。
10がん細胞と増殖因子受容体日向 須美子
9月3日②④⑥がんに対する漢方薬の作用を解析するために必要な基礎的な知識として、がん細胞の増殖や転移に関与する増殖因子受容体について細胞生物学的な背景も含めて解説する。
11がんと転移日向 須美子
9月10日②原発腫瘍が遠隔臓器へ転移する際に関与する分子を含めて、がん転移のメカニズムを解説する。
12疼痛日向 須美子
9月17日②疼痛の発症メカニズムについて、TRP (transient receptor potential) chnannelsを中心に解説する。
13うつのメカニズム伊藤 直樹
9月24日②うつ発症メカニズムについての歴史から最新の知見まで概説する。
14炎症と免疫遠藤 真理
10月1日②炎症や免疫の仕組みについて概説する。
15新しい天然物医薬品の開発とその課題日向 須美子
10月8日③④⑥エフェドリンアルカロイド除去麻黄エキスの開発を例として、天然物医薬品開発の課題について解説し、新しい漢方薬の開発を推進するにはどうしたらよいかについて討論を行う。
No. 1
講義項目
漢方薬の効能効果と成書(古典)                                                                                              
担当者
日向 須美子
開講日
2025-04-09
到達目標・学習方法・内容
漢方薬の効能効果は2000年以上の日本での使用経験をもとに承認されたが、その根拠となるのが成書(古典)である。本講義によって、成書の記載から漢方薬の効能効果を概説できるようになる。
No. 2
講義項目
漢方薬のエビデンス
担当者
日向 須美子
開講日
2025-04-16
到達目標・学習方法・内容
漢方薬のエビデンスや漢方薬が掲載された様々なガイドラインから臨床上の課題を学ぶ。
No. 3
講義項目
漢方薬とがんサポーティブケア
担当者
日向 須美子
開講日
2025-04-23
到達目標・学習方法・内容
がん治療に伴う副作用を軽減するための漢方薬によるがん支持療法を学ぶ。
No. 4
講義項目
がん転移や抗がん剤耐性に寄与する可能性がある漢方薬
担当者
日向 須美子
開講日
2025-05-07
到達目標・学習方法・内容
がん転移抑制効果が報告されている漢方薬や、がん治療薬に対する耐性からの回復に寄与する可能性が高い漢方薬や、その研究手法を学ぶ。
No. 5
講義項目
漢方薬と疼痛緩和
担当者
日向 須美子
開講日
2025-05-14
到達目標・学習方法・内容
漢方薬による関節痛、筋肉痛、リウマチなどの疼痛緩和作用を学び、その作用機構を解明するための研究手法についても学ぶ。
No. 6
講義項目
漢方薬とうつ
担当者
伊藤 直樹
開講日
2025-05-21
到達目標・学習方法・内容
うつに対して用いられる漢方薬や、その作用メカニズムを解明するための研究手法について学ぶ。
No. 7
講義項目
漢方薬と老化
担当者
伊藤 直樹
開講日
2025-05-28
到達目標・学習方法・内容
老化関連疾患に用いられる漢方薬や、その作用メカニズムを解明するための研究手法について学ぶ。
No. 8
講義項目
漢方薬と消化管疾患
担当者
遠藤 真理
開講日
2025-06-04
到達目標・学習方法・内容
消化管の運動機能や炎症などの不調に用いられる漢方薬やその研究方法について学ぶ。
No. 9
講義項目
漢方薬と腸管免疫
担当者
遠藤 真理
開講日
2025-06-11
到達目標・学習方法・内容
漢方薬の腸管免疫系への作用やその研究方法について学ぶ。
No. 10
講義項目
がん細胞と増殖因子受容体
担当者
日向 須美子
開講日
2025-09-03
到達目標・学習方法・内容
がんに対する漢方薬の作用を解析するために必要な基礎的な知識として、がん細胞の増殖や転移に関与する増殖因子受容体について細胞生物学的な背景も含めて解説する。
No. 11
講義項目
がんと転移
担当者
日向 須美子
開講日
2025-09-10
到達目標・学習方法・内容
原発腫瘍が遠隔臓器へ転移する際に関与する分子を含めて、がん転移のメカニズムを解説する。
No. 12
講義項目
疼痛
担当者
日向 須美子
開講日
2025-09-17
到達目標・学習方法・内容
疼痛の発症メカニズムについて、TRP (transient receptor potential) chnannelsを中心に解説する。
No. 13
講義項目
うつのメカニズム
担当者
伊藤 直樹
開講日
2025-09-24
到達目標・学習方法・内容
うつ発症メカニズムについての歴史から最新の知見まで概説する。
No. 14
講義項目
炎症と免疫
担当者
遠藤 真理
開講日
2025-10-01
到達目標・学習方法・内容
炎症や免疫の仕組みについて概説する。
No. 15
講義項目
新しい天然物医薬品の開発とその課題
担当者
日向 須美子
開講日
2025-10-08
到達目標・学習方法・内容
エフェドリンアルカロイド除去麻黄エキスの開発を例として、天然物医薬品開発の課題について解説し、新しい漢方薬の開発を推進するにはどうしたらよいかについて討論を行う。

評価方法

定期試験
授業
その他講義に臨む態度や講義後の議論に積極的に参加したか(50%)、及び、講義後の課題(50%)で評価します。

学生へのメッセージ

博士後期課程に在籍する者としての自覚をもって、真摯に取り組んでください。

準備学習(予習・復習)・その他

1【授業時間外に必要な学習の時間:60時間】
(予習)各講義項目に関連のある教科書や参考書を読み、疑問点や自分の考えをまとめておく。
(復習)講義内容や議論の内容を整理し、理解を深める。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書漢方診療のレッスン花輪壽彦金原出版
教科書漢方処方ハンドブック花輪壽彦医学書院
参考書傷寒論解説大塚敬節創元社
参考書漢方薬のストロング・エビデンス新井新一、元雄良治じほう
参考書漢方でできるがんサポーティブケア元雄良治南山堂
参考書がんサポーティブケアのための漢方活用ガイド日本がんサポーティブケア学会南山堂
参考書new薬理学加藤隆一、田中千賀子南山堂
参考書Chapter 34 - Analgesic effects of Ephedra Herb and ephedrine alkaloids-free Ephedra Herb extract (EFE), 2022, Pages 385-400, “Treatments, Mechanisms, and Adverse Reactions of Anesthetics and Analgesics”Sumiko Hyuga, Shunsuke Nakamori, Yoshiaki Amakura, Masashi Hyuga, Nahoko Uchiyama, Yoshinori Kobayashi, Takashi Hakamatsuka, Yukihiro Goda, Hiroshi Odaguchi, and Toshihiko HanawaAcademic Press
教科書
署名
漢方診療のレッスン
著者・編者
花輪壽彦
発行所
金原出版
教科書
署名
漢方処方ハンドブック
著者・編者
花輪壽彦
発行所
医学書院
参考書
署名
傷寒論解説
著者・編者
大塚敬節
発行所
創元社
参考書
署名
漢方薬のストロング・エビデンス
著者・編者
新井新一、元雄良治
発行所
じほう
参考書
署名
漢方でできるがんサポーティブケア
著者・編者
元雄良治
発行所
南山堂
参考書
署名
がんサポーティブケアのための漢方活用ガイド
著者・編者
日本がんサポーティブケア学会
発行所
南山堂
参考書
署名
new薬理学
著者・編者
加藤隆一、田中千賀子
発行所
南山堂
参考書
署名
Chapter 34 - Analgesic effects of Ephedra Herb and ephedrine alkaloids-free Ephedra Herb extract (EFE), 2022, Pages 385-400, “Treatments, Mechanisms, and Adverse Reactions of Anesthetics and Analgesics”
著者・編者
Sumiko Hyuga, Shunsuke Nakamori, Yoshiaki Amakura, Masashi Hyuga, Nahoko Uchiyama, Yoshinori Kobayashi, Takashi Hakamatsuka, Yukihiro Goda, Hiroshi Odaguchi, and Toshihiko Hanawa
発行所
Academic Press